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フレアザウスの戦闘人形  作者: リィズ・ブランディシュカ
8/10

08 愛という感情



 王子を狙った人間はすぐに捕縛した。

 私のヒビもすぐに直った。


 王子の怪我はかすり傷だったようだ。

 手当は簡単な物ですんだ。


 けれど、もし私があの時、間に合わなかったとしたら?


 王子の事を考えると、胸が熱くなるような感覚がある。

 王子が危険な目に遭う場面を想像すると、冷静に思考できない気がする。


 これは私の、恋という感情なのだろうか。


 私が私でなくなるようで怖かった。


「どうした? 何か悩みでもあるのか」

「王子、私は怖いです。私があなたに対して抱く感情が、怖くてたまらない」


 王子は私を抱きしめて、安心させるように微笑んだ。


「大丈夫、その感情は愛というのだ。恐ろしい物でも、怖いものでもない。ただ己の感情がまなならなくなるだけのもの」

「私はこの感情が辛い。捨ててしまいたい」

「どうかそんな事は言わないでくれ」



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