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第二段【プロット? 起承転結のこと? 適当でいいよ、そんなの】

「クロです」

『シロです』


「先に生まれました」

『後で生まれたよ』

「私はツンデレかもよ?」

『ボクはただの狂人だよ』



「『二人合わせてシロクロです』」




『……このくだり、毎回やるの?』


「面倒くさいね。次からやめようか。それよりも、こんな作者の脳内妄想人形劇を読んで下さった上に感想まで残してくれて、皆さん、どうもありがとう様です」


『お礼はしっかりと言葉にしよう』

「この場合は文字に残す」

『細かい事は』



「『気にするな』」




『さてさて、今回も失敗談する?』


「どうなんだろ? なんかコメントとかの反応だと失敗談よりもシナリオのノウハウの方が聞きたいみたいなのが多かったし……」


『実は失敗談形式を書いててあんまり面白くなかったからしばらくぶりだとか』


「そういう話はしなくていい」



《カンペ:あの話をしよう》



「えーと、はいはい。何の話かは知らないけど渡されたね……。《紙が一枚》あ……コレは……」


『ナニソレー? うーん? シナリオじゃない? 紙一枚だけ? ……ビッシリ書かれてるね。ネットでは読みにくいヤツだ』


「わかりやすいように適当に改行するね、ホイ」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


《注意! 無理して読む必要はないよ! 後で彼女達が後で感想を述べるからね!》


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 プロット



 未来の物語り。新人類や機械人間などが存在する時代。地球は月と戦争をして、その影響で空は晴れない雲に覆われていた。


 上地陽太は戦争経験者の新人類。


 戦争が終わってから平和に過していたが、まともな話し合いも無いまま戦闘試験を実施させられた。仕方が無い思いで攻略していく陽太は、人体実験を受けていた青白い色の髪をした可憐で、でも無感情な少女を発見した。


 少女には名前が無かった。そこで陽太は少女に感じた、空に曇が掛かったかのような無表情な子、いつか笑顔になるようにと願って空晴と名づけた。


 テストを終えると世界平和を掲げる組織、国際刑事組織の九森松葉が現れる。


 松葉は陽太に空晴の正体を明かした。彼女は陽太の尊敬する義父が研究し、生身の人間を改造した生物兵器であり、どの最先端技術をも凌駕する謎の能力を持っている。


 このままでは世界に混乱を招くから息子として責任を取れと陽太に説明した。


 彼女の体には月だけで取れる新しい原子体、エクス原子が入っていた。エクス原子には高出力のエネルギーが詰っており、謎の多い物質であるがこの時代では主流エネルギーの資源でもある。


 地球でのエネルギー枯渇問題がきっかけで起きたのが月と地球で起きた資源戦争。


 その戦争で陽太は捕虜の少女を連れて非戦闘区域の日本へ亡命した。

 自分はのうのうとしていたのに、義父のおぞましい研究の被害者である空晴に罪悪感を感じ、普通の女の子として育てていこうと決意する。


 しかしそんな陽太達に運悪くテロリストの襲撃に遭遇する。


 しかも首謀者は陽太のかつての親友グレイ。

 陽太の活躍によりグレイ達を退ける事ができたが、しかしエクステクノロジーの爆弾兵器によって松葉は亡き者にされた。


 しかも空晴の正体を知ってしまったグレイは空晴を誘拐し、陽太は守り抜けなかった。

 そして陽太は空晴を奪還する為、グレイのアジトに潜入する。


 しかし松葉の死んだフリ作戦に皆が引っ掻き回され、逃走しようとしたグレイは逮捕、空晴も無事とは言えないが救出した。


 だがグレイはアジト内を自爆させてしまい、アジト内でエクスエネルギーで出来た竜巻、エクストリームが暴走発生してしまう。このままでは全員が死んでしまう危機を、空晴の能力を駆使してエクストリームを消し去った。


 その結果、大空を覆っていた灰色の雲に大きな穴が空いた。秘色の青空が広がっている。二人にとって始めてみる青空。


 その時、生まれて始めて空晴が笑顔をみせた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


《はい、終わり。お疲れ様でした》


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『……はぁ……ナニコレぇ。プロットのクセにポエマーチックで、もはやよくわかんない』

「読むのもオゾマシイ遺物だねこれ。知識がまるでないSFモノって感じ。あと文章を手直ししたい。なんかもうアレだね。小学生の宿題プリントの裏の落書きみたい。こんなのよく平気でさらせるね」



《カンペ:申し訳ない(テヘペロリン)》



『カンペをそういう使い方したらダメだと思うなー。普通に会話に入ってきてるみたいでウザイ』


「うん。コイツは後で山に埋めてくるとして……。ハァ(クソデカ溜息)」


『うわ! クロちゃんが物凄い精神的ダメージを負ってるから、さっさと済ませよう。これでなにがしたいんー?』


「たぶん上の例文を利用してプロットの作り方でも話したいんだろうけど……もう上のが駄文過ぎて使いたくないなぁ」


『よし、じゃあココはシロさんが頑張って別の物を取って来るね!!』


「え?」




《待ってシロちゃんそれは気分転換の――》




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 生まれてからの二十五年を振り返った。

 自分はなんとつまらない人生だったのだろうか、と。


 面白かったワケでも、辛かったワケでもない。ただ、山も谷も無く、無難に生きてきただけであった。


 このまま死んでも、誰も気にしないし、気づかれもさえせずに……あの工場の煙突の煙みたいに空と雑ざって薄れ消えゆくのだろう……なんて思っていた。



 それがまさか、不治の病になるなんて、夢にも思わなかった。



 癌の“ステージ4”だと言われた。何かの間違いだとも思ったが、大きな病院で検査して、明確に診断をされたら、認めるしかない。……とはいえ、自分の意思ではなく、両親の意思によっての往診であったけれど。



 とにかく医者が言うには、このままだと長くて三カ月。治療するには莫大な費用と長い闘病生活が待っているという。


 皆が言う。希望さえ持って戦えば、きっといい結果が待っていると。



(そんな事を迫られても、わからない)



 そもそも、戦って、その先に何が待っている。生き延びた後に待っている希望とは、なんだ。自分には、無価値な二十五年という長く無味だった記憶しかなかった。



 生きる価値とはなんだ。希望とはなんだ。勝ち得た将来に何か意味があるのだろうか。




 私には、それがどうしてもわからない。



 今まで自分は何をしてきたのか。


 そこそこの勉強をして、まずまずの学校を通って、無難な会社に入って、毎日を浪費するように活動してきた。


 趣味はないのか、そう言われると、あんまりない。強いて上げるのであれば本を読むくらいだろうか。でも深く読み込んでいる人や、字を書いて生活している人たちに比べれば、自分などが「趣味は読書です」なんて言うのは、憚られて気が進まない。



 好きな人は居ないのか。


 これが残念ながらいない。有名人などを見ても「格好良くて素敵だなぁ」とか「面白くていいよね」なんて口にする時もあるが、本音の部分では、全く興味がわかない。

 こういう人間を“枯れている”などとよく表現するけれど……なるほど。その言葉をひらめいた時、自分の中でも不自然に見えなかった部分がわかった気になった。



 自分はそもそも、生に対する興味が湧かなかったのではなく、そろそろ死ぬからその必要なかったのだろう。……と、自分なりに理論付けられた。




「……もっと早くに気がついていれば、こんな無駄に時間を浪費する必要も無かったのに」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




《シロちゃんやめて!! それ書きかけのヤツだからぁ!? 短編とかにでも作ろうとしてたヤツだから!!》



『うっさい、ちょっとくらいお口直しの文章を用意してあげないさい』

「ふう、蘇った」

『そういうシステムなの?』

「そういう事にしておいて」



『まあ、とにかく内容暗いけど、これって何のつもりで書いたんだろうね?』

「作者曰く、この書き出し(起)はなんにでもいけるって話だよ」

『……いや、なんにでもは無理じゃない? めっちゃ暗いじゃん。クライCryで泣き出しそうなくらいに暗いって』

「そもそも“恋愛かコメディでいけるッ!”とか思ってたみたい」

『恋愛はともかく、コメディって、んなバカな……』

「じゃあ試しに……」



《この先の予定・コメディ編》

起:主人公は不治の病だと診断される。


承:気分転換に東京へいくと、通勤電車の中で痴漢を目撃する。


転:主人公は痴漢していた男に逆痴漢をする。男は自分がまさかされるとは思ってなくて、逆にうろたえる。主人公は面白がって行動がエスカレートし、何かに目覚める。


結:後日、誤診だったと言われる。その後の主人公の人生は……読者に任せる。




「……ひでえ展開だ」


『そしてトンでもなく……汚ねえオチだ……スキ』


「シロはシリアスギャグみたいな展開とかオチが好きだね。そんでついでにもう一個」




《この先の予定prat2:恋愛編》

起:主人公は不治の病を患う。


承:最後だからと同級生に会いに行くと、パッとしない同級生だった男と出会う。


転:お互い独り身でお互いにデートでもしようとなって、すこしだけいい思い出を作ってしまう。その時になって初めて、人を好きになるというのが切ないものだったのかと後悔する。


結:最後に死に別れるけど、手には結婚指輪、同級生の男性が一緒に居て、主人公は安らかな眠りについていた。




「うん、恋愛をつくれ」


『クロちゃんは切ないものが大好物~♪』


「でも私の乙女心が悲恋は許さないと叫んでる」


『そこは正直どっちでもいい』




《カンペ:さて話をプロットに戻って》




『……とか指示してきてるよ』


「うーん。といってもプロットとか言ってもさぁ。ぶっちゃけ、丁寧であればあるほど、量が多ければ多いほど、あれって邪魔なんだよね」


『というと?』



「一個目のヤツ。まあポエマーな部分は正直ウザイし論外だとしても……。


 あの無駄にびっしり書いた奴。あれをプロットとして用意したとしても、たぶん本分は書かない。もし書けたとしてもきっとプロットは読まない。この作者なら無視して書く。何故なら理屈が無茶苦茶なのに指示が多いから。



 なんていうか、キャラに与えられた使命が多くて、行動が固められて、自由に考えることを許さない状態って感じしない?



 きっとこれを元に物語を作っても整合性がどこかで取れなくなるから放置する。


 だから、プロットでは必要最低限の要素だけでいいって事だと思うんだよね。キャラクターに考える余地を与える事で人物はちゃんと生きるんだよ。


 二つ目の起承転結のヤツ。あれくらい短くていいんだよ。



 起の部分で不治の病にかかるって情報しかないけど、だからこそ「主人公はこう思う」てのが自由に織り成される。


 だからそこで主人公が“モノ考える人物”として生まれた筈なのであって、それこそがキャラが“生きる原因”なんだと思う」




『結論、プロットはテキトウでいい?』


「この場合は本当の意味での“適当”という言葉が望ましいね。決して雑って意味ではなく。でももしこれを読んでる人がいても、私達の話を鵜呑みにはしないでね。こういうのって、書き手の性格次第だと思うし、目指したい作風にもよるからね~……」


『結局、この手の話は人それぞれ、向き不向きってお決まりなオチ(笑)』


「そりゃもうね。『人それぞれ』は万能理論さんだからね♪」



《ケラケラ》



『あ、そうだ。ねえねえ、プロットの話をするなら、伏線とかフラグ管理とかはどうなの?』


「それはまた違う技術とか領分。結末(結)とか展開(転)を予測した時に“前述にこういうシーンがあるべきだ”という話だよね。プロットとはまたちょっと住み分けを変えた方がいい部分だと思うなぁ」


『なんか思ってたより真面目な返しだった』




《カンペ:疲れたからそろそろ締めよう?》




「うん、私も疲れたから、あとシロよろしく~」



『ゲェ……真面目要素をボクに押し付けるなよ~。まあ、そこそこガンバってみるけど。



 さて……えっと~今回はプロットの話だったけど、結局役に立ちそうな話でもなかったかな? だからみんな、忘れて良いよ! って感じだったのかな? うん、確かそんなだったはず。えーと……あ~。



 ちょっとやっぱムリ。ボクって基本的に何も考えてないからさぁ。クロー、どうにかしてよ~。


 クロ~……?


 作者、なんとかしてー?



 …………。なんで無反応?



 え、ホントに誰も残ってない。うそでしょ!?


 ちょっとちょっと、ホントに何も思いつかないんだって。無茶振りとかやめてよ。そもそも、今回のプロットはどうなってんのさ? オチは? ねえ、ねえ!?


 台本のない無茶振りなんて一番ダメだよね!? なにしていいのかボクだけだとわかんないよ!?


 ないの? うそ、ねえ? マジ?


 えっと……。




 ……みんな、オチだけはちゃんと用意しようね!!』

大丈夫、オチたよ?

用意してなかったけど。今回も行き当たりバッタリの台本なしでした。いや、二人はよくやってくれました。

あ、シロさん、ここ舞台裏だから襲いに来ないで、やめて――《断末魔》

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