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友人 2/20更新

(う、腕触ってもいいかな)

(ばれないよね、寝てるよね?)

(くぅ、寝顔可愛い~)


まずい。

いつの間にか寝てたみたいで、ついさっき意識が戻ったんだが、なんかグレシア以外に何人かいるっぽいんですけど。

恥ずかしくて目が明けれないんですけど。

どうすればいい?


(あ、あれ? なんか顔赤くなってない?)

(ほんとだ、どうしたんだろ)

(熱?! 大変、冷えピタもってこなきゃ!)


うわ、やばい、ばれそう。

というか、異世界なのに冷えピタって、普通はタオルでしょ!


「あっ・・・」


「・・・ども」


病気じゃないのに冷たいタオルを頭に被せられても困るので、おとなしく目を開けて、起きてるよってことを証明した。

視界には金色のロングヘアー娘が口をあんぐり開けているところが入った。


「あ、あああ、は、はじ、はじめまして、そ、そそ、その、も、モルモともうし、ます、はは」


「は、はい、そうなんですね」


なんだ、この緊張ぶりは!

分かりやすく冷や汗書いてやがる。

顔も紅潮してゆでだこみたいになっている。

なんだか、親近感を覚えた。


「モルモさん、僕はマコトっていいます。タナベマコト」


「あ、そうん、なんでえすね! ちょっと、ろれつが、回らないんですが、よろしくおねがいします!」


「あ、」


挨拶が終わるとすぐに視界からモルモちゃんの姿が消える、首を動かしてみると、グレシアと並んで、ぞうきんを絞っているようだ。

結局ぞうきんかよ! しかも二枚もいらないよ!


「あ、起きた? 君が寝てる間に友人が来てね、モルモっていうの」


「うん、聞いた」


「早っ! 私がぞうきん取りに行ってる間に知り合ってたんだ」


「そうだね」


さっきのは無かったことにしようっと。

できるだけ平然を装ってるけどまだ緊張してます。


「タナベ、さん、熱、だいじょ、ぶ?」


「大丈夫だよ、熱なんてないし。というか、逆にそんなに声震えて大丈夫なの?」


「へ、平気、普通」


普通じゃないだろ。


「ふーん」


「なにニヤニヤしてんだっ!」


「いや、緊張しすぎでしょ、ふふ」


「うるさい、グレシアのおたんこなす!」


「はいはい、で、タナベ、さっきはごめんね? 急に倒れちゃって・・・」


「おい、スルーすんなデレデレすんな! 普段はそんな心配しないでしょ!」


「うっさい」


わーわー言い争いが始まったけど、僕は置いてけぼりだ。

なんか、最初のイメージってあてにならないな。


「~~~あっ、ごめん、タナベ。お風呂入る?」


「え?」


「ここに来た理由の一つでしょ? 風呂はあそこだから」


うわ、すごい!

気付かなかったけど、入り口の真正面に扉があった。

どうやらスライド式らしい。


「ささくれとか、ないよね?」


「さすがに風呂には残してないって(笑)」


「そっか、じゃあ入ります。ありがとう」


「んじゃ、あったまってきてね!」


そんなわけで入浴中。

ドアにも浴槽にも危ないささくれは無かった。

そして、浴槽がなにかの木でできているのだが、においがとてもいい。

久しぶりの風呂は気持ちいいなぁ。


・・・・・・

・・・・・・


さて、体を洗おうかな。


・・・・・・

・・・・・・っ!


「ん?」


なにか動いた?

正面の大きな鏡になにか映った気がした。

あ、石鹸無い・・・


・・・・・・

・・・・・っ! はぁ


僕は振り向いた。

すると、ゴンッっと音がした。


「いったぁ・・・」

「ど、どいてよ重・・・」


なんだ、彼女たちか・・・ってええええええ!

そっか、ここはそういう世界か!

直接姿は見えないが、あのドアから覗けるらしい。


「ねえ」


「「は、はい!」」


「怒ってないよ、それより、石鹸ってどこにあるの?」


「え・・・怒らないんだ・・・じゃなくて、石鹸とってきます!」


どうやらグレシアが取りに行ったらしい。

ドアの前にはまだモルモがいる。


「モルモ」


「っ! ひゃい!」


「一緒に入る?」


「!! そ、しょんなこと、い、いいんですか?」


「だって、ドアの前に立ってるってことは二人ともお風呂入りたいんでしょ?きなよ」


「えー!! じゃ、じゃあ行かせてもらいますぅ!」

え・・・まじ?

からかうつもりでいったんだけど・・・演技できてなかったかな。

というか、嘘だろっ!!


――目の前には、一糸まとわぬ女の子がいた。


「ちょ、ちょい!」


「はい・・・?」


「いや、ごめん。やっぱり入らないで・・・」


「え、えぇ~、そんなぁ・・・酷い。ダメです! 絶対裸みせてもらいますからね! ふん!」


「ちょ、え、あ、あぁー・・・」


ずかずかと、入ってきた。湯船に! 

じゃぼんと音を立てながら、少女の裸体が隣に座る。

おっぱいやら乳首やらが見えまくっているが、それよりも女の子が隣に座っているこの状況で、僕はのぼせた。


「へ、へえ・・・男の人ってこんな・・・じゅる」


僕は今、何も考えられない。

だから、隣から精気が漂っていることなんて全く気が付かず、そして――


「もう、襲っちゃう!」


「ごめん、石鹸とってき・・・」


「あ、グレシア! これは違うの! あのね・・・いてっ! 痛い痛い!」


「何してんのよおぉ! この馬鹿!! 慎重に狙ってたのにぃ! 責任とりなさい!」


ど、どうやら助かったみたいだ・・・

いや、僕としては襲われてもよかったんだけどもね。

卒業しちゃってもよかったんだけどね!

と、冗談は置いといて、ポカポカとモルモを殴っているグレシアを止めなければ。


「ぐ、グレシアっ! やめたげて、モルモは何もしてないよ、僕が言ったんだ・・・その、襲ってって」


「えぇー!! そ、そんなに○ッチだったの?! なんだ・・・」


どうやら勘違いされたようで、グレシアはがっくりと肩をうなだれて気を落としてしまった。

この世界でも清楚系は好まれるようだ。


「失礼だな! ビッチじゃないよ。てか取りあえず二人とも出ようよ・・・僕、まだ体洗ってない」


「あ、洗ってあ「モルモ! こんなビッチゲスに私たちの純潔を奪われるわけにはいかないわ! 出ていきましょう、今すぐに!!」


「え~」


可愛そうなモルモ・・・ずるずると引きずられながらぷんすか怒ったグレシアと共にこの場から去っていった。

それにしてもグレシア処女厨すぎるだろ・・・あ、童貞厨か。



体を洗った僕は、着替えどうしようかなと思った。

綺麗になった体の上に、またあの汚い服を着るのは嫌だ。

よし。


「お~い! モルモ~」


・・・呼んでも返事がない。

どこかに出て行ったのかも、と思ったので、風呂場から出た。

案の定だれもいなかった。


「僕が物盗んで逃げる可能性とか考えないのかな・・・」


まあ、この部屋に僕が欲しい物なんてないのでそんなことはしないが。


「ん? タオルが落ちてる・・・」


怒ってたけどちゃんとタオル出してくれてんだな、ありがとう。

体をふいた後、しょうがないので汚い服をまた身にまとった。


暇だ。

あれから何分たったか、まだ帰ってこない。


「もう出ていこうかな・・・」


グレシアには感謝しているが、暇なのでこの家を出ていくことに決めた。

メモなんかも紙がないので残せない。

まあ、次あったらお礼しよう。


僕は外に出た。

外に出ると、人がいた。



「すみません、あなたは・・・」


「え? ああ、田辺誠っていいます。ここの家主の友達なんですよ」


「あ、そうなんですかぁ! じゃあ、あなたに来てもらいましょう!」


「え・・・」


「いやぁ、恨むなら彼女を恨んでくださいね? ふふふ」


なんだ?! なにかかけられた! う・・・・・・



「どこ?」


目が覚めると、固い感触に気付いた。

ベンチで倒れていたようだ。


「う~、いてぇ」


血が止まっていたからか頭痛が・・・

はっ、そうだ! あいつ、俺に睡眠スプレーかけやがったな!

・・・でもなんでだ?


見たところ、ここは誰かの家の一室のようだ。

公共の施設じゃなさそう。

家具の配置の雰囲気から、あまり使われてなさそうな感じだ。

部屋を見渡していると、ノックと共にあの女が入ってきた。


「こんにちは、マコト? いきなりだけど、あなたの処置は決まったから。さ、ついてきて」


「しょ、処置ぃ?」


俺は女に腕を引っ張られながら、処置ってなにするつもりだ? などと考えた。

あと、いい匂いがした。

女が移動した先には、大きな扉があった。

というか、めちゃくちゃ広い! ここに来るまでに扉何個あったんだよ!

廊下には赤が基調のおしゃれな絨毯がぎっしり敷き詰められていたし、ここはホテル?

ギギギィ・・・と扉が開く音がした後、急に耳にいろんな情報が入ってきた。

うるさい。


「ふふ、ようこそ、ここは集会場。これからあなたがずっとお世話になると思うわ」


「集会・・・モンハン?!」


目立つのか、歩いているといろんな人が僕を見てくる。

見たところ女性率がものすごく高かった。

男性は、ガチムチしかいなくて、すごく怖かった。

ひぃいいい・・・


「ナイル、この子をよろしくね」


いつの間にか、目の前にはナイルと呼ばれる女性がいて、あの女から事業を引き渡されたらしい。

というか、あの女の名前聞いてねえ!


「ど~も。初めまして。私はナイル・エルシィよ。ふっ、君、男なのに冒険者になりに来るなんて、何かやったの? まあいいわ、とりあえずこの書類にサイン書いて」


「え、いや、え? わ、わかりました」


やっぱり冒険者だ!

モンハンだ!

やったー!


「君、名前は? ひょろいしどう見ても戦闘むきじゃなさそうだから、今からでも夜の仕事紹介してもいいよ?」


ムカッ

いきなり失礼だな。いや、まったくもってその通りなんだけど・・・


「田辺誠です。あの、さっきの人に無理やり連れてこられたんで、その、冒険者になるつもりなかったんですけど・・・」


「じゃあ夜の仕事する? 君、可愛いし稼げると思うよ」


「えぇ・・・」


なぜかどっちか選ばないといけない状況に・・・

でも、普通に考えてエッチのほうが楽そうだし俺得っぽいけど、冒険者になれるならなってみたい!

二つ名持ちたい!

ということで、冒険者になりたい意思を伝え、書類にサインを描いた。


「よし、じゃあ後は採血だけだね! あそこに横になって」


「さ、採血?!」


「うん、冒険者にしても他の仕事にしても、採血は必ず必要なんだ。保険になるからね」


「はぁ」


「怖い? こんなんで怖がってちゃ冒険者にはなれないよ(笑) 血も肉もじゃんじゃん飛び散るのに」


表現エグいな! 怖いって知ってるんだからオブラートに包めよ。

やば、冒険者やめようかな・・・


「・・・・・・はいっ、終わり~。じゃああそこの席で座って待ってて!」


うぅ・・・幸先不安だなぁ・・・


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