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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

憂鬱な日曜日

作者: かん

初めての作品です。

改行の仕方・妙なスペース・言葉の表現等々

疎かな部分が多々あるかと思われますが、ご了承願います。


僕と京介は幼馴染だ。

休みの日はよく一緒に遊んだりする。

これはまだ中学生の僕たちにおきた物語。


朝のニュースは強姦容疑や拉致誘拐の話をしていた。

「よっ、今日も拘弥は相変わらずつまらなそうな顔してんな」

「うるせーよっ こういう顔なんだって」

そんなふうに、今日もいつも通りの登校をした。


その日は授業が短縮日課で、学校が早く終わった。

家に帰っても暇だし、街外れにあるゲームセンターへと足を運ぶことにした。

いつもは通学路が一緒なので京介と帰るのだが塾があるらしく誘っても来なかった。

「クレーンゲームでもするか」

そうこうして時間が過ぎ、外にでると空はもうオレンジ色になっていた。

夕飯もあるので急いで帰ろうと思い、近道をして帰る途中でラブホテルがあった。

中学生の僕は少し気になって出入り口の近くを見ていた。すると出てきたのは僕もよく知る顔だった。

その人は京介の母さんだった。

だが、隣にいる男性は京介の父親ではなくまったく知らない人だった。

なぜか目が離せられず、そのおばさんと目があってしまった。

おばさんはその男性に何か話した後、こちらに向かってきた。

何か言わなくちゃ・・・。でも何を言えばいい?とりあえず

「こ、こんにちは」

「あらこうちゃん、こんにちは。どうしたの?お買い物?」

青ざめた顔をしていた。向こうも言葉に困っているらしい。言葉が震えている。

「いや、学校がはやく終わったのでゲームセンターに」

「そうなの。もう夕方だし、ひとりで帰るのは危ないわ。おばさんと一緒に帰りましょ。」

「大丈夫ですよ。もう中学生ですし。」

「いいえ、危ないわ。一緒に帰りましょ。」

怒鳴るように言われたので無言で頷き、一緒に帰ることにした。おばさんはずっと、汗をかいていた。



「ご飯でも食べて帰る?」

「いえ、母さんがきっともう準備しちゃってると思うので家で食べますよ。」

「そう。じゃあ今度一緒にご飯でも食べに行きましょう。話したいことがあるのよ。」

「は、はぁ。」

「じゃあ、今週の日曜ね。場所は2丁目の金田珈琲でいいかしら。そうね、15時くらいに。」

日曜まではあと2日か。特に予定は入ってないし嘘をつくのも悪いな。

「わ、わかりました。」

「ありがとう。」

そして気まずい空気のまま、2人で帰った。会話はあまりなかった。



やはり、僕から告発するべきなのか?いや、悪いのはおばさんだ。おばさんが切り出すべきだ。


―――そして日曜


僕はどうなってしまうんだろう。どうされるんだろう。どんな風に話されるんだろうか。もやもやした感情、そしてなぜか罪悪感が心の中にあった。

「こっちよ。こんにちは」

「こんにちは。」

平静を装って、いつもと同じように目を合わせずに礼をした。

「何か頼む?おごるわよ。」

「大丈夫ですよ。」

「いいえ、おごらせてちょうだい。珈琲しかないけど、飲めるかしら。」

「ブラックじゃなければいけますよ。」

「そ、じゃあブラック以外で頼んでおくわね。」

癖なのか緊張からなのか、おばさんの手は落ち着きがなかった。

そして重い顔立ちで僕の顔を見ながら話を切り出そうとしてきた。

「それでねこうちゃん。この間のことなんだけど…」

「ホテルの一件ですか?」

おばさんは一瞬ドキッとした顔をしてうつむきながら言った

「誰にも言わないでくれるかしら。特に息子には…」

「わかってます。僕も京介とずっと友達でいたいですし。」

「悪いことだというのはわかってるわ。でも旦那は単身赴任していて、全然話す機会とかもなくて…寂しくなっちゃったのよ。」

「そうなんですね。大丈夫ですよ。誰にも言ったりしません。」

何の根拠もないのに、僕はそう言った。

「ありがとう。あなたを信用するわ。本当にごめんなさい。」

なんだか疑われているような気がした。口では言っているもののどうも嘘くさい。信用してくれていないような感じだ。

「本当に誰にも言いません。僕用事があるのでもう帰ってもいいですか?」

「ああちょっと。…もう少しだけ話せないかしら。」

やっぱりまだ僕のことを信じられないんだ。だが今日はもうここにいたくなくて、この空気がいやでいやでしかたなかった。

「すみません、もう帰りたいです。」

「じゃ、じゃあまた今度しましょ?ね?」

「…はぁ。」

「じゃあ1週間後、またここに。」



そのあとの夕焼けの帰り道、自宅の近くまで来たところで妙な寒気を感じた。

誰かに見られてるような、そんな感じがした。住宅街だが背後には人影はなかった。視線を感じるのは背後から。なんだか怖くなって急いで帰った。

部屋についてからあの視線はなんだったのだろうと思惑した。思い浮かぶのはおばさんだ。

きっと信用できなくてずっと後をついてきたんだ。誰かに言わないか見張ってたんだ。

そう思うと部屋でも落ち着かなくてカーテンをしっかりしめ、疲れで眠った。


「母さんが帰ってこないんだが知らないか?」

「あなたさえみなければ幸せだったのに!!!!」


「・・・!夢か。」

なぜ僕が悪くもないのに、こんな悪夢を見なきゃいけないんだ。最悪な朝だった。

その日の下校中、また背後から視線を感じた。


家に帰ると母に呼び止められた。

「あんたに手紙きてたわよ?はい」

「手紙?だれからだろう。」

「…!」

「誰からだったの?」

「ああ、クラスの友達だよ。」

「あらそう」

開けられていた形跡はない、よかった。その手紙は、おばさんからのものだった。

「この前はごめんなさい。怒らせてしまったかしら。あなたを信用したいのだけど、でも落ち着かなくて。だから謝ろうと思って手紙を送ったの。迷惑だったらごめんなさい。私ね、あれから仕事にも集中できないし夜も眠れないの。あなたがみんなに言いまわってるんじゃないかって。もしそうだったらって考えるといてもたってもいられないの。だから、もう1度だけ、話をさせてちょうだい。話すだけでいいの。手紙の返事は大丈夫よ。もうすぐ日曜だし、その時にまた話しましょう。」


そしてまた日曜が来た。とても憂鬱な日曜だ。休みの日だというのに、心は全く休まらない。それはおばさんも同じなのだろうと思う。

「こっちよ。こんにちは。」

「どうも。」

「きてくれてありがとう。もう来てくれないかと思ったわ。」

正直とても嫌だった。だが、行かなければきっとこの件を終わらせることができない。はやく解放されたかった。

「これでおばさんの気が晴れるのなら。」

「ごめんなさいね。そうだ、今日は場所を変えてもっといいところで話しましょ。」

いやだった。どこにつれていかれるかわからない、僕のことをストーキングしたり、しつこく手紙を送ってくるような人だ。とても怖い。でも、今はこの人の言うとおりにしようと思った。この人の気分を害さないようにしていれば危険はないだろうと思ったからだ。

「はい、わかりました。」

「きまりね。じゃあ車で来てるから助手席に乗ってちょうだい。」


「ここでいいかしら?」

「え?ここって…」

「いいじゃない、ちょっと休憩するだけよ。結構広いのよ?」

そう言ってつれてこられたのは、あのラブホテルだった。


「あー、おばさん疲れちゃったみたい。少し横になるわ。」

僕は頷き隅っこでスマホをいじっていた。

「こうちゃん、この服そこの椅子にかけておいてくれるかしら。」

そう言うとおばさんは上着を脱ぎ、肌着だけになって横になった。

「ねえ、なんできてくれないの?私がここまでしてるのに!」

だんだんとおばさんの息が荒くなってきた。僕は誰にも言わないっていってるじゃないか。そんなことしたって何も変わらない。僕の母さんよりも歳のいった京介の母さんを抱くなんてなおさらできず、興奮もなかった。

「ごめんなさい、でも僕誰にも言いません。ほんとなんです。何をしてくれてもその気持ちは変わりませんから。」

「ちょっとくらい、いいじゃない…私だって必死なのよ…。」

そう言っておばさんは泣いていた。

「あんたさえいなければこんなことにはなんなかったのに…」

小さい声だが確かに聞こえた心からの声。



もとはこの人が悪いんじゃないのか?

僕はただの被害者であって、何か悪さをしたわけでもなんでもない。

なのになぜ僕が責められなきゃいけないんだ?

なぜ僕がこんなにも悩まなきゃいけないんだ?

もううんざりだ。

京介も、おばさんも、もうどうだっていい。

はやくこの悩みから解放されたい。


気づくと部屋にあったガラス瓶でおばさんの頭を殴っていた。


流れる血を見ながら、僕は笑っていた。



やっとこの憂鬱な日曜から、解放されたんだ。













ほんとはもっと濃厚にして迫力あるシーンを増やしたかったのですが、なにせ最初でして、どうやって濃くすればいいかもわからずだた淡々と書きました。ご愛読ありがとうございました。

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