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2120  作者: 真成
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2120年3月、トーキョー。

2月の終わりに満開となった桜が、半分葉桜になっている。

3月初めの今日、午後2時10分を少し過ぎている今の気温は、摂氏27度を指している。


マコトは、18階の自分の部屋から東京湾を見た。


海は太陽の日をうけて、キラキラと輝いている。しかし、これは暑さを思い出させる不快な輝きだった。



22世紀に入ってから、地球温暖化は更に進んだ。

東京の1年間の平均気温は、25度を突破し、真夏日の日数は、180日を超えている。つまり、1年の半分の日が、30度以上なのだ。更に猛暑日も90日を超えている。猛暑日は、大体40度を超え、東京の観測史上最高気温は、2117年8月に記録した50度6分である。


21世紀の終わり頃日本政府は、コンスタントに40度を超えていく猛暑日が何日も増えていく事に対応するため、科学者を集め、抜本的な解決策を求めた。

数年かけて、莫大な予算を投下したが、改善されないばかりか、逆に猛暑日は、毎年2、3日ずつ増加する始末だった。


もはや、1国だけで対応するのは、無理だった。

最初の大きな異変は21世紀の半ばまでに、太平洋に浮かぶ島嶼国で起きた。

まず、南太平洋の島国が全部海に沈んだ。

次にフィリピン、サイパンと続いて海に消えた。

北極海、南極大陸で溶け出した氷は、容赦なく、赤道付近から順に陸地を消失させていった。22世紀に入り、その被害は東南アジア諸国に広がり、インドも国土の半分がなくなり、ベトナム、カンボジア、タイ、シンガポール、インドネシアも9割方海に沈んだ。中東ではアラビア半島の60%近くがなくなった。

今では世界全体の80%を海が占めるようになった。


今、マコトが眺めているトーキョー湾は、21世紀まではお台場があったところだ。

お台場がある埋立地の1/3は水没した。

マコトのアパートの窓からはレインボーブリッジのすぐ後ろに海が迫っていた。


彼は、昔浜松町と言われていた辺りのアパートに一人で住んでいる。


マコトが生まれるだいぶ前から、家族という単位が消滅している。


人は、生まれた直後にID登録される。それから地球連盟


温暖化が進み、少子化による人口の減少が目に見えて、社会構造に影響が出始め、水没した国の人々が難民化し、これが収容しきれない問題に直面した時に、世界中の指導者が国連集い、国単位での統治を断念する事を決議した。




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