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梓の今事情
~あずさ~
「きゃははっ!」
心に刺さる笑い声。
私だって好きで一人で帰っているわけじゃない!
と言いたいけどそんな勇気はなかった。
ー帰り道
「はぁ……」
やっとの思いで学校を出る。それまではいつも視線がいたい。さっきのような笑い声とか、冷たい目とか……
美しい水の川をじぃと見つめる。
私はこの濁りのない水のように、誰でも受け入れられるようになりたい。魚や草、石や人……どんな物でも受けいられ、どんなものも入りたいと思うような……
『じゃり』
近くで足音が聞こえる。驚きゆっくり振り向く。
「あ……東見、さん……」
「ゆ、ゆうか……さん。」
少し茶色っぽい短髪が太陽の光を受け眩しく光を放っていた。
「えと……東見さんって、家こっちなの?」
「(コク」
小さく頷いて、目を逸らす
「……私はね、この丘を越えた赤い屋根の家なの。東見さんは?」
会話をつないでくれた……あせる……
「この橋をわたりきって、緑の屋根の家。」
ツンとした突き放した言い方……もうやだぁ……