8.剣士じゃなくなった!?
「トウヤ!アマタツ!早くオレのところへ!」
最後に聞いたのは、ソウのこの言葉
この後、目が眩むほどの閃光とともに、俺は吹き飛ばされた
気がついたら、雪山で倒れていた
「さて、どうしたものかね」
本当にどうしよう
ここがどこなのか全然分からないし、雪山とか何時までもいたら凍死するんじゃないか?
……ヤバいな
「とりあえず動くか…」
というわけで、周りの雪をどかすことにした
ちなみに今俺は30mほど雪に埋まっている
まぁあれだけの衝撃なら、当然なんだけどな
「よっと……やっと出れたか」
よし!行動開始だ
「全然進まねえ………」
現在俺は雪に足を取られてるところだ
予想以上に雪は重い
我慢しながら歩いていで、ふと顔を上げると数メートル前に女の子がいた
(なんだあの子……迷子か?)
もし迷子だとしたら、大変な事だ
とりあえず声をかけるか
「こんなところにいたら危ないぜ?」
「………」
女の子は話さない
こちらをじっと見ているだけ
「あ~、あれか?寒くて口が動かないとか?」
「……違う」
お!喋ってくれた
これなら会話が出来る………そう思った時、女の子が質問してきた
「お兄さんは強い?」
「え?………」
いきなりの質問に反応出来なかった
なぜ今、俺に強いかと質問するのか
俺は質問に答えられなかった
なぜなら………
「【フリーズロック】」
(魔法!?ヤバい!回避できるか!?)
俺が答える前に、女の子が攻撃してきたからだ
女の子の魔法を間一髪でよけることができた
「どういうことだ?なぜ、俺を攻撃した?」
「…………」
返事無しか、女の子に手をだすのは嫌なんだがな………
俺は腰に差してある刀に手をかける………………ことが出来なかった
(あれ?俺の刀がない!?)
まずい!刀がないなんて!
吹き飛ばされた時に無くしたのか!?
だが、刀があってもなくても、やることは一つ!
「お兄さんもやる気になったみたいね!さぁ、遊びましょ♪」
「刀がないからといって、油断しないほうがいいぞ」
準備運動はいらないな
じゃあ、始めるか
「いくぜ!逃走開始!」
「え!?ちょっと!どこ行くの!?」
こんな時は逃げるが勝ち
なんかあの子強そうだし
「あ!待って!行かないで!」
悪いな、俺はまだまだしたいことが沢山あるからな
全速力で逃走だ!
「行かないで…………もう独りは嫌なの……私を独りにしないで………お願い…」
…………と思ったが、話し合いで解決した方が良いと思うんだ
何でもかんでも、こういうやり方はよくないからな!
「というわけで俺はここにいるんだ」
「そうなんだ、大変だったんだねお兄ちゃん」
あれから泣き出したので、必死に泣き止ました
正直、罪悪感が半端なかった
「そういや、名前聞いてなかったな」
「私?私はシア、氷の妖精だよ、お兄ちゃんは?」
「俺はツユリ・トウヤ、トウヤって呼んでくれ」
「うん、分かった!」
さて、これからどうしようかな
シアに物凄く懐かれたんだが、俺達の異世界生活に巻き込む訳にもなぁ……
仕方ないけど、ここでお別れになるな
「じゃあなシア、俺はそろそろ行かないと」
「お兄ちゃん行っちゃうの?……」
うっ!……そんな目で見ないでくれ
これは君の為なんだぁ!
「お兄ちゃん………ついて行ったらダメ?…」
………俺もうロリコンでいいや
だって仕方ないだろ!?11~2歳くらいの女の子が涙目で服の裾をちょこっと掴んで言ってくるんだぞ!
「HAHAHA!そんなことないさ、君さえ良ければむしろこちらが頼みたい」
結局断れませんでした
シア視点………
毎日とっても暇だった
だけど今日は少し違う
誰か来たみたい
今度の人はちゃんと私と遊んでくれるかな?
今までの人は、私を見るとみんな逃げていった
あ!今度の人も逃げようとしている
待って!もう独りは嫌なの!
必死に呼び止めようとしたら、さっきの人が戻ってきてくれた
戻ってきてくれたのはあの人が初めてだ
頼んだら私も連れて行ってくれるかな?
トウヤ視点………
シアを連れて行くことになったんだから、キチンと装備を整えたいな
特に刀が欲しい
「シア、刀って知ってるか?」
「刀?変な形の剣のこと?片方でしか切れない剣だよね?」
おぉ!ここらへんにも刀があるのか
これなら街までいったら買えそうだな
「その刀?だっけ、それなら山の頂上に突き刺さってるよ?」
なぬ!?それは良いことを聞いた
そういう系の武器は大抵強いからな、是非とも頂こう
「ならそこまで案内してくれるか?」
「うん!」
どんな武器か楽しみだな
もう少しトウヤ編が続きます
シアの外見
11~2歳くらい
薄い水色の髪、セミロング
なんかフワフワな感じの服
ロリ属性