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オレの異世界生活は大変楽そうです  作者: 永久の桜
5章:崩壊へのカウントダウン
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51.決意

運動していないと全然ダメですね

持久走で1kmで結構キツいです

「しっかし酷え場所だな」


施設内でシアや妖精族について調べているソウは愚痴っていた

実際に施設内は解剖された後、そのまま放置された妖精族の死体が沢山床に転がっていた

中には長い間放置されていたのであろう白骨化したものまであった


「お、レポートらしき物を発見、どれどれ…………」


ソウは机の上にあった書類の束から、恐らくここの研究者が書いたであろうレポートを見つけ読み始めた


“被検体13号アニエール・フロスギアの経過報告書”


レポートの表紙にはこう書いてあった

フロスギアということは多分これはシアの母親のものだろう

最初のうちはちゃんと読んでいたソウだが、だんだんと読む気が無くなっていき、しまいには怒りでレポートを床に叩きつけた


「なんだよこのレポート!………はぁ、読まなきゃ良かった」


『まったくそうですよね、私もそう思いますよ……』


あんたも分かるのか

そりゃあんな物読んでたら嫌になっちまうよな

あぁ、思いだすのも嫌だな

…………ん?オレはいったい誰に共感したんだ?


『あれ?あなたは私の声が聞こえるのですか?』


………うん、間違いなく聞こえた。幻聴でもない


「も、もしもーし、誰かいるんですか?」


『はーい、ここにいますよ~』


ソウは一度振り返り、誰も居ないはずの実験室に向かって問いかける

するとまた声が聞こえたので、その声が聞こえた方へ向いたら、そこには幽霊がいた


「あ、あ……ぁ」


『……あ?』


「アァアァアアアァァア出たぁぁぁ!!」


目の前に現れた幽霊に腰を抜かしたソウは、ワタワタと逃げようとする

しかし、上手く足が動かないのかすぐに転んでしまう

それでも逃れようと必死になって逃げるソウの前にスーっとまた幽霊が出た


『あのー?大丈夫ですか?』


「ごめんなさいごめんなさい!ちょっとした出来心だったんです!扉が見つからなかったのでつい爆破してしまったんです!最近は好き嫌いも全然してません!電気も付けっぱなしとかしてません!仕事サボって遊びに行ったりも今後は絶対しません!シアっていう女の子について何か分かればいいかなって思っただけなんです!」


パニック状態になったソウは訳の分からない事をしゃべりだした

自分でも何を言っているか全然分かっていない程に

ついさっき男の首を跳ね飛ばした人間と同じには見えない


『……あの、私は別にあなたの事を食べたりしないですよ』


「嘘だ!そうやって油断させておいて後ろから食らいつくんだろ!?オレは絶対死なないぞ、ここでシアの秘密を探るんだからな!」


『シア?………もしかしてあなたはシアイール・フロスギアという少女と知り合いなのですか?』


「え?」


今目の前にいるこの幽霊は一体なんと言った?

シアイール・フロスギアという少女と知り合いか?…………と言ったよな


「確かにシアイール・フロスギアは知り合いだが…………いったい何者だあんた」


シアの名前を聞き、冷静さを取り戻したソウは目の前にいる女性に訪ねた


『私ですか?、私はアニエール・フロスギア、シアイール・フロスギアの母親ですよ』


女性の名はアニエール

さっきソウが読んだレポートに書いてあった、被検体13号だった



■□■□■□■□■□■□


「……………」


ここはとある病院の一室

アマタツとクーによって運ばれたトウヤとシア

2人は同じ病室にいるのだが、先にトウヤが目覚めたようだ


「う、ぅぅ………んにゃ………お兄ちゃん?」


トウヤが目覚めて少ししてからシアが目覚めたようだ

シアは目を擦りながら横にいる人物を確認する


「お兄ちゃんだ!良かった、無事だったんだ!」


喜びのあまり怪我をしているにもかかわらずトウヤに抱きついた

シアが突然抱きついてきた事に多少は驚きながらも彼はちゃんと受け止め、抱き締めた

しばらく抱き合ったままいてたら、トウヤが唐突に話しだした


「……ごめんなシア、守ってやれなくて…」


「…………お兄ちゃん?」


「俺が、俺がちゃんと守っていれば!………こんな、こんな事にならなかったのに………」


悲しそうに彼は言う

しかし、涙は流さない

トウヤは何があってもシアの前で涙を流さないと決めているからだ


「ううん、いいの………だってお兄ちゃんはちゃんと守ってくれたもん」


「でも………」


「私がいいって言ったらいいの!お兄ちゃんは何時だってカッコよくて強くて私を守ってくれるもん!………だからもういいの」


「…………そっか、ありがとな」


彼はニッコリと笑いながらお礼を言った

少女はその顔を見て満足したのだろう、ベッドで横になるとまたスヤスヤと寝息を立て始めた


「……俺もっと強くなるよ」


「むにゃ……うん………」



■□■□■□■□■□■□


ここはトウヤ達の病室の扉の前

そこにアマタツとクーは2人で立っていた


──俺もっと強くなるよ


──むにゃ……うん……


実はトウヤとシアが話してる最初から2人は扉の前にいたのだが、どうも入れるような雰囲気じゃなくて、ずっと待っていた

最初の方から空気を読んで、ちょっとどこかに行っていようと提案したアマタツだが、どうしてもクーが聞かないため、仕方なく彼も扉の前に待機していたのであった


こうして2人はソウが帰って来るまでずっと扉の前で待っていたようだ



■□■□■□■□■□■□


「ふ~ん、じゃここは随分前から使われていないんだな」


『そうなんですよ、私はここであなたのような方をずっと待っていたのです』


トウヤとシアが抱き合っている時、ソウはアニエール・フロスギアと名乗る女性と実験について聞いていた

レポートによるとアンは既に死んでいたのだが、どうやら成仏出来なかったようだ

ちなみにアンというのはアニエールのあだ名である


あれからシアについていろいろアンに聞いた

何故シアは1人で雪山にいたのか、シアの記憶に違いがあるのかなどを

返ってきた答えは


『私は次々に捕まっていく同胞を見て思いました。このままでは我が子も捕まると。それで私はシアの記憶を弄り、遠く離れた雪山に置いていったのです』


ソウも薄々は感じていた

だが、はっきりとした証拠が無いため、今まで誰にも言えなかったのだ


『あなたのような方が一緒にいるなら心配はいりませんね…………あら?身体が……』


どうやら思い残しが無くなったので、成仏するみたいだ

しかし、生で成仏する所を見るのは初めてだ


「安心しなアン、シアには頼もしいボディガードが付いているからな」


『そうですか………それなら安心ですね……………あ、それと──』


そう言ってアンは消えていった


おぃぃぃぃ!なんだよ最後!

あれじゃ物凄く気になるだろ!

一体アイツは何を言いたかったんだ……


考えても仕方ない事なので、大人しく帰る事にした


「おっと、一応全部燃やしておくか」


死者への弔いと証拠の隠滅の為に屋敷と、地下実験室を燃やした

実験室に向かい手を合わせ、目を瞑りながら軽く礼を一回したあと、彼は来た道を帰り始めた

この話でこの章は終わりです

次回からはアマタツ君がカッコいいかも…………な話です

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