4.目安があるのは良いことだ
「あれって東京タワーだよな?」
「あ、あぁ……多分」
光が収まって周りを見ると、そこら見知らぬ世界………のはずだった
周りに木がはえているし、ビルなどの建造物もない
だが、日本人なら絶対に分かるあれが建っていた
それは東京タワーだ
「ここって地球なのか?……」
オレの疑問にコイツが答えてくれた
『違いますよ、確かに地球ですが、あなた達のいた地球ではありません』
声の主はサリエルだった
「つまり、オレ達がこの世界に来たのはまずかったらしいな」
どうやらこの世界は、本来オレ達が来るべきではなかったらしい
この世界はいわゆるパラレルワールドらしく、オレ達が来てしまったため、この世界のオレ達が強制的にいなくなってしまったらしい
『そういうこと、この際だから仕方ないわ、あなた達はここで暮らしなさい』
なんでそうなるの?という疑問がわいてきた
てゆうか、オレ達悪くないじゃん、しっかり管理してなかったあんた達が悪いんじゃない?
しかし、そんなオレの考えなど分かっているとばかりに、こう返してきた
『この世界に本来いたはずのあなた達が、突如として消えてしまったのよ?そのままにしておくと、他にも影響がでるわ』
仕方ないか、そう考える事にした
ここで色々言っても、特に意味はない
ならばもうこれを受け入れよう、というのがオレの考えである
十夜も尼断Ⅱも、特に異論はないようだ
「じゃ、この世界で暮らすか!」
『そう言ってくれると信じてたわ!じゃあ後はステータス確認して頑張って♪』
サリエルはそう言ったきり、会話は終わってしまった
重要なことを何一つ言わずに帰りやがって
だからお前はアホ天使なんだ
バーカバーカ!悔しかったら反論して見ろよ!
『う、うるさい!たまたま忘れてただけよ!』
まあいい、ステータスの確認でもするか……
ヒトトセ ソウ[Lv999]
HP 10000000000/10000000000
MP 10000000000/10000000000
SP 10000000000/10000000000
ツユリ トウヤ[Lv999]
HP 10000000000/10000000000
MP 10000000000/10000000000
SP 10000000000/10000000000
アマタツ ケント[Lv999]
HP 10000000000/10000000000
MP 10000000000/10000000000
SP 10000000000/10000000000
………3人同じステータスなのは公平でいいんだが、なんだこれは
確か、ここにくる前のステータスは全部100だったはずだ
それが、何故1億倍にまで跳ね上がっているのかが分からない
Lvなんて“999”になっている
………あ、心当たりあった
こっちにくる前にステータスを限界まで上げたんだった
「ソウ………これはないだろ」
「あ、あぁ……やっちまったなトウヤ」
ん?今なんか名前の部分がおかしくなかったか?
なんか漢字からカタカナに変わったみたいな感覚だったな
『それはご都合主義というやつよ』
それだけ言って、サリエルとの会話は終わった
何しがしたかったんだよあいつ……
しかし、さっきからアマタツのステータスを見てるんだが、どうにも名前が偽物のような気がしてならない
今も“アマタツ”と言うと、ちゃんと聞こえているのに、オレの頭が違うと言っている
いったいこれはなんなんだ
トウヤや、オレは特に問題ないのに……
まぁそれについては、後々考えよう
「一旦街でも探すか!」
「「おぉー!」」
「でも、その前にサリエルにスキルや能力を聞いておこう」
「「お、おぅ……」」
やっぱり、情報は大事だろ?
どの世界も情報弱者は生き残れない!
なんだかんだで街に到着………
あのあと、サリエルにスキルなどについて聞き、得意な属性があるということを知った
ちなみに属性は、火、水、風、土、雷、氷、闇、光、無、の9属性がある
無属性というのは、簡単にいうと小さい力で、大きは力に干渉出来るらしい
例えば、10kgの物を持ち上げるには、その重さと同じ大きさの力が必要なのに、無属性だと5kgと同じ大きさの力で済む、という感じらしい
オレ達の得意属性は、オレが闇、トウヤが氷、アマタツが雷、になった
ぶっちゃけ、ステータスのお陰でオレ達は全属性操れるみたいだ
「俺達が強いのは分かったけどさ、一般人とどれくらい離れてるか、確かめた方がいいんじゃないか?」
街人A[Lv13]
HP 43/43
MP 18/18
SP 29/29
戦士A[Lv38]
HP 126/126
MP 47/47
SP 132/132
う~ん、これじゃあオレ達がどれだけ異常なのか分からんな
………ん?なんだこれは
【本日開催!】
今日午後7:00からあの世界最強と呼ばれる、アレックス・エンドラーがなんと我が街に訪問しにくる!
「「「これだ!」」」
「きゃ~!アレックス様よ!」
「本当だわ!こっちを向いてくださったわ!」
午後7:00になるまでオレ達は街の中で時間をつぶし、アレックス・エンドラーをまった
さあて、これでいよいよオレ達の力がどれだけ凄いのかが分かるぞ!
アレックス・エンドラー[Lv142]
HP 685/685
MP 734/734
SP 548/548
世界最強でこれってオレ達ヤバくね?
その時初めてオレ達は危機感を覚えた
次回は数年後に進みます