19.隠密行動がしたかった
「さて、どうやって入ろうか……」
現在オレ達は立派な城……………の裏庭にいた
もちろん不法侵入だ
だが、人のプライバシーを侵害する奴に遠慮なんていらない
アポなんて取らないし、相手の都合など知ったものか
「ソウ、どうやって入るんだ?」
大丈夫だ、この為にさっき準備をしていたのだからな
「こいつを城壁に付ける」
「これは…………C4か?」
そうなのだ、オレが準備していたのはC4、いわゆる爆弾を作っていたのだ
まぁクリエイトで作ったので、見た目は真っ黒な四角の塊だが
「じゃ、付けるか」
5分後…………
裏庭の城壁は作ったC4で埋め尽くされた
300~400個程作ったので、これならこの程度の壁は一発でヒビくらい入るはずだ
「皆離れたな?……よし、アマタツ起爆しろ」
「分かった………点火!」
──ドゴォォォォォン
アマタツが電気を流し、起爆させた瞬間、物凄い爆発音とともに城壁が消えた
正直ここまで威力が強いとは思わなかった
せいぜい城壁全体にヒビが出来る程度と思っていた
(威力強すぎだな……これから使い所をよく考えなくては)
ソウは気付かなかったが、本当は異常な魔力量が威力を高めたのだ
込める魔力の量をよく考えずに入れるとこんな感じになる
「とりあえず【ロストイグジスト】」
そろそろ人が集まってくるだろう
その前に姿を隠させてもらおう
──なんだ今の音は!?
──爆発だ!皆気をつけろ!
──敵襲!敵襲!
今のうちに王様を捜すか
王の間…………
「何じゃ今の音は!?誰か報告せんか!」
現在王様は1人
当然王様の声に答える者はいない
何故なら全員事態の把握に忙しいのだから
「誰かおらんのか!」
「オレ達で良ければ相手してやるぜ?」
「な!?なんじゃ貴様等は!」
「アンタにとって危険な人物………かね?」
そう言うと、王様は物凄く動揺した
「ま、まさか覚醒者か!?だ、誰か!誰か助けてくれ!殺される!!」
また覚醒者か………
そんなに危険なのか?
だが、このまま王様に騒がれて人が来たら面倒くさいので、少し黙ってもらうことにした
「【シャドウバインド】少し大人しくしてろ」
「さてと、落ち着いたところでいろいろと言いたい事がある」
「ひっ!ななななんじゃ!ワシは何もしとらんぞ!」
慌てすぎだろ………
そんなにオレ達が怖いのか……ちょっとショックだ
「まず、何故オレ達を監視する?」
「お主らが敵対すると、ワシらの命が危ないと思ったからだ、だから何か弱みを握ろうと………」
まぁ在り来たりだな
でも今はそんな事どうでもいい
また覚醒者だ、転生者以外でこの話が出たのは初めてだった
「次だ、何故覚醒者に怯える?」
「決まっている!過去に覚醒者と呼ばれた者は人間も魔物も魔族も全てを消し去ろうとしたのだ!」
「………それなら何故オレ達の事を覚醒者だと思ったのだ?」
「お主らが異常だからじゃ!」
またその話か……
同じ話にウンザリしていた時、女の声が響いた
「お前達、敵はあの3人組の男だ、切り捨てなさい!」
「「「「「ウォォォォ!」」」」」
女王と思われる人物が、5人の兵士を連れてやってきた
はぁ、余計な仕事を増やさないでほしいね
「とりあえず兵士は消してもいいや、だけど女王は捕獲で」
「しゃあねえな、いっちょやりますか」
「僕は兵士の相手をするよ」
ならオレとトウヤで捕獲か
しっかりと兵士を抑えとけよ
「離しなさい!誰に何をしているか分かっているのか!」
女王っぽい奴を魔法で拘束してるんだよ
というか、もう覚醒者がどうとかはいいんだよ
オレ達は平和に暮らしたいだけなのにな
(コイツらどうしようかな…………埋めたらバレないかな)
こんなふうにこの2人をどうしようかと考えていると、2人の子供が走ってきた
「待って下さい、2人を殺さないでください」
「お願いします、父と母なんです」
走ってきたのは男の子と女の子
2人は必死に説得してきた
「どうか殺さないであげて下さい、まともに政治も出来ない屑な父でも、金を湯水のごとく使う糞な母でも、僕たちの親なんです」
「そうです、私たちの親は人に見せられない程駄目人間ですが、それでも親に変わりないんです」
本人達は至って真面目に説得してるつもりだろうけど、さっきから王様と女王が目に見えて弱ってきている
聞いていて面白いが、さすがに可哀想だ
ここらへんで勘弁してやるか
「まぁそこまで言うなら許してやるよ、ただし!次は無いからな?」
「分かりました!この2人にはちゃんと言い聞かせます」
なら安心だな
こんなにしっかりした子がいるならこの国は安泰だな
よし、オレ達は帰るか
「じゃ、オレ達は帰るから、また会おうぜ」
「「はい!」」
こうしてオレ達は家に帰ったのであった
え?城壁がどうかした?………あ、あぁそんなの放置に決まってるじゃん
“子は親を見て育つ”といいますが、彼らもいずれ王様や女王になるだのだろうか……




