11.邪神の名前
「ソウ、次はあれが食べたい」
「ダメだ、我慢しろ」
「う~やだやだ!買って買って買って!」
頭が痛い…………
あ!皆久しぶり!オレのこと覚えてる?
オレは現在子守の最中なんだ……
あの邪神との戦いの後、どうしてこうなったかと言うと……
邪神との戦闘終了後…………
「ねえ!これどういうことよ!?」
「それは………その………」
オレは今、身体が小さくなった邪神に問い詰められている
原因はオレの魔法であるブラックホールのせいなのだ
あの魔法は何でも呑み込もうとするので、下手に抵抗したりすると、邪神のように身体が小さくなる、つまり“肉体年齢”だけが呑み込まれてしまうなどになってしまう
まぁ何が言いたいかと言うと、抵抗するなら完璧に抵抗しろ、下手に抵抗したら何が無くなるか分からんぞ♪
という感じだ
「早く元に戻してよ!」
「無理だな、ブラックホールに呑み込まれたものは返ってこない」
「じゃあもう元に戻らないの?……」
そういう訳ではないんだよな
ていうか、お前は運が良い
元に戻るかどうかは、ブラックホールに呑み込まれたものによって決まる
「大丈夫だ、お前の場合、肉体年齢が呑み込まれたから、時間がたてばまた成長する」
これが身体の一部、例えば手や足だったらもう元には戻らない
まぁこの魔法をくらって、手や足くらいで済んだら軽い方だけどな
「そうなのね………何年くらいかかりそう?」
「さあな、人間と同じ成長速度なら、大体は分かるけどな」
はぁ……さっさとここから離れたい
というか、何故邪神はさっきからオレについて来るのだろうね?
「邪神は何故オレについて来るんだ?」
「私の名前は邪神じゃないわ」
「さっきは自分で邪神ハデスと言ってたが?」
「ええハデスは名前よ、でも一部、私はクーレニア、クーレニア・ハデスよ」
ハデスは名前だったのね………
てっきりハデスは邪神のクラス的なやつを表すものだと思ってた
「長いからクーでいこう、覚えるのめんどくさいや」
「適当ね…………」
じゃあ名前も分かったことだし、もうお別れだな
会えて良かったよ、また会える日を楽しみにしているよ
「それじゃあサヨナラ!」
「待って」
ぐぅ…………
コイツ……オレのシャドウバインドをパクリやがった
これ地味に痛いな、あのゴブリンもこんな思いをしてたのか
「この魔法便利ね」
「だろ?便利だって分かったし、離してくれないかな?」
「嫌よ、あなたには責任を取ってもらうんだから」
責任を取れだって?
なら、いきなり襲い掛かってきたのはどっちだよ!
オレは被害者だ!悪くないぞ!
「責任?そんなの知らないな、いきなり襲い掛かってきたのはそっちだろ?」
「身体が小さくなったのは、あなたのせいよ」
そんなのおかしい!横暴だ!言いがかりだ!
オレはそんなこと絶対に認めないぞ
何が何でも拒否だ!断固反対だ!
「責任を取ってくれないなら、泣きながら街まで行って、あなたに襲われたと泣き叫ぶわ」
「喜んでお受け致します」
やっぱり責任は取らないとな!
オレの魔法が原因だし、何よりこんな小さな子を1人にするのは良くないな
という感じに現在なっている
「ふぅ……疲れだぜ」
「何を言ってるの?」
「説明って…………疲れるんだぜ?」
「?」
あの後、2人で近く街に行った
だが、東京タワーのあった街からかなり離れたみたいだ
ここはラゼッタという街らしい
ちなみに東京や大阪など、地球の地名は この世界に一切ない
東京タワーのあった街はニホンと言うらしい(ラゼッタで聞いた)
これ絶対にオレ達以外の転生者だろ
それからこれは、さっきからずっと思ってたんだが……
「ね~ソウ~買ってよ~」
なんか精神年齢も呑み込まれたんじゃね?
「いい加減にしろ、もう大人だろ?」
「そうだった………あなた、口のきき方に気をつけなさい、私は1000年は生きているのよ」
へ~、1000年ね~
若いね、オレなんかもうおじいちゃんだぜ
「そうなんだ!凄いね~…………まぁオレは1000年なんて余裕で超してるけどね」
「え!?嘘よ!そんなの有り得ないわ」
「……人を見かけで判断するのは良くないぜ?」
オレからみたらお前なんて子供だっての
あぁ、若いって良いね~
オレなんて、もう精神は立派なおじいちゃんだからな
『やーいやーい、ジジイのバーカ!』
………これだからババアは駄目なんだよな
いい加減若作りは止めて年相応な外見にすればいいのに
ですよね?年齢───────歳の天使さん
『わぁぁぁぁぁ!止めて!私が悪かったから!』
ふっ、オレに口喧嘩で勝とうなど1000年は早いわ
もっと修行を積んで、出直してきな
「さて、行くぞクー」
「あ!待ってよ!」
ではトウヤを捜すとしますか
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