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序章
「おっちゃん。いつまで待たせんねん」
「もうちょっとだから」
私、鬼織舞子は改札口で捕まっていた。改札の機械が壊れて切符が通らなくなってしまったからだ。
「はい、OKだよ。ごめんね」
「おっちゃんのせいやないやろ。ありがとうな」
「またのご利用を―…」
私は走った。おっちゃんの声は途中で聞こえなくなった。
「あ、鬼織」
「急いでるんだよ!」
「は?」
「あ、増岡さんだ!」
そこにいたのは増岡惣二郎だった。急いでいるがこの人がいるなら急ぐこともない。
「なんで歩いてるんですか。間に合うんですか?」
「間に合うよ。それにあいつはもっと遅いと思うし…。」
「ああ…。」
ついた。羽衣学園。ここの高等部が私の所属だ。
「おーい!二人とも!早く早く!」
「ん?」
見た先には榊原直紀がいた。
「惣と舞子が一緒に来ただと?おい、お前ら付き合ってんのか?」
「そんなわけないでしょ!それより早くしなきゃいけないんでしょ!」
「あ、そうだった!とりあえず生徒会室に来てくれ。」