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赤いくち  作者: yiyi
8/13

IN THE TOKYO

3人もその場から車で去った。

後日、中田一馬は殉職として実家に遺体が送られた。

一睡もできないまま翼と夏美は警察署に居座った。

大塚が2杯のコーヒーが入ったコップを持って来た。


「大丈夫か?」

その質問に夏美は何も反応しない。


「まぁ警官であるものこういうのは常に覚悟してるんだが、いざ仕事仲間が殉職するとなると私も何も言えんよ」

「大塚さん・・・俺達はこれからどうすれば?」

「ん~君達の好きにしてもいい」

「・・・と言うと?」

「君達には感謝してる。しかし、これ以上市民を巻き添えにはできん。まだ協力したいならそれでもいいし、もう耐えきれないなら降りても良い。その時は感謝状でも仕事場の上司に私からこの何日間何が起きていたのか伝えてもいい」

翼は夏美を見て言った。

「俺は犯人逮捕に協力したいけど・・・夏美はもう限界だろ?だから、夏美だけ元の生活に・・・」

翼の言葉を夏美はさえぎる。

「私は!!・・・中田さんのためにもまだ口裂け女を捕まえたい」

大塚はニコッと微笑み言った。

「そうか、それはありがたい。でも、くれぐれも自分の身は守ってくれ!あいつはもはや都市伝説の女では済まされんからな・・・」


そんな3人に同僚らしき者がやって来て、大声で言った。

「大塚さん!大変です!!」

3人はその同僚に連れられ、テレビがある部屋に向かった。

そこには大量の警察官が居り、みんなテレビを呆然としながら見ている。

テレビには朝方のニュース番組の映像が映し出されている。

それを見た3人は固まった。

映像にはあの口裂け女が映っている。


「えー緊急速報です!東京都秋葉原の道路に白い服を着て、手元に凶器のような物を持って暴れているようで、止めに入った警察官の方が刺され重傷、重傷です。また容疑者は大きな白いマスクで顔を隠しているもようで、女性の首を切ったのでしょうか・・・片手にはその女性の顔を持っています」と現場にいるアナウンサーが緊張しながら伝えている。


「あいつまさかこんな堂々と・・・」

警察官達は慌てて準備をし始めた。

何台ものパトカーが緊急出動した。

大塚達も車に乗り込み向かった。

夏美は携帯で先程のニュースを見る。

「大塚さん!現場にいる警官が銃であの女撃てないんですか?」

「日本では誰しもが銃を持っているわけではないんだ。それに相手が犯罪者だとしてもなかなか撃つのにためらうんだろう」

「翼!見て・・・」と夏美は翼の方に携帯を向ける。


電波が悪いながらもアナウンサーが新たな情報を言っているのが分かる。

「また女性は『こいつではない、こいつではない』と何度も繰り返し叫びながら、次々と市民を切りつけています」

「こいつ・・・まさか私を探してるんじゃ・・・」

「え?何言ってんだよ?夏美・・・」

運転しながら大塚は翼に言った。

「いや、実は俺もそう思っていたんだ。お前の彼女さんは何かあいつに恨まれることでもあるんじゃないか?」

「そんなのある訳ねぇーよ。な?」

夏美は困った顔をしながら言った。

「私は思い浮かばないけど、この女が私に用があるなら何とかなるかも」


約15分後、近くは交通機関が敷かれている。

3人は到着するとすぐさま車から下り、口裂け女のいる方へ走った。

周りの人々は翼達とは真逆方面に逃げ回っている。

立ち止まり3人は少し距離をとり、口裂け女を見た。

口裂け女の服は血で真っ赤になっていた。

口裂け女も3人に気付き、掴んでいる女性の首を地面に落とした。

それを見て夏美は口に手をあてた。

「この顔・・・私に似てない?」

「夏美!見るな・・・」

翼と大塚は口裂け女の視線を逸らす事が出来なかった。


「み・・・つ・・・けた」と口裂け女は一歩前に足を踏み出した。

その時、大塚は銃を取り出し口裂け女に向けた。

「動くな!それ以上動けば撃つ・・・言葉分かるな?」


「どう・・・して、どうし・・・てわたしだけ・・・こんなめに、あう」

「お前はただの殺人鬼だ。言う事を聞けば普通の人間として扱う」


夏美は悲しい顔をして言った。

「あなたは、誰なの?」

その言葉に答えるかのように大きなマスクを外した。

口元は両方とも耳まで大きく裂けている。

4人を取り囲むように見ている多くの観衆の中から「口裂け女」というワードや「ポマード」、「犬」など口裂け女が嫌うとしている言葉がたくさん聞こえる。



突然、口裂け女は大声でまたとても流調に叫んで言った。

「私はお前達と同じ人間だ!私をこんなのにしたのは、お前達だろ!?どうして私を生み出した?私を馬鹿にして面白いか?それで満足か?私は・・・お前達と同じように感情を持った・・・人間だ。ただの・・・人だ」



その言葉を大塚は批判した。

「いいや、見た目は人間だが、やることは化け物だ」

それに怒ったのか口裂け女は震えながら下を向いた。そして、ギャアァァァ!!と怪奇音を叫びながら3人のもとへ走って来る。大塚は標準を定めて引きがねをひいた。

銃声と共に口裂け女は地面に倒れた。


大塚は銃を下ろし、乱れる息を整える。

夏美が口裂け女の傍に寄り、顔を見下ろした。

口裂け女の目からは透明な涙が流れていた。

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