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赤いくち  作者: yiyi
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恐怖の始まり

「東京都警視庁捜査一課の大塚聡さんっていらっしゃいますか?」

「なにか御用件で?」

「えぇ、岐阜県の刑事さんに紹介されて・・・」

「少々お待ちを・・・」

翼は振り向き、待合室で座って待つ夏美を見た。

夏美は下を向いて不安そうにしている。


「お待たせしました。では、ご案内しますね」

「あ・・・はい」

翼は夏美を呼んで、一緒にあう部屋に案内された。


扉を開けるとそこには二人の刑事が居た。

入室早々2人はある写真を見せられた。

それはあの時一緒に居た大阪から来た3人の死体写真だった。

無残にも口を切られていたり、体を切りつけられていた。

それを見た夏美は顔をそむけた。


「君たちがやったんじゃないよね?」

「違いますよ!俺達も襲われたんだ!!」


しばらく顔を見合わせると、突然相手が微笑んだ。

「すまん、すまん。そうだよな・・・」

翼は肩の力を軽く抜いた。


「私は大塚聡・・・で、こいつは新米の中田一馬だ。一応殺人の捜査を担当している。」

新米の刑事は深くお辞儀した。


「あのーなんで僕達岐阜で起きたことを東京でこのような形でまた説明しないといけないのでしょうか?」

大塚は椅子に座り、翼たちにも座るよう言った。

「実はこの事件に似たのを昔経験していてね。その時一緒に調査したのが今岐阜で働いている奴なんだ」

「これは殺人事件なんですか?」

「君たちは都市伝説で有名な口裂け女がやったと言うんだよね?」

「この目で見て、実際に襲われたんだ!」

大塚は深く息を吸い込み、腕を組み背もたれに腰かける。

「おそらく口裂け女の真似をした者が犯行に及んだんだろ」

その口ぶりからこの刑事2人は翼の言葉を信じてないのが分かる。


「あいつは生きている人間って感じがしなかったんだ」

「では、お化けが殺人を?」

「だからそれを言ってるじゃないか!」翼は勢いのあまり立ち上がってしまった。

「まぁ落ち着け・・・実際我々も信じてないわけではない」

大塚は胸ポケットからある住所が書かれた紙を取り出した。


「ここは私の知人がいる所だ。少しは君たちの力になれるかもしれない。中田が一緒に同行するから行ってみてくれ、私はもう少しこの事件を調べてみるから・・・」

翼たちは車でその住所へと向かった。

どうやら古びたアパートの一部屋らしい。

階段を上がりインターホンを押した。

しばらくすると40代後半の一人の女性がドアを開けた。

新米の中田が説明すると女性は頷き中に入れてくれた。


部屋の中は薄暗く、ゴミが散乱している。

なんとか進むと綺麗なリビングに到着する。

なんでここだけ片付いているのか不思議に思いながらも翼達は座布団の上に座った。

そして話を聞いているうちにこの女性が何者なのか分かってくる。

「霊能力者?」

「そのような肩書をつけるほどの者ではないですが、多少は私の力であなた達の過去を見させてもらいます」

「刑事さん・・・これは一体?」

中田は申し訳なさそうに言った。

「大塚さんがこれで君たちの過去を見てもらい、事件が本当に口裂け女の仕業なら信じると・・・」

「あんたたちやっぱり俺達を信じてなかったのか・・・」


女性は翼と夏美の頭を手で触れ、同時に過去を能力で調べ始めた。

目をつむり眉間にシワを寄せ、しばらくすると翼の方に向けていた手を夏美に向け両手で頭を触った。

女性は汗を流し、唇を震わせながら言った。

「そんな・・・嘘でしょ・・・」

「どうかしましたか?」

「この子・・・なんてことを」

女性の両手は大きく上下に震える。

そして目を開け、頭から両手を放した。

すると突然、夏美に指差し大声で言った。


「この子は悪魔の子だ!連れて来たよ!ここに!」

翼と中田は何が何だか分からずその女性を見続けた。

「あいつが来たよ!この女が呼び寄せたんだ!みんな殺されるよ!!」

そう言うとその女性は引き出しからある物を取り出した。


それは、はさみだった。


「ちょっと落ち着いてください」

女性は下を向き小声で「みんな死ぬ、みんな死ぬ、みんな死ぬ・・・」と言い、突然自分の口元をはさみで裂き始める。

飛び出る血が部屋中を赤く染める。

夏美は大声で叫び、中田はその女性の行動を止めに入るが、すでに女性の意識はなかった。

翼は夏美を抱きしめ、中田の方を見た。

「だから言っただろ・・・これは現実だって」

中田は慌てて大塚に電話した。

すぐさま応援が駆けつけ、立ち入り禁止の黄色いテープが貼られた。


翼と夏美の元に大塚が近寄ってくる。

「すまない、まさかこんなことになるとは・・・」

「もういいよ、信じてくれるなら・・・」

「信じるが、これは連続殺人事件として取り扱うことになる。いくら化け物の仕業としても警察は必ず捕まえないといけない。いまさらだが協力してくれるか?」

「もちろん・・・俺達の命も狙われてるかもしれないんだ」

「我々が君たちを守るから、安心してくれ」


翼が事件現場を見に来ている野次馬の方を一瞬見た時、そこに白いマスクに白い服を着た女性がいるように見えた

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