封印×解放
翌日、翼と夏美は岐阜県にあるキャンプ場へ途中まで電車で行き、レンタカーを借りて向かった。
自分で揃えれる分だけ道具を揃えて、長時間運転して行く。
数時間後、岐阜県で有名な山に到着した。
そのキャンプ場には多くの人で賑わっていた。
「うわ~意外に人が多いな~」
「場所取れるかな?」
「とりあえず手続きしてテントとか借りようぜ!」
二人は受付で手続きをし、空いている場所を探す。
「ここなんてどう?」
「いいね!翼、ここにしようよ!」
翼は腕まくりをし、テントを組み立てた。
「作れるの~」
「こんなの簡単、簡単!」
しかし都会育ちの翼にはテントさえも組み立てるのが、難しく苦戦する。
そんな翼を見て、一人の男が近づいてくる。
「兄ちゃんできてるか?」
「え?あ、いや・・・」
「なんやったら手伝おうか?」
「あ、いいんですか?」
「おう、ませとけ!」
その男は体の体格がよく、手際よくテントを組み上げていく。
「兄ちゃん、どこの子?」
「東京から来ました」
「ほぉ~そりゃ遠いとこからやな~」
「地元の人ですか?」
「いや、俺は大阪からや。知り合いが岐阜に住んでてな、遊びに来たんや」
その男は少し遠くを指差す。
そこには男女一人づつ立って作業をしていた。
「よしできた!」
「ありがとうございます」
「なんかあったら声かけてや」
そう言ってその男は友達の方へ戻って行った。
「いい人だね」
「俺のいいところ夏美に見せれなかったな~」
「じゃぁ、料理でカッコイイところ見せてよ!」
「よし、買い物でも行くか!」
二人は近くにあるスーパーへ行き、カレーライスを作る材料を買いに行った。
ごはんを食べ、森の中から見る夜空を見ながら落ち着いていた。
二人にとって今の時間はとても幸せに感じた。
「ねぇ、翼・・・私たちがこうしてる間にも昨日の地震で大変な人もいるんだよね」
「急にどうした?」
「ううん、ただ同じ日本なのに地域によってこうも違うんだな~って」
「俺達が東京にいても誰も救えないんだ・・・それよりか無事だった体でのんびりしようぜ」
そんな二人のもとへテントを組み立ててくれた大阪の男が近寄ってきた。
「なぁ、今から肝試しでもせんか?」
「肝試し・・・ですか?」
「おう、夏そしてキャンプといえば肝試しやろ~」
「どうする夏美?」
「わたし怖いよ~」
「大丈夫や!俺の連れも居るし、大勢居れば楽しいはずや!」
「こんな機会ないんだし、行こうぜ夏美!」
「う~ん、翼がそう言うなら・・・」
「ほな、決まりや!さっそく行こうや!」
翼と夏美そして残る3人の計5人で山奥を進んで行く。
懐中電灯の明かりでは数メートル前しか見えず、5人は恐る恐る進んだ。
「あの~ここって心霊スポットというかそういう有名なところなんですか?」と翼は大阪の男に訪ねた。
その男はニヤッと笑い言った。
「サチコって知ってるか?」
「サチコ?聞いたことがあるような・・・幽霊ですか?」
「ん~幽霊だが、そのサチコの正体ってのが実は口裂け女らしいんだ」
「口裂け女ってあの都市伝説の?」
「そうや、見たくないか?」
「いや~でも、あれってただの噂ですよね?」
「まぁーそうかもな。33年前に起きた事件以来何もないらしいしの」
「33年前ここでなにかあったのですか?」
「今から行く小さな神社に行けば何か分かるかもの~」
それから30分は山の中を歩き続けた。
しかし神社らしきものは一向に見当たらない。
翼はもう戻るように言った。
4人も疲れてきたのか、翼のいう通りにする。
5人はキャンプ場に戻るために、来た道を引き返す。
その時、小さな神社が5人の前に現れる。
「あれ?こんなところにあったか?」
「見過ごしたのかな?」
その神社の周りだけ妙な空気が漂っていた。
「見てみろ、扉のところ」
懐中電灯の明かりを扉に向けると、扉には鎖で鍵がかかっていた。
その鎖を触って確かめてみたが、とても壊せそうなものではなかった。
「しゃーない、ここで終いやな」
帰ろうとした時、夏美は翼の服を掴んだ。
「ん?どうした」
「わたし・・・ここ知ってる」
「え?何言ってんだ?」
「直接来たことはないけど、ここにいた記憶があるの」
「夏美?」
夏美はその神社の方へゆっくりと進む。
「おい!夏美!?」
「お前の彼女どないしたんや?」
「分からねぇー!!おい、夏美!!」
夏美は「助けないと」と何度も繰り返し言いながら一歩一歩進んだ。
「わたし・・の・・・せいで、ともだち・・・助けないと」
「何言ってんだよ?夏美?」
夏美は鎖を手に取り、簡単に解いていく。
そして扉を開けた。
その瞬間、神社の中から突風が吹き夏美は翼の方へ吹き飛んだ。
「大丈夫か?夏美」
夏美は正気を取り戻したのか、何が起きたのか分からなかった。
神社の扉がギイ、ギイと開いたり閉まったりを繰り返している。
「中は何もないみたいだな・・・」
そう言った瞬間、その男の首が地面に落ちた。
その男の後ろには女が立っていた。
4人の悲鳴声が山の中で響く。
その女は手にはさみを握っていた。
「く、く、くちさけおんなだ・・・」
その女は白いコートとマスクをしており、髪の毛は長く顔は薄らと隠れるほどであった。
そして口裂け女は恐怖で腰が抜けた4人に言った。
「わたし、きれい?」と




