第二十話 駆逐艦時風出航!
駆逐艦時風隠しドック、夜22時52分・・・
ドック内、時風艦橋
雪花
「・・・正晴さん準備はいいですか」?
直通電話で機関室に話す雪花
正晴
「はい雪花様、機関は順調に稼動しております」
時風
「・・・あの~雪花さん」
雪花
「ん?何?時風ちゃん」?
時風
「本当に私は出航できるのでしょうか・・・」?
前回
雪花は駆逐艦時風をこのドックから
出す作業を開始した
原子力爆弾と駆逐艦時風を開発したのは
大和の同級生の信矢の祖父だと判明した
雪花
「どうしたの時風ちゃん?・・・怖いのかしら」?
時風
「いえ怖くはないんですが・・・ただ・・・私の機関がちゃんと動くかどうか・・・
外装は綺麗ですけどもしかしたら中身が駄目かもしれませんよ」?
少し暗い声で言う時風
ヒュウガ
「それは大丈夫ですよ時風さんさっき難波さんが点検したら
それほど問題はないって言ってましたから」
時風
「それならいいんですが・・・」
大和
「心配しなくても大丈夫だよ時風」
そう言って時風の横にくる大和
大和
「君の機関が動かなくても僕が引っ張ってもだしてあげるよ
だから安心してて時風」
その言葉に時風は笑みを浮かべた
時風
「・・・ありがとうございますそう言っていただけてうれしいです」
大和
「あぁ・・・(あれ・・・なんで俺こんな台詞いったんだ)」?
何故か大和は顔が赤くなっている事に気がついていなかった
シナノ
「ねぇお母さん・・・爆発音って大きい」?
雪花
「あぁそう言えばシナノはあまり大きな音は苦手だったわね
大丈夫よただ爆竹を鳴らすような音だから」
シナノ
「それなら良かった~」
そう言って雪花に抱き着くシナノ
ヒュウガ
「・・・(待てよ・・・昔母さんが爆竹作ってたけどあの爆竹確か
90式戦車のキャタピラひとつ破壊した噂があったような・・・)」?
キャタピラ破壊できる爆竹て・・・
話がずれた
雪花
「正晴さん機関始動開始」!
正晴
「了解しました雪花様・・・機関始動」!
雪花
「火炎1爆破準備・・・」
火炎1
「はい!爆破準備完了してます」!
雪花
「・・・爆破」!
ドゴンッ!ドゴンッ!ドゴンッ!
ギギッ・・・ギギギギィィイイイ!!!
にぶい爆発が3回続き隠しドックの
扉が鈍い音をたてながらが開いた
雪花
「ここまでは大丈夫ね・・・正晴さん機関始動」!!!
雪花が直通電話に向かって大声で叫んだ
正晴
「了解しました・・・機関始動」!!!
ゴウンッ・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
正晴
「雪花様!機関順調に稼動しております」!
ボフンッ!
時風の機関がけたたましく音を出し
煙突から黒い煙が勢いよく舞い上がった
時風
「や、やりましたよ大和さん!私の機関がちゃんと動いてくれてます」!!
雪花
「まだまだこれからよ時風ちゃん・・・微速前進」!
隊員1
「微速前進ヨォーソォロォー」!
隊員の掛け声で機関員などがいろんな
レバーやスイッチを押しまくっていた
たかが31人でこの機関を動かすのも一苦労どころか
不可能に近かったが・・・
ザザザァア・・・
時風の船体はゆっくりと動き始め
時風が隠されていたドックを出航した
65年前の旧海軍の遺品が今出航したのである!
時風
「やったぁ~!動きましたよ!私走ってますよ」!
時風がツインテールを揺らしながら
ぴょンぴょん飛び回っている
雪花
「まだまだ・・・第1戦速」!!!
隊員1
「第一戦速ヨォーソォロォー」!
ヒュウガ
「あれ?戦速って戦闘速度の事だよな?・・・
誰かと戦ってたっけ」?
キュイィィイイイイイイイイイン!!!
ザザザァァァアアアアアア!!!
ヒュウガの突っこみを無視して雪花の言葉で
時風の機関がけたたましく動き始めた
そして・・・
隊員2
「現在速度18ノット(約32キロ)に達しました」!
大和
「これが駆逐艦時風の力か・・・」
次回へ
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