加茂恵が戦いに挑む、謎の人物の正体が明らかに
「私……私、司命の居場所を知ってます!すぐ……すぐに案内します!」
猫の使者は唖然とした。黒衣の男は手を振り、案内するよう合図を送った。
午前0時14分、黒衣の男と猫の使者は転生殿の戸口に到着した。
転生の儀式はもう終わっていた。
「ここが転生殿です。入るには……まずノックをしなければなりません……」
猫の使者はぶるぶると震えながら話す。黒衣の男の目的が何なのか、それを知らなかった。
もしトラブルを引き起こしに来たのなら、司命様はこの侵入者に勝てるのだろうか?
「ノックしろ。」
黒衣の男は猫の使者に命令した。
その声は一語一語はっきりと聞こえるが、聞く者の背筋に寒気を走らせるものだった。
猫の使者は前に進み、
コン、コン。
二回のノックの音が響いた。
応えはない。
突然、不思議な力が猫の使者を戸に引き寄せた。
奇妙なことに、その力は少しも荒々しくなく、まるで自分を呼び寄せようとしているようだった。
耳を戸に押しつけた猫の使者は、ひとこと聞こえた。
「どけ。」
身動ごとする間もなく、猫の使者はその力に弾き飛ばされ、隣の壁に叩きつけられた。
「なに?」
黒衣の男は刀を振り上げた。だが、突然姿を消した猫の使者を斬るのではない。
転生殿の中から湧き上がろうとしている——
強大な力を防ぐためだ。
ガシャン!
転生殿の両開きの扉は勢いよく飛ばされ、枠から完全に外れてしまった。
殿内でまるで爆発が起きたかのように、強烈な衝撃波が黒衣の男に向かって一気に押し寄せてきた。
速すぎた。
避ける間もなく、黒衣の男は衝撃波の真ん中に立ったまま、その威力をフルに浴びてしまった!
その巨大な衝撃波は、霊屋七階の構造をほぼ壊滅させ、大量の煙りと埃を巻き上げた。
煙りが晴れると、加茂恵が煙の中から歩いて出てきた。
「死んだのか……」
だが、そうではなかった。
黒衣の男は依然として煙の中に立っていた。ただ羽織が少し破け、仮面が砕けただけだった。
仮面の破片が少しずつ地面に落ちるにつれ、加茂恵は黒衣の男の顔をはっきりと見た。
細長い髪が右目を覆い、左目だけが見えていた。
常人と異なるのは、その目の白目が黒く、瞳は白いことだった。
「お前は誰だ。なぜ許可なく霊屋の領地に侵入してくるのか?」
加茂恵は大声で詰問した。
「ははは、許可なく?」
黒衣の男は笑いながら手を上げ、指先で加茂恵を指した——
「俺は神界が正式に任命した執行者だ。神界の掟に違反した司命・加茂恵、引き捕まえに来た!」




