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スキルなしの最弱勇者、追い出された先が実は宝の山だったので、日本の知識で楽園国家を建国します  作者: 鈴城幻司
第14章:さよなら、我が楽園へ

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あまりにも鮮やかすぎる夢

強制送還されました。


時間の感覚がなかった。


俺は、どれくらいの間、あの薄汚れたアパートの天井をただ見つめ続けていたのだろうか。一日か、三日か、あるいは一週間か。腹は減らなかった。眠気も感じなかった。ただ、胸にぽっかりと空いた、巨大な虚無の穴から、魂が少しずつ漏れ出していくような、そんな感覚だけが俺の全てだった。


夢だったのだ。


あまりにも都合が良く、あまりにも幸福な、一人の冴えない男が見た、長すぎる夢。


そう、結論付けるのが、一番簡単だった。そうでなければ、この現実は、あまりにも残酷すぎる。


俺は、ゾンビのようにのろのろと体を起こした。部屋の中は、俺が失踪する前と何も変わっていなかった。読みかけの本、飲みかけのコーヒーカップ、コンビニ弁当の空き容器。まるで俺という存在だけが、数年分の時間をスキップして、この部屋に置き去りにされたかのようだった。鏡に映ったのは、紛れもない、あの頃の俺だった。無精髭が伸び、髪はボサボサで目の下には深い隈が刻まれている。あの異世界で一国を率いる領主として、幾多の困難を乗り越えてきた男の面影など、どこにもない。


そこにいたのは、人生に疲れ果てた、ただの負け犬だった。


外に出た。


ネオンの光が、網膜を焼くように痛い。車のクラクションと雑踏のノイズが、頭蓋に不快に響く。コンビニで買った弁当は、砂を噛んでいるように味がしなかった。


何もかもが、色褪せて見えた。


いや、違う。これが元々の俺の現実の色だったのだ。俺は、あまりにも鮮やかすぎる夢を見て、その色彩に目が眩んでいただけなのだ。リリアーナの花のような笑顔。アラタの柔らかな肌の感触。仲間たちの信頼に満ちた眼差し。


それら全てが、幻。


そう思うたびに、胸の穴から冷たい風が吹き込んでくる。俺は、一体何を守り、何を築き上げてきたというのだろう。全てが俺の脳が見せた幻覚だったというのか。もう、いっそ、このまま全てを終わらせてしまえば、楽になれるのだろうか。そんな黒い考えが、不意に頭をよぎった。


まさかの夢オチなのか・・・


続きは、明日の19時に。

どうぞよろしくお願いいたします!

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