表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルなしの最弱勇者、追い出された先が実は宝の山だったので、日本の知識で楽園国家を建国します  作者: 鈴城幻司
第12章:トーキョー籠城戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/66

第二次討伐軍、開戦!知恵の砦 vs. 王国の物量

元魔王様のおかげで帰還はできましたが・・・


地平線を埋め尽くす、三万の軍勢。


バルドル宰相が、国の総力を結集して送り込んできた第二次討。伐軍の威容は、前回のそれとは比較にならなかった。大地を揺るがす行軍の響き、天を突く無数の軍旗、そして兵士たちがまとう鎧が反射する陽光が、まるで巨大な鉄の津波となって、俺たちの楽園に押し寄せてくるかのようだった。


先頭に立つのは、王国最強と謳われる重装騎士団。その両翼には、おびただしい数の弓兵部隊。そして後方には、俺たちの希望を打ち砕くかのように、巨大な投石機が十数台も不気味な姿を並べていた。


「……皮肉なものだな。俺が教えた兵器で、俺たちが滅ぼされようとは」


司令塔の櫓の上で、俺は自嘲気味に呟いた。


眼下のトーキョーの街は、静まり返っていた。女子供や老人は、ロングハウスを改造した地下シェルターへと避難を終えている。城壁の上には、武装した民兵たちが、固唾を飲んで、迫り来る脅威を見据えていた。彼らの顔に、恐怖の色はない。あるのは、自分たちの故郷を断固として守り抜くという、鋼の決意だけだ。


司令塔の櫓は、かつてないほどの緊張感に包まれていた。俺の隣には、百戦錬磨の騎士団長ダリウスが、望遠鏡を覗き込みながら静かに立っている。


「……布陣は、こちらの予想通りか」


俺が呟くと、ダリウスは頷いた。


「うむ。典型的な、力押しの陣形だ。奴らは、我々のことを、まだただの反乱農民の集まりだとなめている。……レオ、最終報告を」


ダリウスの低い声に、控えていたレオが進み出た。


「はっ! 食料、矢弾、共に三週間の籠城は可能です。それ以上は…」


「三週間か。十分すぎる。ギデオン、壁は?」


階下で待機していたギデオンが、力強く答える。


「へっ。いつでも。領主様の設計と、わしらの技、そしてゼオン様から頂いた魔鋼石。そう易々と破られてたまるもんですか。奴らが壁に取り付いた瞬間、地獄を見せてやりますわい」


ダリウスは、俺に向き直った。


「……アリアは、遊撃部隊を率いて、西門に配置完了したとの連絡だ。敵の主力が正門に集中した際、側面を突く手筈になっている」


「ああ、頼んだ」


リリアーナは、既に教会を改造した野戦病院で、負傷者を迎え入れる準備を整えている。俺は、決戦前に彼女が握らせてくれた、補修された星のお守りを胸のポケットの上から強く握りしめた。


「……皆、頼むぞ。俺たちの故郷だ。必ず、守り抜く」


やがて、敵陣から一騎の騎士が、伝令としてやってきた。


「反逆者ケンタに告ぐ! 我が主、バルドル宰相閣下は、貴殿らに最後通牒を与える! ただちに武器を捨て、勇者ガイ様を解放し、城門を開けよ! さすれば、首謀者たる貴殿以外の者の命は、保証しよう、と!」


俺は、メガホンを手に、櫓の上から答えた。


「ニホン国の領主、ケンタとして答えよう。我らの土地に、土足で踏み入る者に、告げる言葉はない! そして、我らの同胞を見捨てる領主は、この国にはいない! 帰りたければ、武器を捨てて、故郷へ帰るがいい!」


交渉は、決裂。俺の返答が、開戦の合図となった。


「領主様! 敵、投石開始!」


見張りの声と同時に、ヒュン、という空気を切り裂く音が、無数に聞こえてきた。そして、次の瞬間。ズウウウウン! という地響きと共に、巨大な岩石が街の外縁の森に次々と着弾した。木々が根こそぎ吹き飛ばされ土煙が上がる。俺たちが仕掛けた森の罠は、この無差別な絨毯爆撃によって、いとも容易く無力化されていく。


さらに、後方に陣取る魔術師団が、一斉に詠唱を開始した。空から、巨大な火球が雨のように降り注ぐ。そのいくつかは、城壁に着弾し、魔鋼石で補強された壁の表面を、赤熱させた。


「……やはり、小細工は通用しないか」


バルドルは、ガイの失敗から完全に学習している。力には、力。圧倒的な物量で、俺たちの知恵を真正面から粉砕するつもりだ。


「ギデオン! こちらの投石機で、応戦! 狙いは、敵の投石機だ! 一つでも多く、沈黙させろ!」


「応!」


ギデオンの号令一下、俺たちが作った数少ない投石機が、唸りを上げて火を噴いた。だが、その反撃は、敵の魔術師団が展開した巨大な魔法障壁によって、いとも容易く防がれてしまった。


「くそっ……!」


攻守共に、完全に、手詰まりだった。


攻守共に手詰まり状態・・・


どうする!?


明日も19時に

どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ