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スキルなしの最弱勇者、追い出された先が実は宝の山だったので、日本の知識で楽園国家を建国します  作者: 鈴城幻司
第9章:愚者の進軍、賢者の城塞

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宴の始まり――領主ケンタの指揮官としての才能

王都軍、遂に襲来!


王国軍は、森の入り口で一度停止し、物見を放ってきた。彼らは、森の入り口に何の防御施設もないのを見て、せせら笑ったことだろう。


案の定、総大将である勇者ガイは、包囲もせず、攻城兵器の準備もせず、真正面からの総攻撃を命じた。俺が張り巡らせた、巨大な蜘蛛の巣の存在に、気づかぬままに。


「来たぞ! 第一陣、森に侵入!」


見張りからの報告を受け、俺は静かに最初の命令を下した。


「狼煙を上げろ。……『宴』の始まりだ」


王国軍の兵士たちは、楽勝気分で森に足を踏み入れた、その瞬間、地獄を見ることになった。


「うわっ!?」

「落とし穴だ!気をつけろ!」


先頭の部隊が、巧妙に偽装された巨大な落とし穴に、次々と飲み込まれていく。そこから、パニックは連鎖した。木の枝に吊るされた丸太が、振り子のように兵士たちを薙ぎ払い、足元にばら撒かれた撒菱が、軍馬の足を潰す。


「何だ、これは!? どこから……ぐあっ!」


混乱する兵士たちの頭上から、ボルグ率いる弓兵部隊の、音なき矢の雨が降り注いだ。彼らは、木々の間に作った隠れ家から、一方的に攻撃を仕掛け、王国軍が反撃しようとする頃には、もう別の場所へと移動している。


「煙だ! 前が見えん!」


俺が指示して作らせた発煙弾が、森のあちこちで炸裂し、兵士たちの視界と方向感覚を完全に奪い去る。森そのものが、巨大な一つの罠。


俺は、司令塔から、伝令兵が次々ともたらす報告と、各所に配置した監視員からの狼煙の色で、敵の混乱状況を正確に把握していた。


「B地点に敵が密集! 第二トラップを作動させろ!」

「第五ゲリラ部隊、敵の側面を突いた後、速やかにC地点まで後退せよ!」


俺の指示が、蜘蛛の巣を操るように、森全体に張り巡らされた民兵たちを動かしていく。王国軍は、俺たちの街の姿を拝むことさえできずに、阿鼻叫喚の中で数を減らし、やがて恐慌状態に陥って、潰走を始めた。

第一波は、わずか一時間で、壊滅的な被害を出して撤退していった。



王国軍の陣営から、怒り狂ったような怒号が響いてくるのが、ここまで聞こえてきそうだった。陣営の中では、ガイが、報告に来た騎士を殴り飛ばしていた。


「無能者め! たかが田舎者の寄せ集めに、何を手こずっている!」


「しかし、勇者様! 森の中は、罠だらけで……」


「言い訳は聞かぬ! 道がないなら、作ればよいのだ!」


その隣で、アリアが冷静に進言する。


「ガイ様、無策の突撃は、兵を無駄死にさせるだけです。一度、体制を立て直し、慎重に……」


「黙れ、アリア! 貴様は、あの偽物に入れ込んでいると聞いているぞ! 俺のやり方に口を出すな!」


やがて、ガイは、俺たちに挑戦状を叩きつけてきた。


「元勇者ケンタとの一騎討ちを望む! 俺が勝てば、街は無血開城! 奴が勝てば、我らは兵を引こう!」


あまりにも、古臭く、そして愚かな申し出。俺は、使者に対して、丁重に、しかし断固として返答した。


「俺は、民の命を賭け事の対象にするつもりはない。領主としての俺の仕事は、無意味な決闘ではなく、民を守ることだ。話があるなら、門の前まで来い。戦うというなら、我がニホン国民すべてが、お前の相手だ」


この返答は、ガイのちっぽけなプライドを、完全に破壊したようだった。


性格最悪な勇者って・・・


ストーリーには必要なんですが

実際にいたら最低だな・・・


明日も19時に。

どうぞよろしくお願いいたします。

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