表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルなしの最弱勇者、追い出された先が実は宝の山だったので、日本の知識で楽園国家を建国します  作者: 鈴城幻司
第5章:楽園創造の設計図

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/66

地獄の釜と極上の湯

暮らしが整ってきました!さらに・・・


夜の帳が下りると、ロングハウスの中はまるで深海のような静寂と色彩に包まれた。洞窟から持ち帰った「爆発茸」――衝撃を与えると発光する特性を持つこのキノコが、カンテラの中で幻想的な青白い光を放っているからだ。


火を使わない安全で神秘的な明かりの下、俺たちはその日の成果を語り合った。かつての俺たちにまとわりついていた、追放者特有の悲壮感など、そこには微塵もない。あるのは、自分たちの手で未開の地を切り拓いているという、確かな熱と充実感だけだった。


そんなある日、街の周辺の地質調査をしていた俺は、奇妙な兆候に気づいた。特定のエリアだけ、地面から微かに地熱が感じらる。そして風に乗って漂う独特の硫黄の匂い。本で読んだ知識と、前世の記憶がリンクし、俺の頭の中で一つの確信へと変わった。


「ここだ。ここを掘ってくれ!」


俺はギデオンたちを呼び寄せ、その場所を掘削させた。すると、湯気を立てた豊富な湯が、岩盤の下から湧き出してきた。シューッという激しい音と共に、視界が白く染まった。


「な、何だこれは!? 熱い煙だと!?」

「地獄の釜が開いたのでは……!?」


モクモクと立ち昇る白煙と、溢れ出る熱湯。それに触れて飛びのく兵士たちを見て、俺は快哉を叫んだ。


「違う! 地獄じゃない、天国への入り口だ。これは疲れを癒し、傷を治す、大地の恵みだ!」


俺の説明に半信半疑ながらも、皆で協力して湯だまりの周りを石と木で囲い、即席の巨大な露天風呂をこしらえた。この世界に、娯楽としての「温泉」が誕生した瞬間だった。


その夜。

満点の星空の下、俺たち全員が生まれたての温泉に浸かっていた。


「おお……、なんという……」


湯が、ここ数週間の肉体労働で凝り固まった筋肉を、芯からじんわりと解きほぐしていく。肌を撫でる湯の柔らかさ、鼻孔をくすぐる硫黄の香り、そして、虫の声と風の音しかしない、森の静寂。五体の全てが、ゆっくりと、大地に溶けていくような感覚だった。


「はぁ〜……、極楽、極楽……」

「生きててよかった……」


あちこちから、心の底からの感嘆の声が漏れる。誰もが、満ち足りた笑顔を浮かべていた。湯気に包まれた彼らの顔は、誰もが子供のように無防備だった。


俺は、隣で気持ちよさそうに目を閉じているリリアーナの横顔を、そっと盗み見た。湯に濡れた彼女のプラチナブロンドの髪が、月光を浴びてキラキラと輝いている。


「……夢のようですわ」


彼女が、そっと呟いた。


「王城のお風呂よりも、ずっと、気持ちがいい。それに、こうして皆さんと一緒に入れるなんて」

「ああ。ここじゃ、王女も元勇者も関係ない。皆、ただの開拓仲間だ」


王都の偽りの栄華も、書店での色のない日常も、今はもう、遠い昔の出来事のようだ。呪われた地と呼ばれた、この魔の森で。信頼できる仲間たちに囲まれて、自分たちの手で楽園を創り上げていく。


俺は、生まれて初めて、心の底から「家に帰ってきた」と、そう感じていた。


予約投稿に失敗していたようで、、

昨日アップできてませんでした。。。


申し訳ございませんでしたm(_ _)m


明日は19時で大丈夫です。

どうぞよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ