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第4話 「土下座の先に見えたもの」

今日も俺は営業にでる。


今日の商談相手は株式会社山田の山田社長だ。


この山田社長と商談して、成功させれば俺は必ず出世できる。


「気合を入れろ…大丈夫だ。俺ならいける。」


俺はそうつぶやき、ネクタイを整えた。


俺は今まで失敗ばかりだった。


夕礼に遅刻したり、商談でのギター侍ネタで滑ったり。様々な失敗をしてきた。


だからこそ今回は成功させる。


そしてついにその時がやってくる。


「羽田雄資君。今日もよろしくね。」


優しそうな笑顔を浮かべた山田社長がやってくる。


「よ、よろしくお願いします。」


緊張で声が震えるも俺は返事をする。


今までの失敗が前に進もうとする俺の足を引っ張る。


この不安はその過去の失敗からやってきている。


だがいける…俺なら。


その時、社長が優しい眼差しでいった。


「羽田君。緊張してるのかい?俺はそんなやつじゃないから大丈夫だよ。」


それを聞いた俺は社長の優しさにふわっと包まれ。少し安心した。


「あ、ありがとうございます。」


そして商談の内容について説明する。


「…ということなのですが」


すると社長は言う。


「建設資金融資を申し込んでもいいかな?」


俺はとても喜び、その場の勢いで承諾する。


「もちろんです!全力でやらせてください!」


こうしてこの日の商談は終わる。


だがあの商談が終わったあと俺は思った。


「てか建設資金融資を申し込まれたけど。勝手におれが承諾していいのか?上司とかに許可取らないとやばくね?」


今更気がついてしまったがもう後の祭り。そしてそのことを上司へ相談することにする。


「あの…本田さん…」


上司の本田へ話しかけるが絶対怒られると思い。心臓の鼓動と震えが止まらない。


「ん?なんだぁ?」


そう言われた俺は更に心臓の鼓動が早まる。新人の俺にはあまりにも怖すぎた。


「えっと…実は…」


そして全てを本田へ話した。


それを聞いた本田の目は見開かれ、血管が隆起した。


「馬鹿野郎!なんで事前に俺に相談しなかった!?そんな簡単に承諾する案件じゃないだろう!」


「す、すみません…」


「いいから今すぐ社長に説明しにいけ!わかったな!?」


上司の怒鳴り声を前に俺は謝ることしかできなかった。


そうしてその足でふたたび山田株式会社へと向う。


俺は思った。あんなに優しかった社長に迷惑かけて。俺は何やってんだと。


そして社長室へと俺は入る。


「羽田君どうしたの?忘れ物でもしたのかな?」


社長の優しい目をみて俺はさらなる罪悪感に襲われた。


正直、いいたくない…でも言わなくちゃ。


「社長!」


俺はそう叫ぶと土下座し、全力で謝罪する。


「上司に相談したところやっぱりだめでした!すみませんでした!」


俺は怒られる。そう思った。


だが社長は優しく言う。


「羽田君。頭をあげなさい。」


俺は頭をゆっくりと上げる。


「最初だからまだわからねぇよなぁ。しょうがねぇな。よし今回は仕方ない。上司にも私から許しがあったと伝えなさい。」


社長は怒ることもなく許してくれた。


「う…うぅ…山田社長…!この恩は一生わすれません!」


俺はその場で泣きそうになった。そして山田株式会社を去った。


社長の優しさに触れた俺は誓った。これからはお客さんのために全力で働こうと。

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