ごちそうさまでした
「ねえ、ちょっと変な話しても良い?」
講義と講義の間、暇な時間が出来たのでオカルト同好会の部室へ寄ると、珍しく先輩の方から話を持ちかけてきた。
「ゴミの日ってさ、大体どこも曜日ごとに何出すか決まっているじゃない?」
「ええ、大体はそうですよね」
「僕の住んでいる地域は今日が可燃ゴミの日だったんだ。結構ルールが厳しくて回収される日の朝に出すよう取り決められているんだけれど、でも僕の住んでいるアパートってたまに前日の夜に出しちゃう人がいるんだよね」
「ああ、いますよねそういうマナーの悪い人」
「ねー、マナー悪いよね。昨日の夜帰ってきた時にも、もう袋が積まれててさ。虫がたかるから嫌だなあって思いながら見てたんだよ。それで、今朝出掛けにゴミ置き場行ったら昨晩見た袋がなくなってて、代わりになにか貼り紙みたいなものが置かれていたんだ」
「貼り紙?」
「うん。前にゴミ出しについて注意喚起する貼り紙されてたことがあるからまたそれかなって思ったんだけれど、近付いてみたら違ってさ」
――ごちそうさまでした。
その一言だけ書かれていたそうだ。
「何か気持ち悪くってすぐ逃げてきちゃった。何だったんだろうあれ」
「……何かが美味しく頂いた?」
「うう、正体が何であれちょっと想像したくない」
その後、夜にゴミ出しをする不届き者はぱったりといなくなったとか。
「禍を転じて福となす?」
「……ちょっと違くない?」