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久々女子会

今日は久しぶりの女子会だ。私はいつでも大丈夫なのだが、最後の集まりから予定が合わなくなり、開催されるのは久々だった。



今日は新たなメンバーと言う訳ではないのだが、八百屋のアサとナズナがメンバーに入っている。それから、オボロさんが一人連れてくると連絡が入っているので、少し楽しみにしている。



こちらに来てから、いろいろな事があり少し度胸がついた気がする。相手が女性だと分かっているからというのもあるが、大きな一歩だろう。手土産を何にしようか迷った末に、俵にしたおにぎりを持って行くことにした。塩はあるのだが、海苔が欲しい――…




こうして皆のためにせっせと熱々ご飯を握り、ラップは無いので皿の上に布巾をかけてカゴの中へ……。




「それなら、スーさん行ってくるね。」



〝一人で出かけるのもだいぶ慣れたね~。今度、昼間に買い物行ってみれば?誰か誘ったら行けるかもよ。〟




「うぅーんッ… 今日話せたら、誰か誘ってみる…。」



歯切れの悪い返事だったが、スーさんはがんばれと送り出してくれた。







そろそろお肉も食べたいし、乳製品も欲しい……。オボロさんやミーシアちゃん、アサにナズナだってお願いすれば嫌な顔をする人はいないはず。そんな事は分かってる。あとは私の勇気だけ――…




でも、行こうと思うと、体が不調を訴えだす。だからと言って熱が出るわけでもなく、検査をしても数値は正常。これにより幾度となく周りから気の持ちようだと言われた。



「私の体なのに、数値だけで決めつけるなー!」



誰もいないことをいいことに、不満を口にして叫ぶと少しスッキリした。こんな気持ちを抱えたままみんなの所に行きたくなかったのだ。気を取り直して足取り軽くオボロさんの店に近づいた時、店の前で女性の腰にすがる男性の姿に(きびす)を返そうか迷った。



「アマネ~、頼むよ~僕もつれて行って。お留守番はイヤだ!」



「キュムラス。今日はオボロの所で女の子だけでお茶会だって言ったでしょ?あなたは男だからダメ。家で待ってて。」




「そっ、そんなこと言って、もッ、もし男がいて… きッ君に惚れたらどうするのさ!こんなに美人なんだよ。ほっとく訳ないよ。あぁ~、心配だ…… やっぱり今日はお断りして帰ろう。ねッ?」




小柄… と言うより、話に出てくるドワーフのような女性だ。美人と言うよりはかわいい系かな?褐色の肌にぱちくりお目目、茶髪のお下げがかわいい。男性の方は地面に足を付きながら女性にすがっているので定かではないが、それなりに身長がありそうだ。金に近い茶の髪に白い肌。情けない物言いがすべてを台無しにしているが割と整った顔をしているみたいだ。




目的地が同じなので、そこをどいてもらわないと私も入れない。声をかけるべきか悩んでいると、アマネと呼ばれていた女性が、えらくドスの利いた声で――



「お利口さんに家で待ってろって言ってるだろう?その耳は飾りか?あ”ぁ”?」



私が言われたわけではないのに、ひゅっとなった。言われた男性は大丈夫だろうかと視線を向けてみると、見たことを後悔するような、光悦とした顔で彼女を見ていた。




「ハァ、ハァ… でもッ…」



「でもじゃねぇ、お利口さんに待ってたら――…ゴニョゴニョ……」



耳元で囁くように話しているので何と言っているかは聞こえなかったが、男性の瞳がとろけて立ち上がると若干フラフラしながら帰っていった……。私は何を見せられているのだろう。忘れよう……。



そう思って遠い目をしていると、声をかけられた。



「そこのあなた、もしかしてオボロが紹介したいって言ってた子?」



柱に隠れていたのだが、しっかり目が合っているので逃げるのは不可能だった。観念して出ていくと、



「ごめんなさいね。見苦しいものを見せて。あれ私の夫なんだけど、心配性なの。困ったものよね~。」



「そんなこと言いながら、まんざらでもないのよ。この人」



「あら?こんにちはオボロ。」




気づかないうちに店の扉を少しだけ開けてオボロさんがこちらに顔をのぞかせていた。



「気づいてたら、キュムラスに説明してくれればよかったのに。」



「アマネの所のあれは、最後のあれ(・・)までやらないと彼帰らないでしょう?そんな野暮な事、私はしないわ。夫婦の事なんだから、あなたがちゃんと手綱を握りなさい。」



「あれでも昔に比べたら、だいぶ早く帰るようになったのよ。進歩ね。」



何やら夫婦のあり方についての話なのだが、私ハ何も聞いてナイ………。




気持ちを切り替えて、通された部屋に持参した手土産をセッティングする。



「挨拶が途中だったわね。初めまして。私はここの通りの向こうで肉屋【満腹亭】を営んでるアマネよ。見て分かる通り、ドワーフ族よ。よろしくね。」



「あッ、初めまして。人族のトモカです。小人の八百屋で働いてます。」




二人であいさつをしていると、またドアベルが鳴ったので誰か来たみたいだ。



「トモカ、早かったね。」



「なんだか店以外でトモカを見るのが新鮮ね。」



入ってきたのはアサとナズナ、その後ろに出迎えに行ったオボロさんがいて一番後ろにミーシアちゃんも見えた。さて、久しぶりの女子会の始まりだ。



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