♡第61話♡ 普通の授業回!!
現在、学校は未知の脅威にさらされています。
本来であれば、しばらく休校にしてもいいようなものですが、授業は平常通り行われるのです。
メロ〜ンが教壇に立ちました。
「はぁ〜い、みなさん、今日はぁ、伝説の魔法使い、アリア様について教えまーす」
相変わらず幼稚園みたいな空気感ですね。
「じゃあ、マリーくんに解説お願いしようかなぁ」
はい! とマリトが立ち上がります。
あれ? なんか違和感ありますね。なんでしょう。
私の代わりに、コペニュが疑問を口にしました。
「マリー、クラス違くない?」
あー、そうですね。2年生になっても、マリトは別のクラスなのでした。
ちなみにメラルもコペサーとは別々になっちゃったんですよね。かわいそうに。
「いいじゃないですか別に。こうでもしないと存在消されちゃうじゃないですか!!」
「もう何話出てなかったっけ?」
「数えたくもありません」
「レギュラーから準レギュラーになっちゃったね」
「ブチギレますよ!!」
出番がほしくて裏切られるよりマシですね。
気を取り直して、マリトがアリア様について語り出しました。
「アリア様はこの学校の創設者でもあり、あらゆる魔法を使いこなしていたとされています。かつて悪の魔法使い軍団との戦争で、たった1人で1万人を超える敵を倒した伝説があるのです」
一説によると、彼女は聖女であり魔法使いだったとか。
聖女は決して魔法を使うことはできないはずなので、信憑性は薄いです。
1000年以上前の人間ですからね、残された伝説は数多くあれど、真実の姿は謎だらけだったりします。
マリトの解説に、メロ〜ンが続けました。
「アリア様はぁ、死の直前、自ら幻獣になったとされていてぇ、その幻獣を召喚できるのはぁ、メイスさんだけだとされていますぅ」
サーニャがコペニュに問います。
「コペニュちゃん、幻獣になったアリア様、見たことあるの?」
「ないよ。たぶん他の幻獣みたいに霊峰に住んでるわけじゃないんだよ」
メロ〜ンの説明は続きます。
「幻獣化したアリア様はぁ、神殺しの槍よりも強力な力を持っていると、されているんですねぇ」
神殺しの槍、どこかで聞いたことありますね。
サーニャも同じ疑問を抱いたのか、首を傾げました。
「マリーくん、神殺しの槍って?」
「以前、一度だけ説明したことがあります。ボクたちが魔王を倒したとき、魔王が『槍さえあれば』と言っていたの、覚えてますか?」
「あ、うん! 思い出したよ。たしか、神話では、その槍のせいで神様は長い眠りについたって」
「噂によると、槍は実在していて、この学校にあるとされています」
この学校も秘密がいっぱいですね。
そんなこんなで、今日の授業が終わりました。
つまり、マリトの出番も終わりです。
「ってボクまだ喋りたいですよーっ!!」
残念。




