表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星への願いごと  作者: HIRO
1/1

始まりは突然に

 僕は今でも思い出す。君と出会ったあの日のことを。

 正門坂の桜が満開に咲き乱れたこの日、僕、佐藤一星さとういっせいは坂上高校へ入学した。僕は正直、不安と恐怖に駆られていた。それは、中学時代のあの思い出したくもない日々があったからである。どうしよう、震えが収まらない。そして、気が付いた時には入学式は終わっていたのだった。

 クラスが発表されて僕は教室に入った。そして静かに席に座った。周りを見渡してみるともうグループが出来ていた。僕はまた1人だ。そうして下校の時間となった。自転車通学である僕は暗い気持ちでペダルをこいでこいでいた。すると

「うわっ!」

道のへこみにタイヤを取られて転倒した。

「はー。もう生きていても良いことないな…。」

僕はそう小さく呟いた。すると後ろからブレーキ音が聞こえてきた。

「ちょっと、大丈夫?ケガしてるじゃん!」

えっ、僕は驚いた。だれかに心配されたのなんていつ以来だろうか。寄り添ってくれた黒髪の女の子はまるで天使のように輝いて見えた。

「えっ、だ大丈夫。」

「手、擦りむいてる!ちょっとじっとしてて。」

女の子と話すのも久しぶりな僕は凄く緊張していた。それと同時にドキドキしているのを感じた。なんて素敵でいい人なんだろう。

「はい。これで大丈夫だよ!もう気を付けてね。」

「あ、ありがとう。」

な名前、聞かなくっちゃ!

「じゃあ、またね!」

彼女はそのまま走り去ってしまった。名前も学校も何も聞けなかった。

 次の日、学校でいつものように本を読んでいた。でもなぜだろう。全く集中できない。そして気が付けば彼女のことを考えてしまっている。でも、その後は彼女と再会することもなく季節は夏を迎えた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ