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愛よりも青い海-4

 居間に座っていると、後ろで賑やかな弟妹たちの声が聞こえる。圭一は母親を前にして、おとなしく座っていて、母親の方も黙ってお茶の支度をしてくれているだけに、一層色々な声が聞こえる。

 ―――兄ちゃんの彼女かな。

 ―――そうだよ。

 ―――ん。じゃなきゃ、こんな遠いところまで来ないよ。

 ―――結婚するの?

 ―――え?うそォ?

 ―――まさか、まだ、中学生だよ。

 ―――でも、そうじゃなきゃ、こんなとこまで、来ないよ。

 ―――ほんとに結婚するのぉ?

 まるで珍獣扱いだな、と思いながら、視線を圭一に向けると、圭一は母親の出方を伺うように神妙にしていた。

「まぁ、急なんで、何にもないけど、どうぞ」

お茶とお菓子を勧められて、恐縮して美雪は頷いた。

「まったく、一年半も帰って来ないかと思ったら、いきなり、女の子連れで帰ってくるなんて」

「まぁ、いいじゃない」

「よくないよ。こっちから電話しなきゃ、連絡ひとつよこさないじゃない。まったく、親を何だと思ってるんだか」

「あ、あのぉ、お父さんはおられないんですか?」

「あぁ、父さんは、もう死んだんだ」

「そうなの。だから、あたしひとりで六人の子供の面倒を見てるんだけど、まったく、この子くらい質の悪い子もいないよ」

「あ、でも、中川君は学校では、人気者で、みんなから慕われていますよ」

「ほんとかい?あんなに悪い子がね」

「心外だな。俺だって、反省してるよ。だから、ちゃんとね」

「知ってんだよ。住職さんとこのお務め、ほとんどしてないそうじゃないの」

「あ、それは…」

「何が、ちゃんと、だよ。いいかい…、あ、いいわ、この娘に聞いてもらおうかしら。明智さんて言ったわね」

「はい」

「ちょっと、聞いてやってよ。この子、本当に悪い子でね。もう、悪戯はしまくる、喧嘩は毎日。苛められたと言って怒鳴り込んでくる親が来ない日はないくらい、悪さのし通しだったんだよ」

「そんな、昔のこと」


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