第十話「謎の力」
「ファイアーショット!」
と声が聞こえると、ひとつの火の玉が飛んできて山賊首領に当たった。
山賊首領が燃え始めた。ランスが火の玉が飛んできた方を見ると、リアリーがいた。
「熱い、助けてくれ!頼む!」
リアリーが山賊首領に近づいた。しかしリアリーは見ているだけだった。
「リアリーさん。水を!」
とランスが言ったがリアリーは動かない。
「頼む・・・助けてくれ・・・」
山賊首領が手を伸ばした。しかしリアリーは伸ばされた手を避けた。
メリカは驚いているのか口を開けたままだった。
山賊首領は倒れた。そして燃え尽きてしまった。
それをランスが見るとランスはやっと動いた。リアリーの方へと歩いて行った。
「どうして助けなかったのですか?」
ランスは怒っていたが、怒りを隠してリアリーに聞いた。
「栄光の道、邪魔する者、消してでも、歩け。これが私の隊の信条なの。」
リアリーが小さな声で答えるとランスが
「だからと言って人を殺してもいいんですか?」
と少し怒り混ざりの言葉でリアリーに聞いた。
「・・・」
リアリーは何も言わなかった。そこに、メリカが寄ってきた。
「ランス、あんた、今さっき力はなんだっただい?
普段のあんたからは信じられなかったわ。デレントって何よ?」
メリカが興味ありげにランスに聞いている。
「それが分からないんです。メリカさんが傷つけられいるのを見て、怒りが湧いてきて。」
ランスが思い出している。そうするとリアリーが
「何かあったの?」
とメリカに聞いた。
ランスはまだ今さっきの事を思い出そうしているのか深い顔をしている。
「こいつの力が・・・てかあんただれ?」
メリカが説明していたがリアリーの顔を見た瞬間説明をやめた。
「紹介が遅れたわね。私はリアリー。フウジ帝国騎士団スミス隊に所属しているわ。」
「あたしはメリカ。ルース村、村長の娘よ。よろしく。」
二人とも自己紹介をした。
「さっき言おうとした事をもう一度い言っていただけない?」
「こいつ、ランスがいきなり強くなったのよ。あいつとは思えないくらい。」
メリカがランスを指指しなかがら言う。ランスは山賊首領の死んだ所を見ている。
「ここで話すもなんだね。村に戻りましょうよ。」
「そうしていただけると助かるわ。彼、落ち込んでいるみたい。」
とリアリーがランスを見ながら言う。ランスは俯いている。
「あっ。提案しといて悪いけど人を探さしてもらうわ。」
「誰かいるの?」
「村の人が何人か連れてかれているのよ。」
とメリカが歩いて行った。リアリーもそれについて行った。
しかしリアリーが一度振り向いた。
「ランス、行くわよ。」
「・・はい。」
とランスが走ってリアリーの所に行った。
ランス達はいろんな部屋を回った。しかし村の人々はなかなか見つからなかった。
「いないねぇ。もしかして皆・・・」
メリカが俯いた。それを見てランスが
「まだ全部回っていないじゃないですか。」
「そうね。まだ回ってないわね。」
メリカが嬉しそうに答える。
「この部屋、入ってないわね。」
リアリーがそう言い、ドアを開けるとその部屋には4つのベッドがあった。
ベッドの上には人が寝ている。
ランスとリアリーとメリカはベッドを見ると、それぞれのベッドの方に走った。
「だいじょうぶですか?」
ランスがベッドにいる人の体を揺すっている。
しかし、ランスはすぐに手を離した。そして手を合わせお辞儀をした。
「リアリーさん、メリカさん、そっちの人は大丈夫ですか?」
リアリーとメリカに声が聞こえると二人とも首を横に振った。
それ見ると、ランスは俯いた。しかしランスの視界にあるものが入ってきた。
もうひとつのベッドだった。ランスはベッドに向かって走っていった。
ベッドにおばさんがいた。高貴な服を着ている。ランスは体を揺すった。
「大丈夫ですか?」
そうするとおばさんは
「う、う。」
と声を上げた。ランスは声を上げたのを聞くと、
「二人とも来てください。」
ランスがそういうとリアリーとメリカが来た。
「この人、生きています。村まで・・・」
とランスが言おうとするとランスは倒れてしまった。
ランスが目を覚ますと以前来た宿屋のベッドの上だった。
隣のベッドにはおばさんが寝ている。
「ランス!目を覚ましたのね。」
リアリーがいた。
「驚いたわ。あなた三日間も寝たきりだったのよ。」
「僕が?」
「ええ。」
ランスは驚いていた。
今までそんな事は無かったからだ。
ランスが山賊首領と戦ってから三日も経っていたのだ。
「リアリーさんはフウジに戻らなくても良かったんですか?」
「ええ。隊長に手紙を出しておいたわ。」
ランスは周りを見渡した。ランスの視界におばさんが入った。
「そういえばおばさんはどうなったんですか!?」
「生きているわよ。なかなか体の状態が良くならないのだけど。
三日間一度も起きてないのよ。」
リアリーがそう言った瞬間、
「う、うん・・・」
とおばさんが起きた。二人とも驚いている。
「う、ここは?」
おばさんが周りを見回している。
「ここはルース村です。」
「ルース村?聞いたことがあるような・・・」
リアリーがおばさんに説明するとおばさんは不安そうな顔をした。
「あなた名前はなんと言うんですか?」
「私ですか?私は・・・」
十話ですか、ここまで来たんですね。