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プロローグ ~『新たな冒険の幕開け』~

アリス編のエピソード復習(書籍版の内容)

---------------------------------

①アリスがニコラに弟子入りしたよ

②アリスが強くなって、オークを倒したよ

③国王戦で優勝してエルフ領の女王になったよ

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「先生、朝ですよ」


 窓から差し込む日の光と、弟子のアリスの鈴の鳴るような声でニコラは目を覚ます。瞼を開くと、金髪碧目と整った顔立ちが飛び込んできた。


「いつも起こしてもらって悪いな」

「いいえ、私は先生の弟子ですから。遠慮しないでください」

「しかしアリスもエルフ領の国家主席、女王になったんだ。忙しいことも多いだろ」

「まぁまぁ、今はプライベートですから。仕事の話は気にしないでください。それよりも先生の準備ができたら修行しましょう」

「そうだな」


 ニコラは顔を洗い準備を整えると、道場でアリスと共に汗を流す。単純な筋トレから始め、技の練習や組み手を行う。二人の汗が道場に舞い、互いの実力を高めあった。


「そろそろ昼だな。飯でも食うか?」

「いいですね。私が作りましょうか?」

「懇親会で焼き魚をご馳走になったからな。お礼に今日は俺が作ってやるよ」

「せ、先生が!」

「道場で筋トレでもしながら、出来上がるのを待っていろ」


 ニコラが調理をしている間、アリスは腕立て伏せをしながら時間を潰す。いったいどんな料理が出てくるのかと期待して待っていると、料理皿を手にした彼が戻ってくる。湯気と匂いで食欲をそそるのは、肉や野菜をブツ切りにして炒めただけの男料理だった。


「これが先生の手料理ですか……なんだか先生らしい味のある料理ですね♪」

「それ、褒めているんだよな?」

「もちろんですとも♪」


 見栄えなどの無駄を排除して、効率を重視した料理に、ニコラらしさが現れていた。アリスの口元に自然と笑みが零れる。


「箸はこれを使え」

「ありがとうございます。ではさっそく頂きますね……でもこれが先生からの初手料理になるんですね。記念に持ち帰ってもいいですか?」

「腐ると勿体ないだろ。食べたいならいつでも作ってやるからさっさと食え」

「仕方ありませんね」


 アリスは皿の上から野菜を一切れ掴み取り、口の中に放り込む。塩コショウが刺激となり、素材の味が舌の上で広がる。


「美味しいですよ、先生!」

「山籠もり歴が長いからな。調理にも慣れたものさ」

「これならいつでも良い旦那さんになれますね」

「相手がいねぇよ……」

「えへへ、そんなことないと思いますよ♪」


 アリスはニコラに特定の恋人がいないことを喜ぶように、口元に小さな笑みを浮かべる。気恥ずかしさを誤魔化すように、料理に伸ばす箸の回数が増えていった。


「よく食べるな。そんなに腹が減っていたのか?」

「実は、少しでも身体を大きくするために食事を頑張っているのです。期待していてください。一年後には、オークにも負けない立派な筋肉を手に入れますから!」

「オークを目指すのはさすがに無理だと思うが……まぁいい。アリスはこの後も修行していくのか?」

「特に予定はありませんし、そのつもりでした。先生はどうされるのですか?」

「実は姉さんに呼び出されていてな」

「学園長にですか……」

「シャノア学園に来いとのことだ。クビにしておきながら、いったい何の用だろうな?」

「皆目見当も付きませんね」

「思えば国王戦が終わってからの俺はずっと引きこもりだ。無職期間は半年にもなる。とうとう愛想をつかして、勘当するつもりじゃないだろうな」


 慣れ親しんだ屋敷を追い出されるのはさすがに困る。理由を付けて断るしかない。


「いてて、急に腹が……」

「大丈夫ですか、先生!?」

「腹痛が酷くてな。姉さんに行けなくなったと伝えてくれないか?」

「そんなことより先生の身体の方が心配です。いますぐ我が国から良薬を取り寄せますから!」

「待て待て、大事にするな!」

「でも先生、腹痛を侮ってはいけませんよ。もしかすると胃に大病を患っている可能性もありますし」

「おっと、急に腹痛が治ったようだ! 無事姉さんの元にも行けそうだ」

「……無理していませんか?」

「してないさ」

「……私も心配ですから、先生にお供します。二人で学園長の元へと向かいましょう!」


 ニコラは仕方ないと、シャノア学園へ訪れることを覚悟する。これが新たな冒険の幕開けになるとは、予想さえしていなかった。



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また小説の書籍版は本編に大幅な改稿を行い、WEB版よりもパワーアップしているだけでなく、
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今後の執筆活動を続けていくためにも、よろしくお願いいたします
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