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家族風呂 スカイツリー

「で、何でみんなで入ることになるのかな?」


 己の欲棒を湯船に沈めたタオルで隠しつつ一応ツッコミを入れる。詩季にとっては願っても無い状況だが何も言わないのもこの世界の男子としては異端な気がしたのである意味では予防線といえた。


「一家団欒って奴だ」

「まぁ確かに」


 詩季もそれは否定しない。


「一人ずつだと水道代が勿体ないさ」

「いや、ここって常時掛け流しだよね?」

「全員だと、プールみたいで楽しい」

「冬ちゃん……今度は一緒にプールとか海行こうね!」

「詩季、これも」


 春姫は己のタオルを詩季の胸元を隠すようにかけた。


「え、あ。有り難う」


 何となく次女三女、そして妹の視線が気になっていたが男性の胸もまたこの世界の女性にとってセックスアピールの要所だったということを忘れていた詩季は素直に感謝する。詩季としては気にしないのだがその気遣いは嬉しい。


「良い湯だねぇ」

「そうねぇ。詩季君、お返しに洗ってあげましょうか?」

「あ、だ、だいじょぶ。うん、ありがとう」

「あら残念」


 母親は己の息子の裸体に微笑ましくも背徳的な感情を覚え、年頃の娘たちは男兄弟の姿をチラチラ盗み見ながらも記憶という名のシャッターを連打し脳内録画する。冬美などのぼせて退場を警戒し檜の縁に腰掛け体に湯を時折掛けて長期戦を想定していた。なかなかにエロい年頃少女と言えたがその腰掛け姿は詩季から見ても可憐で美しく、エロいので需要と供給が互いに一致している状況と言えた。


「幸せだぁ」


 上を向けば満点の星空とほんのりと輝く三日月。虫の鳴き声も風情が有る。視線を戻せば妙齢の美女、同世代の美姉三人に発展途上故の危うい魅力の美妹。そんな彼女たちの裸体が視界に入る。極楽、ハーレムだと詩季は興奮を抑えられず密かに股間を撫でる。まさに変態である。

 ただ、思ったよりも湯が熱く、だが先にでるには勿体ないというチキンレース状態に全員が陥っていた。

 そしてそうなるとメインターゲットがのぼせて気を失うのはお約束。冬美はある意味で戦略勝ちであった。


「詩季!?」

「だ、大丈夫っ?」


 裸体のまま引っ張り出されたのだが、その時に冬美から漏れ出た言葉に全員が心の中で同意した。


「す、すかいつりぃ」


 そして続くは当然お笑い体質の二人。


「入場料はいくらさ!?」

「いや、逆だ!」


 倒れた弟に対して最低な姉達である。


「お前たち、馬鹿言ってないでいいからさっさと布団にバスタオル敷け!」


 ただ春姫の場合は長姉として指示を出すもその視線は詩季の股間に釘付けであったのは有る意味で「女としてのさが」であるから仕方ないと言えた。


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