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人身掌握 拠り所

昨晩も更新しておりますので読み飛ばしご注意下さい。明日も同時刻に幕間のホワイトデーネタを投稿します。


本話は暴力表現など刺激的な内容を含んでおります。

次々話の前書きにてダイジェスト版を公開致しますのでそういった話が苦手な方は本話はスルーして頂きますようお願い致します。

 ゴボッ


 社長室。


 紋女の右肩関節の外れる音が響いた。


 普段の節子が持っている社長に対する敬意など、彼女がこの部屋に入る前から既に陰も形も無かった。あったのは殺気のみ。


「あなた……どうしてこうなったか解ってるわよね?」


 紋女は痛みに慣れている訳ではない。そもそも暴力は他者に行使させるものであって、自分に向けられるものだという認識が無かった。


「なん、の、こと、か」


 思い当たることは詩季の事しかない。詩季以外の暦家の面々には詩季と紋女の新たな関係について、まだ明かされていなかった。

 二人で相談し、もう少し準備を整えてから明かそうと決めていたはずであったが、相手は母親、気付かれた可能性も否定できない。


「ふん……洗いざらい、吐いて貰いましょうか」


 ゴガッ


 もう片方の肩も外され、そのまま片手で吊り上げられる。激痛が走るも、紋女も意地で何とか叫び声を堪える。思考が痛みに支配され、うめき声も上げられない、というのが正確なところでもあった。


 激しく鳴る鼓動とこれまで感じたこともない激痛。


「き、きさま、こんなこと」


 許されると思っているのか


 紋女は何とか激痛を堪え睨みつける。

 紋女と詩季の関係を気取られたとしても、それは詩季本人も望んだことであり、二人の交際や性交渉が原因で節子が紋女に暴力を振るえば詩季の怒りは想像するだに恐ろしい筈である。法的にもセーフである。条例としてはアウトではあるが。


「大丈夫よ。関節は沢山有るから。このことから説明して貰えるかしら?」


 そう告げてピラピラと見せた一枚の、画像が印刷されたコピー用紙に、紋女は顔面蒼白となった。







「かいちょ~! 飲んでますかーーーー!?」


 新たにグループ入りした会社の役員達を引き連れ、紋女は夜の東北・地方都市繁華街を練り歩いていた。


 須藤凛を専務としてから紋女は可能な限り日々傘下の子会社を訪問し、飲み会を開いている。


 費用は全部自分のポケットマネーから。親会社を始めとする子会社を含めた株式の大多数を保有するホールディング会社の配当金も有る紋女にとっては小遣いに等しいため、度重なる交流会もなんということはない。


 何よりも領収証の処理が面倒ということが一番だが、子会社にはつき従うメリットがある、と調教する重要性を紋女は知っていた。


 何件目か数えるのも面倒なほど飲み歩く。そして、この日最後の一件となるであろう『ホストクラブ』を貸し切っていた。夕方から飲み始め、既に日など跨いでいた。


「おう! 飲んどるわ! おぬしこそまだまだ足らんぞ! ほれ飲め! 飲め! おい、お前らも盛り上げよ! お、まずはシャンパン持ってこいシャンパン! 気が利かない奴らじゃな!」

「りょーかいです! あ、ピンドン入れていいですかぁ?」

「アホ抜かせ!」

「あ、すみません」


 紋女達一人につき前左右で合計三人付いているがナンバー1ホストは一瞬だけガッカリした。店を貸し切るような太い客かと思えばピンドンは駄目なのか、と。

 が、次の瞬間歓喜の叫び声をあげることとなる。


「こ奴らは我の大事な大事な部下じゃ! そんなしみったれたもん我の前で飲ませられるか! プラチナ持ってこんかドアホ!」

「本当ですか!? 本当ですか!? 本当ですか!?」

「くどい! さっさとせい!」

「あのお客様! 前金でお願いいたします!」


 小売り価格で一本五十万円を超えるシャンパンであり、ホストクラブで飲むとあれば九十、百万円が当たり前の銘柄。

 万が一払えないとなれば大問題となるためマネージャーが飛び出してきた。


「ごちゃごちゃ五月蠅い! さっさと持ってこんかタワケ!」


 封の切られていない札束を鞄から鷲掴みし店員に投げ渡す。紋女も下品だと自覚はあるがパフォーマンスはこの場では必須であった。


 そもそもそんな飲み方をする酒ではないのも紋女は承知しているが、なにはともあれ新たな子飼いの部下をいち早く調教するなら安い物という認識である。


「しょ、承知しました! 少々お待ちください!」

「おぉ!? 俺、初めてです!」

「プラチナ入りましたーーー! プラチナ入りましたーーーーーー!」


 どよめきと共にどんどんテーブルに並べられるシャンパンに、酔ってはいても衝撃を受ける重役達。


 こんな聞いたことしかないバブル期のような馬鹿騒ぎを経験したことは無い。気分はもう絶好調であった。この人となら今より遙か高みに上れる、さらなる贅沢が出来る、何より楽しい! その感情に支配される。


「「「のーめのめのめのーめのめのめのーめのーめのめ! 一気!」」」

「良くやった!」

「あざっす! あざっす!」

「次、おぬしじゃ!」

「かいちょー! おまかせくらはい!」

「「「いっき! いっき! いっき! いっき!」」」

「速いな!? 天晴れ! さぁ次!」

「まってまひたぁ!」

「「「なーに待ってんのハイ! なーに待ってんのハイ! 飲み足りないから言ってんの! ハイ!」」」

「大した飲みっぷりじゃ!」


 子会社重役五名が次々と紋女に乗せられ一気をしていく。

 楽しくて仕方がない。


「よし、次は我じゃ!」

「ナンバーワン! ナンバーワン! ナンバーワン!」


 子会社となったものの、これだけ剛毅で太っ腹な親分なら大歓迎だ、と刷り込まれていく。


 そして一気飲み大会も終わり、各々が目当てのホストを口説き始める自然な展開。


「しゃひょぅ……あのぉ……えっと、このあとわぁ」


 期待しているのであろう、どこかモジモジと身じろぎするオバサンと言って差し支えのない年齢の雌部下に一瞬オエッと来たが紋女は堪えて薄い胸をドンっと叩く。


「わーかっておる! 任せとけ!  戦には軍資金が必要じゃ! 総大将は部下が全力を出せるようにするのも務め! ほれ早く並ばんか!」


 歓声をあげつつわらわらと紋女の前に並び、順々にひざまずき頭を垂れては、またまた出てきた札束をうやうやしく受け取る重役の雌達。


 こやつらにプライドって無いのかのぅ、と少し呆れる紋女。だがどんな駒も使いこなすのがトップの務め。


「宿は取ってある。思う存分、語り合う(・・・・)が良い」


 地元企業でもある重役達は当初、紋女を自分たちが接待するものだと思っていたため紋女のホテルだけ用意し自分たちは帰宅するつもりであった。


 が、実際には逆で、紋女の粋なはからいに歓喜するしかなかった。


 この世界、この国では男性保護法によって男性による性風俗サービスは認可されない。あるのは女性向けの同性愛者または男装や性転換手術済みの女によるサービスだけが認められていた。


 だがそれは表向きの話で、女性が男性を買うこと自体は可能であり、それは出会い系かもぐりのデリバリーヘルスか、表向きは接客・飲食サービス業としてのホストクラブが主流であった。


 つまり、お持ち帰りについては店側は関与せず、ということである。


「よし、出陣じゃ!」

「「「おお!」」」


 紋女もまた、両腕に男二人、この店のナンバー1とナンバー2を侍らせホテルに向かった。


 相手をするつもりはない。だが、自分だけ手ぶらだと部下達が萎縮するのを防ぐためであった。


「じゃあ、われわれはここでぇ~」

「かいひょ~またあひた~」

「おふはれっひた~」

「うむ。存分に談笑(・・)するが良い」


 ホテルに着きチェックインを済ませるとエレベーター前ですぐに分かれる。


 最上階のスイートルームを取っていた紋女は客室選任のバトラーの女性とホスト二人で別なエレベーターに乗る。


「会長さんって、すっごいお金持ちなんですねぇ!」

「悪銭身につかずというからな。使える時に使うもんじゃ」

「かっこい~!」


 バトラーは内心『くっそ、こんな美男子二人でサンドイッチかよ爆発しろ!』と思っては居るが、そこは一流ホテルのプロ、おくびにも出さない。


 紋女は、なんとはなしに上部の移りゆく階数表示を眺める。



 今日は疲れたなぁ。部屋に着いたらさっさとこいつらを帰して寝よう。いや、寝る前に詩季君にメールしたい。夜遅いが正妻予定の我のメールなら、気付けばすぐに返信が来るじゃろう。電話出来そうなら電話越しに……ぬふ。ぬふふ。


 そう夢想していたが故に、勘違いされ、隙も生まれてしまっていた。


「会長さーん、エッチな顔してますねぇ? ふふ、今はこれで我慢してね?」

「は!?」


 その隙を、ナンバー1ホストが突き、紋女の唇を塞ごうとする。


「ぬぉっ! ひっ! 離れろ!」


 咄嗟(とっさ)に、そしてギリギリのところで唇を避け、頬にホストの唇が当たった。


「貴様! 誰に断って! 殺すぞ!」


 紋女の怒りが爆発した。ゴシゴシと頬を服の裾で拭い、睨みつける。


「へ? あ、あの?」

「か、会長さん?」


 男達にしてみればそれはサービスの流れであった。当然これからキスどころではない行為をするために連れてこられたと思っていただけに驚かない訳がない。


 状況的に男達は何も悪くない。せいぜいバトラーが背を向けているとはいえど他者の居る場でキスをしようとしたことくらいだが、普通それは喜びこそすれ怒ることではなかった。少なくとも、世間やホスト達にとっては。


 だが、詩季と関係を持った紋女にとって、最早他の男など眼中に無かった。

 それどころかむしろ、せっかく詩季に染められた己が汚されたようにさえ感じ、不快感しかなかった。


 それは腕を組まれた時からどころか隣に密着して座られた時から始まっていた嫌悪感であり、それがついに爆発したのである。


「もうよい、即座にうせろ!」


 そしてまたまたまた札束を鷲掴みしエレベーターの床に叩きつけ、唖然とするホスト二人とバトラーを置いて開いたドアから出て行くのであった。




 それは、紋女が節子に宙吊りにされる丁度一週間前のこと。





「こ、これ、は……わ、我は、何もしておらん! こやつが勝手に! ふいを突かれただけじゃ! このあとすぐに帰らせた!」


 節子が見せたのは、両手に男をまとわり付かせ、その内の一人とキスをしているように見える画像を印刷したものであった。


 あまりのことに思考が停止し、絶望しかけたが、このままでは拙いと何とか復帰した紋女が叫ぶ。痛みどころではない。ここでしくじれば詩季に捨てられるという絶望の未来しかない、そう確信した紋女は全身の震えが止まらなかった。


「だから?」


 しかし、節子は熱を全く感じさせない、氷のような視線しか向けない。『業火』と呼ばれる女傑は、本当に怒りを覚えたとき、炎と同じく白く成る。


「な、なぜそんなものがある! なぜお主がそんなものを持っておる!」


 紋女の殺気に震える紋女ではない。痛みに体が反応しようと、思考が停止しようとも、恐怖を感じることとイコールではない。


 彼女が畏れることは一つ。


 詩季に捨てられること。


 そして、そのカードを今、何故か他者が握っていること。


「この元がウチのポストに入ってたのよ。無記名の封筒に入ってね」


 節子はピラピラとそれを紋女の前で揺らす。


「な、それじゃ」


 詩季君はまだ見ていない、のか?


 紋女が知りたいのは、突き詰めればそれだけであった。


 もし知らないのであれば、見ていないのであれば、目の前の女に土下座でも靴舐めでも、それ以上の辱めだろうとも喜んで受け入れるほどに追いつめられていた。


 それだけ紋女にとって、詩季は唯一無二の存在となっていた。


 紋女にとって、詩季が居ない人生などすでに想像出来ない。

 あの暖かく、優しく、時に悪戯小悪魔のような少年に、骨の髄まで魅了されていた。相手の不義の誓いを受け入れ許さざるを得なくなるほどに。それで彼の笑顔がそばに有るなら、と。


 彼の笑顔と共に生きる以外の人生を紋女は選ぶことなど有り得なかった。


 なんなら詩季とどこか遠い国でのんびり暮らす事も考えたこともある。

 だが、それは詩季が本当に求める生活ではない、その笑顔を曇らせるなど有り得ない。


 元々歩んでいた覇道を突き進むことこそ詩季と共に歩むことが出来る唯一の道だと、彼にとっての自分の利用価値だと、そう紋女は思い直し、企業の拡大に勤しんでいたのだ。


 いつしか紋女は、復讐など二番目の目標となり、一番は詩季の幸せのために日々努力していたのである。


 最愛の人と、想いを通じ合わせた。

 何よりも、代え難い時間を過ごし、愛を囁かれ、満たされ、幸福の絶頂だった。毎日が、すべてが輝いてさえ見えた。


 だが、節子の言葉に絶望した。


「詩季君が第一発見者よ。って、うわ、なっ!?」

「ぁあわあぁああああああああああああああアガアアアアアアアアぎゃあああああああああああああああ!」


 関節を外されてさえ叫ばなかった紋女の慟哭が暴力のように一気に社長室を支配する。


 その凄まじい迫力に節子も手を離し、後ずさってしまう。


 紋女は生まれて初めてなほどに錯乱し、全身を暴れさせ、床をのたうち回った。


 まさに天国から地獄。


 皮膚をこれ以上無いほどに真っ赤にさせ血管を張ち切れんばかりに浮かび上がらせ、涙も鼻水も、涎も、そして小水さえも垂れ流しては頭を振り回す。自由な両足どころか抜けたはずの肩もどうやってか振り回し続ける。


 まずい!


 頭を全力で床に叩きつけ始めた時点で節子も慌てて紋女を止めに動く。


 言いたいこと、確認したいことはまだまだ有る上に、今は詩季の母親として接していた節子であるが、相手はなんだかんだ言っても恩人であり家族のようにここしばらく暮らしてきた相手である。


 いずれは詩季と関係を持つであろうことは予想していたし、母親としては切ないことではあるものの覚悟も徐々にだがしていた。

 ここまで追いつめるつもりなど微塵も無かった。


「落ち着いて!」


 発狂したとしか思えない紋女を落ち着かせようと何とか後ろから羽交い締めにする。頭を数度、全力で床に叩きつけているため額の皮膚が変色していた。


「落ち着いてください! 大丈夫、大丈夫です! 詩季君は社長のこと、嫌ってなんか居ません!」


 何度もそう呼びかけ、それでも聞く耳どころか全く余裕の無い紋女が暴れ続ける。


「どうしました!?」


 そして異変にいち早く気付いた専務である須藤が駆けつけた。

 紋女を拘束し、他の社員には気付かれないよう社長室の前に須藤凛が立って封鎖するとともに、節子は詩季に連絡を入れるのであった。






「紋女さん」

「……ぁ」


 そして、体力を欠片も残さず暴れ、手足をテープで拘束、舌を噛み切らないようにとタオルで猿ぐつわされた紋女を見て、詩季は脱力した。


「どうして」


 事情は入室するまえに、紋女の拘束を終え手が空いた節子から聞いていた。

 だが、詩季のその問いかけは、紋女にとっては『どうして浮気したの?』と責められていると受け取り、死にたい、という言葉にならない絶望が生まれる。


「いや……大丈夫?」


 大丈夫な訳がない。が、さっと言葉が出てこない。


 詩季は紋女の口の拘束を外す。

 瞼さえ動かさず、詩季を死んだ魚のような目で見返す紋女に、詩季の後方で控えていた節子は引いていた。

 あれほどの女傑が、身体こそ小さいが、あれほど巨大に見えた経済界の怪物が、今は全く生気を感じさせない死体のようであった。


「紋女さん」


 口が自由になろうとも、死んだ目で何も話そうとしない寝ころんだままの紋女を呆然と見る。


 一代で大企業を築いた女傑の姿はそこにはなかった。地に這い蹲った、死にかけのような何かが横たわっていた。


「紋女、さん」


 なんでここまで紋女が憔悴しているのか。たかがキスシーンの画像を見せられただけ、それを自分が見たということを伝えられた、とそれだけで何故。


 自分に知られたからと言って、これから何人もの女性に手を出すと宣言している身として、紋女の浮気禁止を約束こそしているが文句を言えるはずがないのに、と。


 その答えは本当は解っている。


 それはあくまで詩季自身だけの理屈でしかない、と。

 自分が、紋女にとってそれだけ大事な存在だ、という事実だけが理由だから。

 感情では理解出来たが、それは罪悪感とともに理屈としての理解を拒んでしまっていた。


「紋女さん」

「ぉめんはひぃ」


 何度かの呼びかけに、ようやく出た紋女の掠れた声での謝罪に詩季は自分の迂闊さを後悔した。

 彼女は罪だと認識していた。それも許されるような罪状ではない、と。


「謝らなく大丈夫だよ」


 しかし詩季の想いはまだ紋女には届かない。

 そして、謝らなくても良い、というのは自分には価値が無いと通告されたように紋女は感じてしまった。


「ぉめんなはぃ ぉめんなはぃ ぉめんなはぃ ふてはぃへ」


 ごめんなさい 捨てないで


 必死に詩季に向かって謝罪し這い寄ろうと身をよじらせる紋女。


 赤黒く痣を作った顔面を鼻血と汗と涙、涎で汚し、何本も髪をこびりつかせ惨めに詩季に近づこうとする。


「捨てないよ。絶対に。紋女さんのこと、あんなこと位で嫌いになる訳ないじゃない。何があっても嫌いにならない。大好きだから。愛してる。だから安心して」


 詩季の言葉をやっと、少しだけだが本能で理解した紋女の表情に、瞳に、生気が差した。


「しばらく二人だけにして」


 見守る節子にお願いし、節子も無言で頷いて退室した。


 二人きりとなった社長室を静寂が満たす。


「紋女」

「しき……くん」

「大丈夫だよ。大好きだよ。紋女」


 詩季に抱きしめられ、撫でられ、徐々に正気を取り戻す紋女。


「あぁ……しき……しき」

「紋女。愛してる」


 そして、重なる二つの唇。


「僕が紋女のこと、どれだけ愛してるか。何度でも教えてあげる。絶対に忘れられないくらいに、教え込んであげる」

「し、き……く」





 この後、滅茶苦茶セックスした。






 誰がその封書を投函したのか。

 正気に戻った紋女は怒りに任せて全力捜査するのだが、予想通りの敵でしかなかった。


 この事件は、大きな一つのきっかけとなる。


 紋女にとっての人生の目標は第一に詩季と詩季の笑顔。第二に復讐。


 それは変わらないものの、注ぎ込まれるエネルギーはどちらに対しても倍増する事件(きっかけ)となるのであった。



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