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Brave Soul Online  作者: Sachiel
9/10

Sence 9 ~トレイン~

「助けてくれぇえええええええええええ!!!!!」


叫び声を聞いた俺たちは反射的にそちらの方角を確認する。

そこには明らかの他のオークとは一線を画する体格のオークが居た。


「マジかよ!オークキングだ!なんでここまでトレインして来てんだ!」


ロスが叫ぶ。

たしかに、オークキングはここからかなり離れたところにいる

ボスモンスターだ。

ここまで逃げ切ったということは、キング以外にも大量のオークを

トレインしてきている可能性もある。


「まずいな。俺たちじゃどうしようもないぞ。

 いくらなんでもメンバーが少なすぎる」


ロスが苦渋に満ちた顔でそうつぶやく。


「でもこのままじゃあの人死んじゃうよ!助けてあげないと!」


「第一こっちに向かってきてるしな。全員が生きて帰れる方法を考えないと」


「俺の盾もキング一匹ならまだしも、取り巻き全員までガードするのは無理だ」


「キングだけならまだいけるのか?取り巻きをなんとかすれば行けるか?」


「逃げるだけならな」


取り巻きを何とかする方法か。俺やアカネが遠距離攻撃で一匹ずつ釣るか?

いや、時間が足りなさすぎるな。そこまでロスが耐えきれるか不明だ。

しかし考え方自体は間違っていない気がする。

重要なのは叫んでる奴と俺たちがリンク外まで後退することだ。

キングは集落外までは追ってこないからな。

そして問題は、トレインしている距離が縮まりつつあり、このままだと彼は

圧殺されてしまうこと、そして俺たちの方へ進行してきていることだ。

俺ならキング以外ならなんとか撒けるか?この中じゃ一番足が早いしな。


「よし、俺がオークをまず全員釣る。その後、ロスが挑発で

 何とかキングだけ引っ張ってくれ」


「お前はその後どうするんだ?」


「オーク引き連れたまま何とかリンク外まで逃げる。

 幸いここは出入口が2つあるからな。お前はキングを引っ張りつつ3人でリンク外へ、俺はオークを引き連れてもう一方のリンク外へ向かうってことだ」


「え!それだとソラは一人じゃん!危ないよ!私も一緒に・・・」「だめだ」


「理由は簡単、お前は移動速度が遅いから、万が一オークに接敵した時に助けられない。そしてキングと戦うロスも回復役がいたほうが安心できるだろう」


「そうだな。俺もキングとサシでやりあうのはゴメンだ」


「そういうことだ、納得してくれアカネ」


「しょうがないか。絶対危ないことしないでね」


「自分の実力はわきまえてるつもりさ、無理なことはしない」


「よし、それじゃあ始めるか。生きて帰ろうぜ」


最後の言葉と共に俺たちは頷き、キングの方へ向いた。

頼むぞロス、アカネを守ってくれよ。


「よし!そこのお前!!リンク外にでてタゲを外す!

 俺たちがモンスターを釣るから、そのままこちらへ向かってこい!!」


そう叫んで俺は一度後退し、オーク達と距離を取る。

これからやるスキルは助走が必要だからな。


「分かった!!!もうスタミナが限界なんだ!助かる!!」


「それじゃ行くぞ!」


俺は一気に距離を詰め、ちょうどロスがキングに挑発できる位置になる直前にジャンプした。


「<地鳴り>!!!」


かなり高くジャンプし、そのまま大剣を地面に叩きつける。

地鳴りは周囲の敵に微量のダメージと共に、若干の硬直を与えるスキルだ。

今回は微量なダメージが重要で、オーク達は俺がFAファーストアタック

となるため、ターゲットは俺にくる。


「アカネ!キングに攻撃魔法を撃ってくれ!」


「了解!」

急いでアカネが空中で魔法陣を描き、単体攻撃魔法が発動する。


-Holy Light-


まばゆい指向性をもった光がオークに直撃し、ダメージを与える。

これでボスだけは他のやつより多いダメージを受け、アカネの方をターゲットにする。


「ロス!後は頼んだ!」


「おう!まかせとけ!」


ロスはキングがオークの集団から離れた瞬間を狙い、キングに挑発をかけた。

あとはお互いが後退しながらリンク外まで逃げるだけだ。

さて、途中に他のプレイヤーが居ないといいが・・・


「<ダッシュ>」


俺はオーク達と付かず離れずの位置をキープし、逃げる方向に

モンスターが居た場合は時に迂回し、またプレイヤーが居ないかどうかを確認しながら集落外まで逃げた。


あとはアカネの方がどうなってるかだが・・・

フレンドリストを見てもグレーアウトしていないし、

逃げ切れていると信じたい。


ウィスパー(囁き、Tell)だけ出しておくか。


『アカネ、こっちは逃げ切った。まだそっちの状況がわからないから

 無理に返答しなくて良い。逃げ切れたら連絡をくれ』


ウィスパーを出した後、集落の外周からアカネの方へ向かう。

しばらくした後、ウィスパーが飛んできた。


『こっちも逃げ切れたよ、これからどうすればいい?』

『今そっちへ向かってる。すこし待機しててくれ』

『分かった』


よし、さっさと向かうとするか。

足取り軽く、やや急ぎ足でアカネの元へ向かった。


なかなか話が進まない・・・

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