Scene 7 〜ジークとロス〜
セリフが連続するので、誰のセリフか解りづらいかもしれません。
要望があれば以下のどちらかで対応しようかと思っています。
・セリフの前にキャラクター名をつける
・話の合間合間にソラの考えを挟む
といっても小説見てる人いるのかどうかわからないですが
「おはよう!おふたりさん!今日も熱々だな!」
開口一番これである。照れて空を流し見る俺、冗談と思って流すアカネ、ちょっと悲しい。
無精髭を生やし、二の腕の逞しい彼はジークという。武器のクリエイターであり、俺やアカネの武器を作成してくれている。
「おはようジーク、依頼の鉄鉱石40個ね」
「いつも感謝するぜ!依頼料の 4400 Soulな!ちょっと色つけといたから今後もよろしく頼むぜ!」
「ありがとジーク!今後ともよろしくね!また武器の作成お願いするかも!」
清々しいほどの笑顔でウインクをするアカネ、デレるジーク。
「おうよ!ソラもちょっとは愛想良くなりやがれ。色つけてやんねーぞ!」
「何事もほどほどが一番だよ。俺がお前に愛想振りまいてみろ。気持ち悪いだろ。」
「確かにそうだわ!ガハハハ!」
他愛無いやりとりを終え、武器の整備をしてもらった。
「そしたらまた何かあったらいつでも依頼してね!」
アカネがいつものように挨拶をし、ジークと別れた。
さて、今日の依頼は何だったか。
「今日の依頼は?」
「えっと、ハイオークが落とすオークの証を20個納品だね!」
「ハイオークか。あいつの一撃は重いからタンク役が欲しいな」
「じゃあちょっとロスに連絡してみるね」
ロスは俺たちが知り合った開拓組のプレイヤーだ。
最初出会った時はアカネにちょっかいをかけている印象もあってあまり好きではなかったが,今ではその性格にも慣れ、友人のような存在である。
「おっけーだってさ。待ち合わせはハイオークの出るグラの森だね」
「よし、そしたら準備して向かうか」
街で回復アイテム等を補充し、俺達はポータルから森へと向かった。
BSOではダンジョンや街には石碑があり、それに触れることで街の石碑から行き来が可能となる。
今回向かうグラの森も中位のダンジョンであり、俺達は以前石碑に触れていたため、そのまま向かう事ができる。ちなみに道中のフィールドはアクティブモンスターのグレイウルフが多く、トレイン(モンスターを大量に引き連れる事)気味になるので面倒だ。
あそこに居るのはロスかな?あの白銀の鎧は間違いない。
こちらに気づいたロスが話しかけてくる。
「お、アカネは今日も可愛いな。誘ってくれてありがとう」
「はいはい、お世辞をどーも。来てくれてありがとうね!」
いつものようにロスは軽い挨拶をした。
「よう、お前は攻略組だってのに暇なもんだな」
「せっかくのアカネの頼みごとだからな。多少の無理は問題ないさ」
「相変わらずだな・・・」
「お前も相変わらずアカネと一緒に居るのな。今度俺にも貸してくれよ」
「アカネは物じゃないよ。それこそアカネに聞いてみるといいさ」
「ロス君軽いからなー・・・、食べられちゃうと怖いかな(笑」
「こりゃ手厳しい。まぁいいさ。今日は俺の勇姿を存分に見せつけてやろう」
タンク型といっても、様々な型が存在する。基本的には挑発スキルを使用し、敵のヘイト値を高めることでターゲットを維持するが、大きく分けると自身のHPや防御力を高め、攻撃を受け続ける盾と、素早さを上げ、敵の攻撃を回避し続ける回避盾がある。
デスゲームとなったこの世界では、回避盾は極端に少ない。当たり前だが、一撃食らうと即危険域に達する上、盾が瓦解するとPTが全滅する危険もあり、PTを組む上でもあまり好まれない。
こういった要因から回避盾は少ないが、開拓組のハイロゥの様に、存在しないわけではない。彼の場合、噂では一度もモンスターから攻撃を受けたことがないらしい。
といってもこれは特殊な例だ。勿論、この白銀の鎧を纏ったコイツも攻撃を受け続けるタイプの盾だ。
しかも大盾という、両手持ちの盾を使用しており、ガチガチのタンクである。
「大盾持ちでどうやって勇姿を見せつけるんだか」
「全ての敵は俺が惹きつける。体を賭して守る行為は勇姿そのものだろう」
「はいはい。存分に勇姿を見せつけてくれよ。期待してるぞ」
「おう、任せとけ」
そんな会話を続けながら、俺達はグラの森へ向かう。