Scene 3 〜ログイン〜
「よし、ログイン成功っと」
すげえな、どこの中世だよ。俺は周りを見渡して、美しい光景に目を疑った。
石畳の広がる公園に、それを取り囲むように広がるレンガ造りの家。
それぞれが厳かな雰囲気を出しつつも周囲と一体となって存在している感じである。
人も限りなく多い。発売当初というのもあって、もうそれはそれはごった返している。
これで茜見つかるか・・・?
「とりあえず一番目立つ建物はっと・・・、あそこの協会か?」
他の建物に比べひときわ大きく、十字架が目立つ建物があった。
とりあえずここでいいかと思い、入り口でしばらく待ってみる。
「でもやっぱりここも人多いな・・・絶対会えない気がする」
「おーい!おーい!」
遠くから手を振りながらこっちに来る茜色の髪の女の子。プレイヤー名は・・・「アカネ」である。
「おま!名前そのままかよ、いくらなんでも単純すぎだろう。てかなんで俺って分かったの?」
「そりゃ多少変わっても零くんは零くんだよ。このゲーム内ではソラくんか。良い名前だね!」
「分からないように変えたつもりなんだけどな。んじゃまぁ、これからどうする?」
「とりあえず友達登録をしよう!そして街を色々見て回ろ!」
「了解、街といえば全体的にクオリティ高いよな」
「だねー・・・この風景がすごいきれいなところも気に入って、ソラくんを誘ったんだ!」
「そりゃ有り難いことで」
少し照れながらもそう返し、友達登録を送った。