Scene 2 〜Brave Soul Online〜
Brave Soul Online
戦闘や生産、その他様々な要素をふんだんに取り入れた、最近発売されたVRMMOである。
謳い文句は「その勇気、魂に刻め」
特徴すべき点として、全ての要素は”Soul”と呼ばれる通貨のようなもので成り立っていることだろうか。
敵を倒すとSoulが手に入る。Soulはステータスアップのためのポイントとしても、武器防具を買うための通貨としても利用できる。
戦闘は至ってシンプルである。プレイヤーは特定のモーションを行なうことで自動でスキルが発動する。勿論、発動してほしくないスキル等は先に設定することで発動しない。
例えば剣のスキルなら、左|(右)斜め45°に切っ先を向け、それを右|(左)上に振り上げることによって【切り上げ】が。逆の軌道を描くことで【袈裟斬り】が発動する。
魔法スキルの場合、印を結ぶというか、空中や地上で一筆書きを行なうことで、対応した魔法が発動する。職業というのも存在せず、プレイヤーは自由にスキルを組み合わせて楽しむことができる。
とまぁ、こんな具合である。
発売日当日、俺と茜はゲーム売り場に並んでいた。
「人多いねー、発売前からだいぶ噂されてたし、今年の夏最大のタイトルかもね」
「そうなのか?でも確かに人多いな。総プレイヤー数はどれぐらいになるんだろう?」
「予想では10万人前後らしいよ。他のVRMMOが大体3~5万人程度だから、すごいよね!」
「これで夏休みは目一杯遊ぶぞー!!!」
俺はこの幼なじみのダメダメな夏休み生活宣言を聴きながら、ゲームを買って家に帰った。
そして、VRGEARを起動し、茜と通信する。
「よし、そしたら起動しよう!待ち合わせは最初のログイン地点で一番大きな建物ね!」
「そりゃまたアバウトな・・・了解、ちなみにどんなスタイルにするつもり?」
「一応ヒールもできる近距離職がいいかなー」「殴りアコかよ(笑」
「まぁなんでもいいでしょ!じゃあまたSBO内で!」
「了解」
ゲームを起動してみる。
「・・・ようこそ、Brave Soul Onlineへ。このゲームはVRMMOと呼ばれ、仮想の世界を過ごすゲームです。皆様は・・・」
「それでは、プレイヤーのアバターを設定します。身長や年齢、顔つきなどの様々な項目が設定可能ですが、あまり現実と違いすぎると違和感があるかも知れませんので気を付けてください」
よし、アバターか。適当でいいだろ。身長は変えずに、あんまりイケメンすぎず、リアルを特定できない程度に弄っとくか。
俺は目尻や鼻、口元等を少しだけ弄り、髪の色を空色にして決定を押した。
「次に、プレイヤー名を設定してください」
んー・・・、プレイヤー名か、茜は何にするんだろうか?茜・・・アカネ?単純すぎか。
零からなんか無いかな。零・・・ゼロ・・・レイ・・・空・・・ソラ・・・ソラか。
茜色に染まる空を想像し、少し苦笑いを浮かべながらもプレイヤー名を【ソラ】とした。