魔界・次元の歪み
そんな、わたしたちは
しあわせに生きているのかな...なんて
ほのぼのとしていた。
そうしている間にも、書架の整理をしているめぐ、に
本のある場所を尋ねる、急ぎ足のひとが居たりして。
めぐ、も一生懸命に探すのだけれども
一冊の本を、蔵書の中から探し出すのは
結構大変だ。
急ぎ足の人、は
勤めの帰りに来ているのかな、時間が無いのかな....。
わたしは、思わず「その本でしたら、2階の資料コーナーのはずです」と
お節介をしてしまって。
その、急ぎ足の人の頭上に、悪魔くんが憑く機会を狙っているような(w)
そんな気がして。
その人は、しかし「君は?」と、訝しげな表情。
わたしも、ちょっと失敗だったかな、と思いながら
「ここで働いていた者です、すいません、この子、まだ慣れていないので。」
と言うと、不満げな表情で、その人は踵を返し、二階へ。
後姿に、悪魔くんの笑顔が見えた気がした(w)
「ありがとうございます......。ここで、働いていたのですか?」めぐは
安堵の表情で。
「うん....わたし...ほら....もうひとりのあなた、だから....。」わたしは
ちょっともどかしく。
めぐ、は
にっこり笑って、さらさらの前髪を右手で撫でて
「そっか。そうでした。....ああいう時って、いちばんニガテ」と。
そう、わたしもああいう、イライラしてるひとってニガテだ。
それは、いまでもかわらない。
いまは、ちょっとふてぶてしくなったから(3w)
勝手にイライラしてて、しらないわ、わたし。
なんて思うんだけど。
ああいう人たちに、悪魔くんが憑いてるって思うと
ちょっと怖い。けど。
次元の歪みだったら、この世界だけじゃなくて
わたしたちの住んでいる「もうひとつの」世界にも
悪魔くんは来てるのかも.....!?
「時間のある時に来てほしいわ」と、わたしが言うと、めぐは
「はい....いろんな方がいらっしゃいますね。」と、にっこり。
わたしは、彼女に天使が宿っている、そんな気がした(w)。
ハイスクールの頃のわたしって、あんなだったのかなぁ.....。
もう、戻る事って出来ない、んだけど。
めぐ、みたいに
かわいくなりたい....な。
そう、心の中でつぶやきながら、わたしは
めぐの仕事がスムーズに進むように、遠くで見守っていた。
ルーフィも、いつのまにかわたしの近くに来ていて「いい子だね、あの子」
「うん....。なんたって、わたしだもん」と、わたしが返事すると
ルーフィは、にっこりして「そういう君って、とってもかわいい。」
そんな事いわれると、うれしくなっちゃうな。
「でも、どうして悪魔くん、ってこの世界から戻らないのかしら」
「戻り方が分からないのかもしれないね。」と、ルーフィ。
「彼らだって、魔界にいれば、あれがふつうなんだよきっと。」とも。
そっか....。
あの、イライラしてる人や、さっきのアジア人っぽい人も
あの人たちの世界が、あるのかもしれない。
それが、ひょっとしたら魔界と、人間界の中間にあるのかしら...。
そんな風に想像した。
「魔界が好きな人、っているのかしら」と、ルーフィに尋ねると
「いるかもしれないね。好戦的なひと、とか。
そういう人って、言ってみれば魔界との間にある[次元の歪み]が
自分自身だって気づいていないんだよ。」と、ルーフィ。
魔法で、なんとかならないのかしら......。?