ひんやり
それを、彼女に伝えようとして
わたしは、ひんやりとしている図書館の空気を
頬に感じながら
まるい柱で吊られている、天井と
壁の間の書架、その隙間にある通路を
歩いていった。
ルーフィの魔法が解けていたせいか、
すこし、歩きやすいような
そんな気もする。
コンクリートのに、直接フローリングが
貼られている床、歩くと
リアルに固い感触があって、それで
ここの図書館だと、わたしは
古い記憶を呼び覚ましながら。
カートの行方を追った。
工学のコーナーに、めぐ、は居て
慣れない、理科系の本を
書架に戻そうとしていた。
それも、分類コードを覚えれば
簡単なのだけど
まだ、はじめてからそんなに
日が経っていない、らしい。
.....わたしは、誰に習ったのだろう?
そう、回送したけれど
ぜんぜん記憶が無い。
...もしかすると.....。
こんなふうに、どこかから来た
もうひとりのわたし、に
習ったのかしら?
だったら、楽しいかな。
カートに追いついて、めぐ、に
分類コード順に並べておくと、楽なこと、とか
返却する時も便利、だとか
いろいろ。
「ありがとうございます、たすかります。」
そんなふうに、素直なめぐ、は
とってもかわいい(にこにこ)。
女の子なのに、なんだか愛しちゃいそう(w)。
静かな、静かな図書館。
音がとても響いてしまうので
ここの図書館は、天井の一部が吹き抜けになっていて
2階から、3階までの空間が一緒。
それで、2階・3階が絨毯敷きになっていて
音を吸う仕組みになっている、と
わたしも、教わった覚えがある。
だから、小さな子が
少しくらい騒いでも平気なように、と
考えられている、らしい。
...そういう事を、司書さんに聞いた記憶が
あるんだけど。
あの司書さんは、どこに行ったの?
それとも、時空が違うから、いないのかな?