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魔法使いルーフィと時間旅行記者  作者: 深町珠
めぐ:3年前の異世界のわたし
6/1813

過去へ

その子は、おとなしく

お掃除を続けて。

学校のチャイムが鳴ったので、ホームルームに戻った。


しばらくすると、みんな、楽しそうに

学校から帰る。

歩いて、並木道を行く子もいれば

スクール・バスに乗る子も居て。


「あの子」の姿が見えないね、と

ルーフィが言うので


わたしは、ハイスクールの頃の記憶を辿る。



「たぶん....学校の図書室に行って。それから、町の図書館に行くんだわ。」



「本が好きなんだね。」と、ルーフィ。



そう、ひとりで本を読むのが好きだったので

カレッヂに行って、本に関わる仕事がしたい、そう思ってた

ハイスクールの頃。


司書のお仕事をしてみたくて、町の図書館でアルバイトをしたんだっけ。



「じゃ、学校の図書館に行ってみよう。」と、ルーフィが言うの。


入れてくれないよ。


そう思うと、ルーフィは、右手をふんわり、と宙に泳がせると

きらきらした光の粒が、わたしにふりそそいで。




気づくと、わたし、ハイスクールの頃の姿。

少し、背も低くなったみたい。


「これって....?」



「うん、時間を少し呼び戻したんだ。ほら、4次元って時間も伸縮するから。

きみの空間だけ、少し回りと違ってるんだ」と、ルーフィ。


気づくと、ルーフィも少年っぽい姿になってた。

ブルー・ジーンズにスニーカー。

Tシャツに、デニムのジャケット。



「ワイルドだぁ」と、わたしが言うと


ルーフィは、ちょっと恥ずかしそうに「なーんとなくね。イメージさ」。


魔法なの?それも。


その格好で学校の図書室に入ると、誰にも気づかれる事もない。

イギリス人のルーフィも、ここでは別に怪しまれる事もなかった。

イギリス人は、海を渡って

この町にも沢山住んでいる。


けれども、ルーフィはイケメン(w)なので

図書室でも、めざとい女の子たちは、彼の存在に

「転校生かしら?」「すてきぃ」などと

ひそひそ。


おかげで、わたしも目立ってしまうので(笑)


書架に隠れるように。


「ほとんど探偵ごっこね」

冷や汗半分の、わたし。




「ホームズ君、かな」と、ルーフィはこんな時でもユーモラス。





書架の隙間から見え隠れする

閲覧テーブルに、「もうひとりのわたし」の姿は

見えなかった。


そうして、静かに様子を伺いながら書架の間を

歩いていると....。



Ouchi!


「あ、ごめんなさい」と、わたしは

反射的に謝ってしまったけど


当たった人も、同じように

「ごめんなさいっ!大丈夫ですか」と....。



当たった相手は、「この世界の」わたし、だった....。


彼女は、じっ、と不思議そうにわたしを見た、それで、少し

俯いて頬を染めて。


「....ほんとに、ごめんなさい...あたし、そそっかしいから....。」


ちょっと茶色っぽく見える、さらさらの髪は

短く切り揃えられて、可愛らしい。


わたし、の、分身(?)だと言うのに

なんとなく、わたしも、どきどき....しちゃった。


どうしてなんだろ、ヘンな感じ。



俯いたまま、黙っている彼女が

なんか、痛々しいくらいに愛らしくて

わたしは、抱きしめてあげたくなってしまった。

けれど、彼女はわたしが「もうひとりの自分」だとは知らないから


いきなりそんなことしたら大変だ(笑)。


ああーん、もぅ。もどかしいなぁ(w)。


とりあえず、お話しよっか。「あたし、マーガレット。みんなはMegって呼ぶわ」と

言ってしまって、あ、バレちゃったかな。と思ったけど


彼女は、顔を上げて。「.....はじめまして...。わたしも、めぐ、って呼ばれてるの。

不思議。あなたと、出会って。初めてな気がしないの。

どきどきする。どうして?....。」



その、彼女の、(というか、もうひとりのわたし)が、なんだか

たまらなく愛しくて、わたしは初対面の彼女を引き寄せてHugした。


「あ」


めぐ、は

ちょっと、ためらったけれど。でも、拒絶はしなかった。


「どうして.....?こうしてると落着くわ...あなたは誰なの....?」

彼女はそう、ささやいた。


暗い図書室の書架の奥、誰も来ないとこ。


ヘンテコなロマンス(笑)!しかも、相手が自分だなんて.....。



あなたは誰?と

尋ねられても、ちょっと困るわたし。

でも、名乗ってしまったので。


「わたしは、もうひとりのあなたなの。」と言うと

めぐは、わたしをじっと見て....。



「どこかで会ったような、そんな気がしたけど...そうなのねMeg。

あなたって、もうひとりのわたし.....。」


「驚かないのね。」その事に、わたしの方が驚いた。



ふつう、同じ顔の自分がもうひとり、いたら(髪型や、雰囲気は違ってても)

もっと驚くと思うけど.....。



「うん。あたしって、お話を読むのが好きだし。いつか、お話みたいな恋、

してみたいって思ってたけど。それが....もうひとりのあたしとの恋、なんて!

ステキだわぁーーー。」


こっちの世界のわたし、は、ちょっと夢見がちで軽い、のかしら(2w)と、思ったけど

でも、ハイスクールの頃のわたしって、こんなだったかもしれないわ。


そう思っていると、書架の向うに居たルーフィが、こちらに歩いてきた。



「はじめまして、お嬢さん。わたしは、Roofy。Megと一緒に、隣の世界から来ました。」



「っちょっと、ルーフィ!、そんなこと言っていいの?」わたしは、慌てた。



ルーフィは、ささやき声で「魔法、とか、なんにも言ってないもの。それに、[めぐ]は

君じゃない?それなら大丈夫さ」


そういうもの?(笑)。


わたしたちを見比べて「わぁ!じゃ、ルーフィさんは執事さん?あたしもほしーなぁ、

ステキなカレシ、じゃなかった執事さん!、よろしくね、ルーフィさん!」と、めぐ。


...こんなに、わたしってかわいい子だったかなぁ?(3w)と、思ったけど。

そっか、ここは違う世界なんだわ。

いつもの時間旅行じゃなくって。

次元も飛び越えてしまった。


だから、ちょっとだけ、わたしと違うのね。



ルーフィは、にこにこ「はい。では。あなたとご一緒しましょうお嬢さん」と

すまし顔で言うので、めぐはにっこりと、うなづいて「はい!あ、そっだ。これから図書館の

バイトなの。ごめんなさい、行ってきます。」と

言うが早いか、踵を返して学校の図書室から飛び出していった。




「台風みたいな子だなぁ...あれ、ほんとに君?」とルーフィ。

でも、にやにやしちゃって。いつものルーフィじゃないみたい(4w)


「ウワキ者。」って、ルーフィのスニーカーを踏むふりをしたら....


ルーフィは、す、と避けて空振り(2w)。「いいじゃない、あの子は君なんだもん。」と

わけのわからない言い訳をする、ルーフィに

なんとなく、いいくるめられた気もする(w)



でも、そういえば。あの子ってわたしと似てるから

これって、ウワキじゃないのかしら....(?w)






それから。

めぐは、スクールバスに乗って

町の図書館に向かった。


わたしたちは、学生証を持っていないし

運転手さんって、意外と生徒の顔を覚えてる。

だから、わたしは別にしても(めぐ、に似てるから)。

ルーフィは、不正乗車(?w)で、捕まってしまうかなぁ。


そう思ってたら「こうすれば」って、ルーフィはぬいぐるみに戻って

バッグに収まった。



ま、いっか。わたしはMeg、だけど

こっちの世界だとめぐ、なんだもの。


同じ名前だし、たぶん...住所も一緒。

顔も同じ。

髪型は違うけど。


性格も....かなり違う(3w)。



「どうしてなのかなぁ、でも....なんか可愛くてHugしちゃったけど。」と、わたし。


「そういう趣味だったとは」と、ルーフィが笑っている。


「こら!ぬいぐるみはしゃべらないの。」と、わたしが言うと


ルーフィは「こっちの世界でもそうなのかなぁ」と。




....そういえば、そこまで気にしてなかった。

見た目、ふつうの3次元世界だけど。



どっかしら、違ってるかも。





次の、スクールバスが出る時間らしく

赤いお屋根のかわいいバスが、Uターン。


わたしも、ちょっとドキドキだけど。

スクールバスに無賃乗車(なのかなw)。



運転手さんは、太ったおじさん。

白い半袖のYシャツで。

ひとのよさそうな感じ。


なので、気にしていないみたい。


わたしは、ルーフィをバッグにいれたまんま

タラップを上って、スクールバスの後ろの方の席に向かった。


知らない子ばっか(あたりまえだけど)。


ほんとに、別世界なんだわ....。と、思った。

わたしの通ってた、ハイスクールなのに。



でも、どこかしら違う。


こんな事って、あるのね....。これが、「二重身」とか、「幽体離脱」なんて

思われてる事なのかしら。


こういう記憶が「既視感」なのかしら。




物思いに耽ってると、どこからか声が「めぐ!あれぇー、さっきのバス乗んなかった?」


知らない子(!?w)


そっか.....わたしと「めぐ」を見間違えてるんだわ.....。


同じ顔だから当然か。



....どーしよ....冷や汗背中どーーー(4w)




その子は、親しげにわたしに手招きして「あれ?髪型変えたの?いつ?」



....しまったぁ(!)  こっちの「めぐ」はショートボブだけど。

わたしはロングを素っ気無く束ねてて。





....どーしよ....冷や汗背中どーーー(7w)






「あれ、かばん忘れたの?トートバッグしか持ってないじゃん」と、その子。




チャンス(!)「あ、忘れちゃった、取ってくるー」って、わたしは「めぐ」の口真似して

タラップを駆け下りて。



ハート、どきどき(10w)。




「たすかったぁ」と、わたしは

スクールバスを見送って。



「でも、適当に話してればいいのに」と、バッグの中でルーフィが笑いながら。




「そんなことできないよー。こっちの「めぐ」ちゃんのイメージもあるし」と、わたしが言うと



そっか、とルーフィ。「女の子だなぁ、そういうとこは」と。


「他は女の子じゃないのか、これ!」と、わたしは

バッグの中のルーフィ(のぬいぐるみ)の顔を、ふにふにしてあげた(w)。


「こら、やめろって!」と言うルーフィの声が大きかったので

遠くに居た女の子たちが、ヘンな顔をしてわたしを見てた(2w)。



ととととー、と、走ってハイスクールから出た。けど....。


どーしよう。これから。



「ふつうに路線バスとか」と、ルーフィ。



「そっか。乗った事ないけど...このあたりって、路線バスあるのかしら」と、わたしは

マロニエ並木沿いに歩いて、丘を下った。


風がさわやか。


束ねた髪を、解いて。


風と遊ばせると、いい気持ち....。


「ルーフィも、出ておいでよ。」と、ぬいぐるみになっている彼、に声を掛けるけど


「いいよ、歩くよっか楽だし。」と、彼はにこにこしている。



「おじさんくさー。」と、わたしは笑う。「魔法で行けないの?、図書館。」と言うと



「おばさんくさー。」と、ルーフィは笑う。



「こら!おばさんなんて言うな!」とわたしも笑った。次の瞬間、ルーフィは

左腕を掲げ、指先で円を描いて、それを投げる。



空間がふわり、と動いたような気がした。


しゃぼんだま、みたいな。


きらきら光る空間に、わたしたちは包まれて、すぅ、と動いた。



「すごぉい。これって魔法?」




「まぁ、魔法って言うか、科学かな。」と、ルーフィ。



....科学....。



考えているゆとりもなく、わたしたちは街中にある図書館の前に立っていた。


ブロンズのオーナメント、屋上庭園、それが大きなモニュメントになっていて。


立派な図書館は、見覚えがある。



「ここは変わっていないのね」と、わたしは少し安堵する。


「めぐは、もう来てるのかな。」

ひろーいエントランス。重厚な硝子と自動ドアが、するすると開いて。


それは、確か国内随一の貸し出し量を誇る公立図書館。


5階建てで、最上階はたしか、レストランになっていて

4階が学習室なので、時々勉強に来たような記憶もある。


3階はオーディオ・ヴィジュアルルームで、ひとり用のカプセルに入って

映画や音楽を楽しんだり、大きな画面で映画が上映されたり。


2階が、資料室。でも、穴場で

学生が多い学習室より、静かで

勉強したりもした。


1階が、一般図書室と、児童書。


1階に居るのかな、めぐは。



わたしも、学生の頃にアルバイトで司書のお手伝いをして

そのあと、資格を取ったんだっけ。


実務経験があると、資格を取るのに役に立って。



....でも、出版社で仕事があったから。今は、旅行記事を書いているんだけど。


図書館で、仕事をするのも良かったかな...。




そんな風にも、思った。



重厚な床は、コンクリートの装飾タイルで

綺麗にお掃除されていた。


アルバイト、って言うと

お掃除もするのかな、と思っていたけれど


ここは、公立図書館なので


きちんと、分業になっている。


おそうじは、青い制服を着た人が

担当していて。


きっちりしているなぁ、と

ハイスクールのわたしは、思ったりした。



第一図書室の入り口は、また、自動ドア。

IDタグの検出装置があって、本に貼ってあるIDタグを読み取って

貸し出しになっていないと、赤ランプが点くようになっている。



自動ドアが開き、空港のゲートみたいな

センサーが両側に、アンテナを広げている

通路を通ろうとしたら。




ぴんぽーん。



チャイムが鳴って、赤ランプがついた。


「本借りてないのに。」と、わたし。

「世界が違うしねぇ。」と、バッグの中のルーフィ(笑)。



黒いエプロンをした、司書さんが、とことことこ、と

正面のカウンターから出てきた。


エプロンに、ひらがなで としょかん と刺繍してあって

なんだかかわいい(にこにこ)。



その子はめぐ、だった。


「あらー?いらっしゃい。」って、めぐは

さっき、学校の図書館でした話を忘れてるみたい(2w)。



「本、借りたんですか?」と、めぐが言うので


「ううん、だって、さっきこの世界に来たばかりだし...。」と、わたしが言うと



「そうですよねっ。なにか、時々そういうこと、あるんです。

ICカード定期とか、そういうのが。」と、めぐは

仕事慣れしてるのか、そんな話をした。


「じゃ、だいじょうぶだ。すいません、どうぞ。」と、めぐは

ととととーっ、と駆けていって、カウンターに戻っていった。



「おもしろい子だねぇ。僕のことも忘れてるし。」と、ルーフィ。



天井の高い、広々としたこの図書館は、今、わたしたちの住んでいる

「あちら」の世界でも、同じように建っている。


わたしも、ハイスクールの頃、そういえば

司書のアルバイトをしたっけ。



本の好きな人だけが来る、そういう図書館とは

ちょっと違う雰囲気の、この町の図書館は

結構、いろんな人が来て。


ちょっと困ったこともあった。



「どうして?来週から海外出張に行くのに、借りて行こうと予約しておいたのに。

本が無いって、どういう事だ。」



中年の男のひと、怒っている。


海外出張のお供に、ガイドブックを借りて行こうとしたら

まだ返却されていなくて、出張に間に合わない。


そう言っている(2w)。




「買っていけばいいじゃないねぇ。」と、わたしはルーフィにつぶやく。


「まあ、ああいう人は、元々怒りたくて、そうしてるのさ」と、ルーフィは

鋭い指摘。



わたしたちは、その男の人の頭上に、こわーい悪魔が漂っているのが見えた。



「どーいう事なの?ねえ、ルーフィ。」と、わたしはちょっとふるえながら。


「....うーん。ここは、違う世界だから。悪い心が、僕らには見えるのかもしれないね。」

と、ルーフィは、魔法使いらしく。



めぐには、それが見えないらしい。


司書主任さんらしい、穏やかそうなまんまるのおじさんも

事情を説明していた。



そのうち、その悪魔憑きの中年は「じゃあ、買っていくから、図書館で

費用を持って欲しい」と、訳の分からない事を。



めぐも、主任おじさんも、これには困った。


アジア人っぽい顔立ちの、その悪魔憑きは

このあたりでは見かけない顔立ち、だった。




「ルーフィ....?」と、わたしは彼に期待した。

なにか、してくれそうな気がして。



すっ、と

わたしの背後から現れたのは

イギリス紳士に変装した、ルーフィだった。


山高帽子にステッキ。燕尾服。


ちょっと、時代がズレている(w)。



「あの、もし?」と、ルーフィは静かに声を掛けた。


めぐには、その声の感じで、それがルーフィ、だと

わかったようだ。



悪魔憑きの男は、怒った表情のままだったが

背後の悪魔は、ルーフィが魔法使いだ、と悟ったようで

ゆらゆらと揺れながら、男の背後から逃走しよう、とした。


ルーフィは、カウンターを向きながら

後ろ手で、茶色の硝子瓶、それのコルク栓を外す。


そのまま、指でなにか、サインのような形を作ると

悪魔憑きの男、から怒気が薄れ、悪魔は

小瓶に吸い込まれた。



微笑みながら、ルーフィはコルク栓を閉じて

コートのポケットに入れる。



そのまま、悪魔憑きから離れた男は、柔和な表情になり....。


「あ、あれ?わたしは何をしていたのだろう....。」と、

周囲を見回しながら、図書館から出て行った。



「それでは」と、ルーフィは

にっこり。微笑んで

山高帽を右手で取って、ご挨拶。


呆気に取られた司書のおじさん、と

めぐも


ご挨拶(2w)



ルーフィは、楽しげにステッキを振りまわして

ゲートを通ろうとしたら、また



ぴんぽーん。(4w)




「どうして、引っかかっちゃうのかなぁ」と

ルーフィは、苦笑い。


どうやら、さっき、入ってきた時に

反応したのは、ルーフィのなにかに

このアンテナが反応したらしい。



山高帽をとって、やれやれ、と言う

表情のルーフィに、めぐは


「ステキでした。どうなっちゃったんですかー執事さんっ」と

にこにこしながら。



「いや、あの、執事じゃなくって...まあ、いっか。」と

ルーフィは、彼女に本当のことを言う訳にも行かないので(w)


「結構、ね。疲れてる人も多いから。」と、言った。



「そーなんですね。癒しも必要だし。」と、

めぐは、分かったような、分からないような(2w)

返答をして、カウンターに戻った。



図書館、公共の仕事って言うのも大変ね。



ルーフィは変装を解いて、さっきの

ブルー・ジーンズスタイルに戻った。

けど、それも変装だし(3w)。


そういえば、わたしも変装、って言うか

ハイスクールに通ってた頃のスタイルだった。



図書館のエントランスを、制服を着た学生たちが

歩いていくのを見て

ちょっとだけ、着てみたかったなぁ、なんて思いながら


アルバイトをしていた、んだっけ。




「なんで、制服の無い学校だったの?」と、ルーフィ。


「うん、このあたりだと、制服が無い学校の方が多いの。

制服があるのは、ミッション系のところとか、私立のところとか。

お金持ちの行く学校、だったのかな」と、なーんとなくペーソスな、わたし(2w)



「ふーん、でもさ、別に制服だからって、ステキに見えるって事もないし。」と、ルーフィ。



イギリスだと、制服の学校って、そんなにないらしい。

それはまあ、大学とかもそうだし。



でも、女の子としては、なーんとなく、着てみたかった、って

ルーフィに言うと、彼は、ふわり、と

両手を揺らして。



また、金の粉が空から、ひらひら。


わたしは、ハイスクールの女の子みたいに

タータンのスカートにジャケット、のスタイルになった。



でも、ちょっとスカートが短くて、恥ずかしい(2w)。




「これって、ルーフィの趣味なの?」と、聞くと


彼は「いやぁ、そこの本に載ってたから、と、図書館の雑誌を指差した。



「でも、こんなとこで魔法使って大丈夫?」と、心配すると



「うん、今のは、君と僕のところだけ、時空が違ってるから。

ほら、さっきの悪魔くんみたいに、こっちの人には見えないんだ」と、ルーフィ。



彼は、すぅ、と、右手で空中に円を描いて、魔方陣のようなものを呼び出して。


さっきの茶色の小瓶の封印を解くと、悪魔くんは、その円に吸い込まれていった。



「さよならー。」と、にこやかにルーフィは手を振ると、円を閉じた。




「どうしたの?」



「うん、悪魔くんの時空に戻ってもらったんだ。時空が歪んでるって事で

知らずにこっちに出てきてしまってるみたいだね。それで、食べ物が無いから

人にくっついた。」と、ルーフィ。



「怖いわ」と、わたしも背後を見る。



ルーフィはにっこり、として「大丈夫。悪意をもつと、悪魔が憑いたりするのさ。

優しい気持ちで居る人には、そんなことは起こらない。」




そういえば.....わたしは、ゴミ捨て場のぬいぐるみがかわいそうで

お風呂に入れてあげて、可愛がっていたら

ルーフィに出会えたんだったわ...。と


彼との出会いを思い出していた。



ルーフィも同じ気持ちみたいで「そうそう、あの時、お風呂に入れてくれたんだっけ。

ステキだったっけ。MegのNUDE」と、にやにや。



わたしは、恥ずかしくなった。「こら!そんなこと忘れろ!悪い気持ちだと

悪魔が憑いちゃうよ。」と。


ほっぺが赤くなった(10w)。



ルーフィは、にっこり「大丈夫、愛があればね、それは罪じゃないのさ」と

そんなこと言うから


わたしは、もっと頬が熱くなった....。

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