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魔法使いルーフィと時間旅行記者  作者: 深町珠
めぐ:3年前の異世界のわたし
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多重次元

「違う世界?」 わけわかんないよぉ。


彼は、静かに

「うん、あるんだ。似て非なる世界って。

なんかの拍子に、次元の歪みを飛び越えたり。

大昔っから、神隠しとか、幽霊とか言われてるのは

それで説明が付く、とか言われてるね。」



ちょっと....それじゃぁ。「あの子は、わたし?この世界の?」



ルーフィは、静かに「そうかもしれない。なんとなく似てるみたいだし。」



その子を、クラスメートが呼んでる。呼んでる子は

わたしのクラスメートだった子のひとり、に

よく似ている。



「ここは、やっぱりother worldなのね。」と、わたしは

言葉を呑み込むように。



「どうして、こんなところに来ちゃったのかしら。」途方に暮れて、わたし。


「わからないよ。君の行きたいところ、ってイメージだったんじゃないの?」と

ルーフィは、まだ、ぬいぐるみの格好のまんま。



「だいたい、あんな大きなルーフィが、どうしてぬいぐるみになると

そんなちっちゃくて軽くなるのよ」と、ちょっとわたしは疑問。


「それが、だから次元の違い、って事。4次元の空間は

時間も空間も伸縮するのさ。だから重さも変わる」と、ルーフィ。



その説明だと、今まで居た町でも

ルーフィは、別の次元との間を行き来している事、になる。



そうなんだ.....。意外に身近だった、異次元空間。



「もどろっか?」と、わたしは、なんとなく怖くなった。


「どうやって?」と、ルーフィは言問い顔。でも、ぬいぐるみの格好だと

どっかヘン(笑)。


「いいかげん、元の格好に戻りなさいよ」と、わたしが言うと


ルーフィは「まだいいよ。だって、この格好だと

歩かなくて済むし」と、お年寄りみたい。(笑)。



あれ?


「帰り方、わからないの、ルーフィ?」



彼は、不思議そうに

「だって、君が来たのに。僕は魔法使ってないよ。」と。



どーしよう......。途方。



「ここに来たかった、って君の心が思ったから。来たかった理由が

見つかれば、帰れるさ、きっと。」と、ルーフィは意外に楽観。



わたしは、マロニエの向うに見え隠れする、「もうひとりのわたし」を

遠くから見ていた。



お庭の掃除を、結構丁寧にしているあたり、わりと

わたしっぽいけれど。


ほんとうにわたし?



「ハイスクールの頃さ、不思議な経験ってなかった?

見た事ない景色なのに、見覚えがあるとか。」と、ルーフィが言う。


「うん..でもそれって、既視感、って錯覚だって大学で習ったけど」と、返事すると



「そう説明されてるだけで、ほんとは分かってないんだよ。それが正しいって

証拠もない。」と、ルーフィ。



なるほど....。別の「わたし」が、別の「空間」で見たって事か.....。

それなら説明もできる。


「今の君はさ、能力がある。ひょっとしたら、どこかの空間に旅した事が

あったのかもしれないね、以前にも。『夢見た』と、思い込んでて。」と、ルーフィ。



「それって、二重身の事?」と、わたしはまた、習った言葉で言った。



「そう説明もされてるね。3次元で考えると。例えば、多重人格、なんてのも

その人に4次元の空間があるって仮定すれば....。」と、ルーフィ。



「怖いよ、そんなの」と、わたしはちょっと震えが来た。


だいじょうぶ。と


背中から声がして、気づくとルーフィは、あの

かっこいいイギリス青年の姿に戻って、わたしを後ろから

やさしくHugしてくれていた。


ルーフィ.....。ありがと。


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