願い
わたしは、過去の記憶を思い出してみたけれど
天使さん、なんて会った事もないから
たぶん、この異なる世界だけのお話なんだ、と
思った。
めぐ、は
わたしに似てるけど、そこは違うのね。
天使さんと、お話してみれば、わかるかな....って
わたしは、おばあちゃんに聞いてみれば
なにか分かるかな、と。
次の朝、めざめてすぐに
おばあちゃんのお部屋に行ってみた。
お部屋は、わたしが覚えてる
わたしの世界のおへや、と
同じように見えたけど
少しだけ、なにか
雰囲気が違うように見えた。
どこが、違うのかしら.....
見回してみるけど、よくわからない。
窓際に、ステンドグラスと燭台、それと聖書があるくらい。
わたしの知っているおばあちゃんは
お祈りしたりするような
そんな感じじゃなかった。
畑にいったのかな?
って、わたしは
サンダルで
また、トマト畑の方へ。
ルーフィが、履いてたサンダルは
まだ、そこにある。
いつだったか、転びそうになって
助けてくれたっけ。
なんて、遠い記憶みたいな気がする。
おばあちゃんは、トマトをもいでいた。
おはようございます、ってごあいさつ。
おばあちゃんはにこにこして「おはよ、お姉ちゃん」なんて言うので
わたしも、にこにこ。
和やかな感じで
ちょっと、シリアスな話は
しにくいかなー。なんて思った。
トマト畑の草を、抜いたりして。
「いつまで、続くのかしら」なんて、おばあちゃんは
話を切り出した。
何の話かしら、と
思っていたけれど
今の、この世界で
人知れず、戦っている
悪魔くんと、人間の欲望の話だった。
「ずっとずっと昔から、そうだったの。」
昔は、魔物がいて
よく、人間を浚って食べ足りした、らしい。
その頃は、魔法使いも
居なかったから
天にお祈りして、天使様に助けてもらっていたのだ、とか。
「わたしは、神様とお話ができたので、お祈りして、ずいぶん子供達を助けてもらっていました。」
「でも。」
その魔物たちは、魔王に退治された、と
おばあちゃんは言った。
不思議な事だけれど、
魔界から人間界へ行く禁則破り、として。
「魔物たちは、めぐを、生まれたばかりの赤ちゃんを連れ去ろうとして・・」
おばあちゃんは、天使さんにお願いして。
その、魔物は
とても強くて。
天使さんも傷ついてしまって。
めぐも、息絶えかけて。
でも、魔王が
追いかけて来てくれて
その魔物を退治してくれた。
「けれどもね、めぐも、天使さんも。傷ついて。ひとりでは生きられなくなってしまったの」
と。
おばあちゃんは悲しそうに
空を仰いだ。
魔王は、「いつか、魔法使いが現れて、乱れを正すだろう」 と予言して
魔界に帰って。
神様も、めぐと天使さんの命が燃え尽きるのを
それまで待つ、と
魔王と約束して。
「それが、あなたたち。」
わたしは、びっくりした。
そんな願いが込められて
わたしは、彼と出逢ったの?




