素直な気持
めぐは、思い出していた。
はじめての、恋。
きもちを、伝えたい....。
それだけで、ルーフィさんに。
でも、いわない方がよかった....。
かえって、彼を困惑させてしまったような
そんな気、もする。
でも、言ってしまいたかった。
巻き戻し再生のように、情景を思い出す。
きのう、から?、ううん、ずっと前から。
夢見てたような、そんな気がするの。
遠くから、あたしの理想の人が
空駆けて、来てくれる。
そんな夢、ずっと見てた。
それが、ルーフィさん...?
恥ずかしくって、顔、見られないよ....。
お家であってても、苦しくて....。
気持だけでも、お話して。
楽になりたかったの。
なので、図書館にルーフィさんが来た時に
おはなしできないかな、と、思って。
偶然、シアターにルーフィさんがひとりで入って。
わたし、シアターへ。
ドアを開いて。
静かに閉じて。
ルーフィさんは「トムとジェリー」を見て
楽しそうだった。
でも、わたしが来た事に気づいて。
「やあ、すこし、見てく?」
なんて、やさしく言ってくれて。
ちかくに行くだけでも、どきどきして。
恥ずかしくって。
こわれそうになっちゃう....。
言うんだ、言うんだ....。って、心の中で言葉が踊ってて。
一番後ろの席、左の角のルーフィさん。
ひとりだけ。だーれもいないシアター。
お部屋は明るいけど。
ひとことだけでいい。
そう思っても、ひざがふるえて....。
言葉にならない。
「....どうしたの、めぐちゃん....。」と、ルーフィさんは
やさしく、わたしに声を掛けてくれて。
なにかに、気づかれたみたい....。
「あ、あの...ルーフィさん?」声、ふるえてる。
でも、言わないと....!
「......す....き........。」




