喫茶
駅前まで、また
ケーブルカーに飛び乗って(3w)
駅から、路面電車(新しいのはLRT,というそう)
に、乗って。
図書館に着いたのは3時半くらいだった。
「めぐちゃん、来てるかなー。」
「そろそろじゃない?」
ひろーい、エントランスから
第一図書室のカウンターを見たけど、めぐの姿は無かった。
「遅刻かな....。」
昨日、お会いしていた
司書主任さん、優しそうなおじさんなので
聞いてみたら....。
「ああ、きょうは、なんだか5階で忙しいらしくて。
手伝いますっ、って行っちゃいました。司書のアルバイトだから
そっちは手伝わなくてもいい、って言ったんだけど。
1階はきょうは暇なもんで。」と、おじさんは
にこにこ。
「自分から忙しいとこを手伝うなんて、なかなかできないねー。」と
わたし。
「キミだったら逃げる?」と、ルーフィはどっきりする事を言う(w)。
逃げはしないけど.....「積極的には行かないかなぁ。」
「それが、自然なんだと思うけど。やっぱり、めぐちゃんは天使さんかなー。」と
ルーフィは、めぐを褒めるので、わたし、ちょっとジェラシー(9w)。
わたしの顔をみて、ルーフィは「あ、でも、ふつうは、Megみたいなので
いいと思うよ、年が違うし。」と、余計な事を(99w)。
「わたしは年寄りだって言いたいの」と、わたし、ちょっと怒ったふり。
ルーフィの優しさはよく分かるけど、ちょっとジェラシーーーー。(88w)
「いや、ごめんごめん、そうじゃなくって。3年前のキミだもん。
比べるのはアンフェアでしょ」と、スマートに言うルーフィ。
「いいわ、許したげる。5階って、喫茶だっけ?」と、わたし。
「喫茶って、『おかえりなさい、ごしゅじんさまぁ』っていうのだっけ」と、ルーフィは
ヘンな事ばっかり覚える(2w)
「違うわよ!そんな喫茶が図書館にあるわけないでしょ。いこ。」と
わたしは、第一図書室を出て、エレベータのボタンを押した。
スカイレストラン、と言う
なつかしいような。
デパートの一番上の階は、家族連れで
賑わっていたっけ。
屋上はだいたい遊園地で。
図書館って公共施設なので
そういう、思い出の中にあるような施設が
そのまま残っているのは、うれしかったり。
今は、デパートそのものをあまり町で見かけないし
家族連れでおでかけ、お買い物。
そういう風景もあまりみなくなって、淋しいような気もするけど
でも、この図書館の5階は、そんな
なつかしい雰囲気で賑わっていた。
ウェイトレスのアルバイトさんだけでは足りないのか
めぐ、は司書のアルバイトなのに
お手伝いにきている、らしい。
「どこにいるのかしら」 「パントリーかなぁ」
と、硝子のショーケースにあるサンプルとか、なつかしい雰囲気の入り口から
わたしたちは、中の様子を伺った。
「あ、いらっしゃいませー。」と、めぐは、いつもとおなじ
[としょかん]と、書いてある黒いエプロン姿で
ちょっと、ルーフィはがっかりかしら(2w)。
もっとも、他のウェイトレスさんも、そんな感じだけど。
公共施設なので、そんな感じらしい。
「なんか、学園祭の模擬店みたい」と、ルーフィが言ったけど
素朴さが楽しいと、わたしは思った。
5階からの展望もあって、けっこう人で賑わっていて。
家族連れ、と言うよりは
お母さんとちいさな子供、みたいな感じの人が多い。
大きなガラス窓の向うは、町並みと、その向うに海。
大きな川が、美しき青きドナウ、そんな曲を思い出すように
流れていて。
川向こうに市役所、小さな山、それと港。
風光明媚な観光地に近いこの場所は、のどかなところ。
「きょうは、たいへんね」と、わたしが言うと
「はい!にぎわってますー」と、めぐは
アルミ二ウムのまるいお盆を持って、食器をかたづけたり。
珈琲やジュースを運んだり。
厨房が結構本格的なのは、図書館で働く人が、お昼をココで
食べたりするため、だろうか。
白いお帽子のシェフが、大きなお腹をして、にこにこと
おなべを煮込んでいた。
お客さんはいっぱい。
平日なのに、なんでかなー、と
思っていたら
きょうは、たまたま
童話を読む会、と言うイベントがあって
こども連れのお母さんが、いっぱい来た。
そんなところらしい。
こどもは、こどもの感覚で動くから
ふつうの時間予定に合わせるのは、むずかしい。
それなので、お母さんの中には
むずがる子供を連れて歩くのに、疲れてしまう人もいたりして。
「たいへんね、おかーさんって。」と、わたし。
「キミだって、おかーさんになるんじゃない」と、ルーフィがヘンな事を言うので
わたしは、ちょっとほっぺが熱くなった(2w)。
こどもって、自由な時間軸で動いている。
分類すれば4次元、って言える。
それは、イメージの中、思うままに動いているから。
それで、しあわせそうなのは
3次元的な、世の中のタイムスケールを無視(笑)しているから。
オトナの多くが不幸っぽく見えるのは、無理やりタイムスケールに
合わせていて、その見積もりが下手だから、だろうと
わたしなども思う(2w)。
よく、仕事の都合に間に合わなかったりする事もあったりして。
こどもみたいに、自由なタイムスケールで
伸び縮みできれば、便利なのになー。
そう思った。
「時間の伸び縮みができれば、みんな幸せになれるのにね」と
わたしは、ルーフィに言った。
「いつか、できるかもしれないね」と、ルーフィ。
「僕らは魔法使いだから、時間を飛び越えたりできるけど。
今は、空間まで飛び越えちゃったりして。
情報だけが飛び越えるのは、今でも出来るね。
通信は光の速度だし。過去には戻れないけど」と、ルーフィは言った。
「光の速度?」と、わたしは聞き返した。
「うん、電気通信だから、インターネットって。」と、ルーフィ。
「光を超えたら、時間が逆転するんでしょ?」と、ルーフィに前聞いた
相対性理論のことをわたしは思い出した。
「うん...。あ、それで過去に通信するの?」と、ルーフィ。
「あーなるほど。おもしろいねそれ。」と、言って、ルーフィは
空中に魔方陣を描いて、指で文字を書いて。
ひょい、と
その魔方陣を窄めた。
「なにしたの?」と、わたしは??(3w)。
「キミの過去に、通信したのさ。Eメールで」と。
ルーフィは楽しそうに話した。
「向うの世界に戻ったら、君のコンピュータに着いてる、かな?」
なーんて、おもしろいことを言った。




