のんびり夕涼み
すっかり、夜の雰囲気になった
坂道を、3人でのんびり下っていく。
「ちょっと、ひとりだと暗くて怖いんです。
きょうは、3人だし、ルーフィさんがいるから。星空をのんびり
眺めていられて、楽しいな」と、めぐは、にこにこ。
「浴衣で夕涼み、みたいな...。」とわたしが言うと
「ユカタ?」と、めぐ、は言う。この地方では、馴染みがない。
それはそうね。きもの、ってアジアンテーストだし。
「こんなんだよ」と、ルーフィは、右手で空中に、いつもみたいに
輪を描いて。
その、スクリーンには
花火、浴衣、夕涼み...みたいな映像が映った。
「すごーいぃ!。どうやったんですか、それ!」と、めぐは
びっくり。
それはそうね、はじめて見た時、わたしもびっくりしたもの。
「ああ、僕はマジシャンだから。」と、ルーフィはさらっと(笑)。
「それ、あたしにもできるかなぁ」と、めぐは、魔法に興味を、
ちょっと違う興味を持ったみたい。
「うん、できると思う。でも、今だったらインターネットが
あるから、同じ事は魔法でなくてもできるね」と、ルーフィ。
「あ、そっか」と、めぐは、楽しそうに笑った。
「大昔、魔法じゃないとできなかった事は
科学が普通に、誰にも出来る事、にしてきたね。
だから昔は、魔法使いって科学者みたいだったりして」と、ルーフィ。
「そっか....。でも、時間旅行なんて、今でもできないね。」と、わたし。
それは、そうかも。
時間と空間を乗り越えるなんてのも、いつか、科学で
できるようになるかもしれない。
それも夢、かなー。
いつのまにか、浴衣の話を忘れてた(2w)。
「そうそう、浴衣ってね、さっきの映像みたいな
涼しそうな格好のこと。
下駄履いて、のーんびりして。」と、わたしが言うと
「あ、いいですね、それ。おばあちゃんに作ってもらおうかなー。」
なんて、めぐ、は楽しそう。
「花火、見たりしてね。」と、ルーフィは言って
さっきの映像にあった、打ち上げ花火のイメージだけを
わたしたちの頭上で、展開した。
「びっくりです」
「わぁ」
わたしとめぐは、突然なのでほんとにびっくりした。
「きれいでしたね」と、めぐは、感想して
ほんとの花火って、みてみたいなー。
そんなふうに思った言葉を、そのまま言った。
このあたりの花火って、昼間、ぽん、って打ち上げるの、とか
夜でも、光るだけで
さっきの映像みたいに、色が変わったりしないし。
「それは、日本に旅行に行ったら、見れるね。今でもあると思うよ」と
ルーフィは、現実的な事を言う、めぐは
「魔法で、できるかなー。」なんて。かわいい事を言っていた。
マジシャンって言うと、そういえば手品師の事も、そう言うもん(4w)。
そんなきっかけでも、覚えられるといいかもね....。
にこにこ、たのしそうなめぐと一緒に、めぐの(わたしの、でもあるけれど)
おうちに着いて。
わたしとめぐは、わたしたちのお部屋で。
ルーフィは、結局、向うの世界と一緒で
屋根裏部屋に行く事に。
ゲスト・ルームを使えば、と
薦められたのだけど。
でも、ルーフィは、お屋根が好きだから(だからRoof+yだ、と
名前の説明までしていた)。そこがいい、と言って。
屋根裏部屋に収まった。
わたしの(めぐのでもあるけど)部屋は、そんなに広くないけど
ふたりで眠るくらいのスペースは、ある。
ソファーベッドを広げて、めぐのベッドにくっつけて。
ダブルにして(笑)
寝よう、って
灯りを消して。
「あたし、お姉さんがほしかったの。」って、めぐがささやくように
そう言うので、わたしも、そんな気持ちになったっけ、と
ハイスクールの頃を思い出した。
優しいお姉さんが、居たら良いのにな、そんな風に思ったこともあったっけ。
もしかすると、めぐの願いが叶ったのかしら。
わたしは、めぐのほうに手をのばして。
かわいい、かわいい、って撫でてあげたくなって。
「おちつきます、とっても....ひとりでね、寝てると
とっても淋しい時もあって。誰か、来てー、って
思った事もあって。
おおきなぬいぐるみさんを、ぎゅ、ってしたりして。」
めぐがそんな事を言う。
.....そういえば、ルーフィを
最初に見かけたのは、おおきなぬいぐるみの姿で
雨に打たれて、ごみ捨て場で捨てられてたのが
かわいそうで。
お風呂に入れて、あげてたら
ルーフィが、ぬいぐるみに宿ってた。
そんな事だった。
わたしも、そういえば。
淋しかったのかな......。
めぐ、と一緒だ。
めぐのことを、愛しくなって。
ぎゅっ、として。
なでなで、してから
わたしたちは、眠った。
そう、明日もウィークディ、だもん。
めぐは学校もあるし。




