摂理と神秘、科学と魔法
でも、天使さんは
望んで天使になったわけでもなかった。
それまでの行いで、転生が行われ
任命されただけ、だ。
いまも、それは同じ。
めぐのために、自らを変えようと
思っている....。
それは、めぐとて同じで
望んで能力者に生まれた訳ではなかった。
どんな赤ちゃんも同じで
自ら望んで出生する子はいない。
それは、父母の願いであるが....。
めぐの場合、その能力のせいで
数奇な運命に晒されてしまった。
神とて知るところにはなく
運命とはそんなものだ。
悪魔や魔物が来るように、時空の歪みが生じたのも
単なる偶然なのだろうか。
神はそれを粛清した....。
しかし。
社会制度が正しく、国民の為に改正されたせいで
それまでの体制で、不正な利益を得、そのシステムに沿っていた
人々は、利益が得られなくなった。
無辜の生命。
とはいえ、生命維持にはやはり、食料が必要なので
それは、多くの場合、無辜の生命を食する。
原罪と呼ばれる所以である。
そうした原罪を持つのが人間である。
動物である。
そして、動物に食われるのは植物である。
相互に転生が行われ、相互の世界を往来する。
不正なシステムに沿って生きていた人たちのうち
寿命が尽きた人々は、勿論転生の時に
人間に転生する事はない。
神に粛清される以前に、自己抑制して
欲に駆られない生き方をするべきところを
しなかったため、であり
それは、転生の際に適正に審査された。
動物界に転生するにしても、原生動物や虫に転生したり
原始植物に転生したりした。
そのせいで、虫が大発生したり
原始植物が都市に生えたりした。
動物が増えれば、植物を食料とする。
植物は、炭酸同化作用により
大気中の炭酸ガスを消費する。
植物が減ると、炭酸ガスが増える。
そのように、社会のどこかを変えると
全体に影響があるものである。
星占いで言うと
冥王星、死と再生を意味する惑星が
12番目の室に入る時、終生と新生が起こる、などと
神秘主義で語られたりも、するけれど
社会を意味する6番目の室と、丁度180度、緊張関係にある時
変革は、革命的に起こったりもしたり。
古代エジプトの進軍の将は、そんな風に
星占いを活用していた、行軍に天体の力を使う、との意図で
言ってみれば、その時代の呪術である。
上手く行くと、それは魔法と呼ばれたりした。
なので、ルーフィは星占いの知識は当然持っていたし
めぐが、興味を持ったのも自然な流れかもしれない。
めぐは、ルーフィに「魔法で、コンピュータのプログラム作れませんか?」
などと、無茶な事を言う。
でもまあ、コンピュータプログラムと言うのは
コンピュータの中で、電荷、つまり電気がある、とかない、と言うことで
数字や文字を表しているだけ、だから
翻訳する部分を、魔法でやれば
簡単にできるかもしれない。
と、ルーフィは思った。
時系列を横軸に採って、縦軸に星座上の惑星の位置を採る。
グラフを書き、惑星の進行を近似式に置換すれば
あとは、式の未知数に占う日の数字を入れればいいのだ。
例えば、 Y=2Xと言う惑星があったなら、Xに日時を入れればY、即ち
星座上の座標が出るので
天球図上の位置に置換すれば、惑星相互の角度が出るから
90度近似
180度近似
60度近似
30度近似
120度近似、と、これは算術計算で
吉凶は算出される。
と、これは幾何学的なプログラムで
魔法、と言うのは
それを直接変換する、そういう訳だ(笑)。
「グラフ書いた方が楽ですね!」と、めぐはにこにこ。
「うん。これならプログラム書かなくても、表計算ソフトで書けるんじゃない?スクリプトで」
と、ルーフィは言った。
もともと、魔法使いは科学者であった。古代では。
(笑)




