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魔法使いルーフィと時間旅行記者  作者: 深町珠
めぐ:3年前の異世界のわたし
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悪魔の心・理論物理学

「いらいらする、って

結局は、自分のイメージと、目の前の現実を比較してるからさ。」

と、ルーフィは言う。



「それも、今ふうに言えば、って事?」と、わたしは聞いてみた。


「そう。[認知]なんて言うね。医学だと。認知症、なんて言うね。」と、

ルーフィは、物知りだ。魔法使いさんって、そうなのね。



「アタマの中に浮かんだ、イメージ、それは時間も空間も無いから

4次元、だね。思い出のイメージに、一瞬で飛べるように。」

と、ルーフィは言う。



うんうん。そうだっけ。出会った頃の彼とか、ずっと前の事、とか。

さっきも、ハイスクールの頃のわたしを思い出してた。


そのイメージは、なーんとなく、ってだけで

まして、時間を追って記憶が呼ばれる事もない。



「だから、いらいらする人、例えばさっきの本を探してる人は

本を見つけて、図書館から帰る時間、そこまで予定してるんだよ。

でもそれは、自分の頭の中だけにある4次元的イメージで

目の前にある時間は3次元だから、地球の自転に沿って動いているだけさ。

それに、いらいらする、ってのは.....。ちょっと、認知に問題がある。」


なーるほど。そう、客観的に自分を観察すれば

いらいら、なんて出来ないわ。恥ずかしくなって。


「悪魔くんたちも4次元の世界だから、その、イメージ空間に近いんだね。

それで、憑きやすい。」と、ルーフィは言う。



「でも、ふんわりしあわせ、な気持ちも、時間が止まってるみたい。」と

わたしは思った。




「そうだね。止まってる時間のままで居たい、ってのは時間軸がなくなってるから

4次元ではない...かな?。それに、悪意が無いから、悪魔くんたちの

食べ物は無い、から、来ない。」



なーるほど。

でも、悪意を持つ人って、人種が違うのかしら?と

わたしは思った。




「うん、結局、いろんな説があるけどね。癖、なんじゃないかな。」

と、ルーフィは意外な事を言う。



「癖?」突飛な言葉に、ちょっとわたしはびっくりした。





「そう。もともと動物は、他の生き物を食べて生きてきたから

狩りをして、食べるのが好きなように出来ているけど

それは、周りから見ると侵略者だし、攻撃さ。

人間の社会だと、狩りをする機会がそんなになくて

その機能が暇だから、周りの人間を攻撃したりする[癖]に

なってしまっている人も居る、って事だろう。

僕らは、魔法で時間を旅したり、新しい知識を得たり、

文章を書いたりする。それが、狩りの代わり。

そういう事を知らない人が、偶々、悪い癖をもっちゃった。

そんなところだ...って、本に書いてあったよ、そのあたりの。」

と、ルーフィは、動物行動学や、生物社会学のある

自然科学の書架を指差した。



「....暇...。」と、なんとなくわたしは、複雑な気持ち。


暇だからって、女の子に当たるのは良くないな。

弱い者いじめじゃない。



ルーフィは、それに明快に答えた。


「なので、本当に弱いかどうか?を

悪魔くんは試してるのかもしれないね。

弱い者いじめをするような人の心を。

実際に、悪い事をすれば、警察に捕まって

本当は、強くなかったって事を思い知るだけさ、そういう人は。

強い、って思い込んでるだけなんだよ。」



そっかぁ.....。悪魔くんは、淘汰を助けてるって事、か。

と、わたしはつぶやいた。



「うん...人は、たぶん増えすぎちゃったんだね。この世界に。

だから、数を減らそうって思ってるかもね。」と、ルーフィ。



「それだと、めぐ、みたいな子って....。悪魔憑きみたいな人にも

平然として、微笑んでいるような子が、生き残るのかなぁ。」と、わたしは

なんとなくそう思った。



「それは、わからないけど....。あの子には、ほんとうに

天使が宿っているのかも、ね」と、ルーフィは、にこにこした。




書架で、カートの中の返却図書を整理している、めぐ。


ようやく終わりそうで、笑顔をみせた。




わたしとおなじ、筈の彼女に

こちらの世界で出会って、なんとなく、良かったな。

わたしは、そう思った。


図書館の閉館は、17時。

ほんの2時間ほどだったのに、とっても長く感じたのは

なんでかなぁ。


いろんなこと、あったし。



おつかれさまでしたー、って

にこにこして、図書館のアルバイトを終えて帰ってきた、めぐ。


「すみませんでしたー、ずっと、お付き合いしていただいて。

....そうだ!、Megさんも、ルーフィさんも、どこか、住むところは

こちらにあるのですか?」



....そういえば(2w)わたしは、そこまで考えていなかった。

なんとなく、過去に旅するような気持ちで、違う世界に

旅してきてしまって。


帰る方法も、まだ、わかっていないのだった。



....こっちの世界の「家」には、当然、めぐ、が

住んでいるのだし。



こっちの世界にルーフィが居ないのは、不思議だけど(笑)。



「はい、どこかのB&Bにでも泊まろうかしら。」と、思いつきで言ったわたし。


B&B、って。この地方によくある

個人のお家を改装して、朝食とベッドを提供する、お宿。


ときどき、取材でいきあたりで使ったりしてたので、つい、そんな感じで。




「そうだ!、うち、に、いらしてください。ね、ね?いいでしょ?」と

めぐ、は

にこにこするので、迷惑じゃないかなー、と思ったけど



なーんとなく、こっちの両親にも興味あったりして(笑)



ルーフィも「うん、もしかして、ほんとにもうひとり僕がいたら、面白いけど」

なんて言って。



照明が落ちた図書館のエントランスで、話してるうちに

そういうお話になって。


歩きながら、図書館通りの路面電車の停留所、まで。


不思議に、レイアウトも、石畳のあいだのレールも。

芝生の生えた軌道も、おんなじだった。



出版社のあるビルに行ったら、わたしたちが居るかもしれない、

なんて思うくらいに、そっくり。



だけど、たぶん3年前くらいの時間軸。似てるけど、違う次元。

どこで、わたしたちの世界につながっているんだろう?


それが見つかれば、帰れるんだけど。



路面電車は、沢山走っている時間だから

電停に行くと、緑と黄色の旧式電車が

すぐにやってきた。



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