★第4話:再び★
光暦3050年。
ある人々は空中都市を作り空に移住し、
ある人々は地下都市を作り地下に移住した。
空中都市、それは空飛ぶ未来へ。
地下都市、それは希望の新天地として。
ドキドキ、ディビジョン、ディレイ
違い、分裂、遅延。
数週間後。警察署に納品へ。
署の入り口には警備受付にふさわしい感じの
中年男性が座っている。
「失礼します。修理品を納品に来ました。」
「あ、噂の板金屋さん?」
「はい。え、何ですか、噂?。え、俺、
なんか言われてるんですか……」
「いやいや、まぁまぁ、気にしない、気にしない……
おーい。板金屋さんが来たぞー」
「はい!」
彼女、女性警察官が奥からはっきりした声で出てくる。
「修理品をお待ちしました。」
「はい、お世話になっております。
そこに置いておいて下さい。」
「は、はい、分かりました。ここでいいですか?」
「はい、その棚の前で。はい、そこで大丈夫です。」
いつもと違う会話に戸惑いながら
修理した車体外装を置いた。
戸惑いながらも女性警察官にペンを渡しながら
「それではここに受け取りのサインお願いします。」
女性警察官(そう言えば名前を聞いてなかった……
と思いながら……)は黙々とサインする。
浅兼 弥生
地下都市では昔チュウカという国を中心とした文化圏に
存在していたカンジという文字がまだ主流らしい。
書籍で読んだことはある。しかし読めない。
「有難う御座います。失礼しまーす。」
そのまま駐車場に停めていた会社の車に向かっていった。
女性警察官が後ろから
「すいませんー!」
振り返った矢先、近づいてきたが唐突に、
「やっぱりあんたはお間抜けよ。
受け取りのサインはしたけど支払い手続きしてないじゃないー」
「え、ここで支払いまでやるんですか?」
「えー!何も知らないの?!」
「いや……聞いてないです……
会社ではあの人、何も教えてくれないんで。」
「あーっそっ。それはしかたないわ。
あんなのが上司じゃ苦労するよね。
はい、これ、支払い証明書。
これ、会社に持って帰えるのよ。」
「あ、有難う御座います。」
証明書を受け取りながら聞いてみる。
「それより警官が事故してて大丈夫なんですか……?」
「事故なんか起こしてないわよ。
あ、今回の修理?これは事故じゃない。
犯人追跡してて向こうから当たってきたのよ。
あんたみたいにお間抜けじゃないんだから、
一緒にしないで。」
「そ、そりゃそうです、よね……。
それとなんかさっきは口調が全然違ってまし……」
「ほんと、分からず屋ねー。
職場なんだから当たり前でしょ?
普段からこんな口調で仕事してたら怒られるわよ。」
「なら何で俺にはそんな……」
「前にも言ったけどお間抜けだったし、
何となく怒らない気がしたから……」
「はぁ……」
トゥビーコンティニュー……