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第24.9話:地上からの使者(追加弾)

光暦3050年。

空中都市を駆け巡る

地下都市からのミサイル

そして地上に残る人々は空を見上げる。

ディファレンス、ディビジョン、ディレイ。

違い、分裂、遅延。

場利安土がいくら呼びかけても地下都市中枢部は交渉してくる様子もない。場利安土は机を指で叩き続ける。

場利の頭には、こうなってはさっさと空中都市を落として、地下都市を制圧しようという思いが広がった。


「場利隊長!空中都市への通信データ量が減少しています。」

「何だと?もっと大量に仕掛けてみろ。」

「分かりました!」

隊員たちは各端末の処理速度を上げ、攻撃を増やした。しかし通信データ自体が滞留しているようで思うような変化がみられない。

「隊長!通信量が増えないです。」

「空中都市の状況を確認しろ。」


隊員たちは中央人工知能CCCにコマンドを送り、状況を把握していく。

「隊長、どうもCCCにつながる回線が落とされているようです。こちらかの通信量が格段に低下しています。」

別の隊員がハッキングした空中都市のカメラ映像から通信設備でケーブルを切断している様子を捉える。

「物理線を切断しているようです。」

「なるほど、向こうは捨て身というわけだな。仕方ない、こっちも付き合うことにする。次に予測される近くを狙って軍施設からミサイルを空中都市に飛ばせ。」

「た、隊長、それはいくらなんでも、そんなことをすれば、向こうも反撃するでしょうから、地下都市にも攻撃が、」

「こうなったらさっさと空中都市を落として、地下政府にも打撃を与える。俺たちのいうことを聞かなかった報いだ。」


「分かりました!地下都市、最上部軍発射口からミサイルを打ちます。」

「もう空中都市は落とす。今更、空中都市の建物がどうなろうとあまり意味はない。それより向こうの作戦を一時的にも混乱させて落とすまでの時間を稼ぐ。」


弥生と稲尾は最後の設備についた。そこには物理線がなく、どうやって止めるのか分からない。そこには外部に接続できるデータ転送用のケーブルだけが伸びている。弥生はアヤリに場所の状況を報告する。


アヤリは

「そ、それは噂には聞いていましたが、データ転送用のケーブルです。という事は、その場所の通信だけは外との通信には設備の中心にある球体にデータを収集していく無線での通信が行われています。止める方法はデータの中に入る必要があります。車体に乗った状態でケーブルを車体に繋いでデータを受けつつ、その状態でバーチャルな世界を走って外からの通信を排除するしかないです。」


「え、そんな事できるんですか?車体にのっている私たちはどうなるんですか?」

「一時的に仮想空間に意識を持っていかれます。例えとして正しいか分からないですが本を読んでその世界に入り込んでいる状態、さらには仮想的な空間映像を見ながら体も自然と動いてしまっているような状態です。」

「そんなところでハッカー部隊と競争してどうやって現実世界とリンクしているんです?」

「それは仮想世界で行った設定を現実世界に反映する技術なんです。すでに色んなところで使われてますよ。皆さん、コンピュータを使って色々取引してるでしょ?同じように仮想的な空間で行ったことを現実世界に繋ぐ門、ゲートは一般的な話です。」

「あ……何となくは分かるわ。それって、あのー、例えばゲームとかであるキャラクターが目の前に出てきてハグできる、的な奴かな……?」

「え、ちょっと違います……。あ、弥生さん、あの探偵のゲームやってるんですか?」

「あー、そ、そうなのよ。あはは。」

「私も、私も!毎朝癒されますよね〜。ってこの話は戻られてからー。」

「そーね、早く終わらせましょうー。」


弥生は車体に戻り、稲尾に説明する。

稲尾は

「おー、おー、噂には聞いてるぜ。仮想空間でのレースさ。操作性も現実さながら、らしいからねー。」

その時、アヤリから車体に通信が入る。

「お二人とも聞こえますか?司令官に許可を取って車体に直接つながるようにしてもらいました。ケーブル接続後ですが、二人は車体の中から、仮想空間で活動してもらいます。ただ実際には車体が動いたりはしないはずです。稲尾さんもハンドルは握るかもしれませんが、それは体が仮想空間の映像に反応してしまっているだけです。」

「それなら車体に乗ってなくてもいいような……」

「車体はその時、データの洪水を受け止める器として機能します。その中にいることでより、現実世界から仮想世界に没入します。現実世界の要素が多くなると相対的に仮想空間での活動が鈍くなります。なので車体にいて、没入度をあげてもらった方がいいです。」

「OK。分かったわ。」

稲尾は

「半分ぐらい何言ってるか分かんないけども、今度は仮想空間を走ればいいってことね、ことねー。」

アヤリは

「はい、そうです。存分に飛ばしてきて下さい!」

と発破をかけた。

トゥビーコンティニュー……

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