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★第20話:追跡は盲目に★

光暦3050年。

ある人々は空中都市を作り空に移住し、

きっと飽きて来たんでしょ?地下都市からの逃走劇ー

そして地上に残る人々。

ディファレンス、ディビジョン、ディレイ。

違い、分裂、遅延。

しばらくすると稲尾は

高級なスポーツ車体で颯爽と現れた。

「おー、おー、お待たせー。」


稲尾は赤いロングガウンを羽織っている。

とにかく目立ちすぎだ。

弥生は苦笑いをするしか無かったが、

頼んだ相手がスターなので仕方ない。


「ありがとうございます!

すいません、こんなお願いをしてしまって。」

「おー、おー、それで、どこに行けばいい?」


弥生は少し間を置いて言った。

「初めにお話しした方が

良かったかも知れないのですが、

空中都市に逃げた犯人を追いたいんです。」


「おー、おっ、え!

空中都市に行くの?

そりゃ、また大胆じゃな〜い。」

驚いた顔をした稲尾だったが、

すぐに口元がニヤニヤしている。

「最高じゃん!

なんか、それって命がけで

恋人を追いかける感じ、感じ!」

「えいえいえ、いえ、そんなんじゃない、

ないです。」


「おー、お、はっはっはっ。正直だねぇー。

いいぜ。お付き合いしようじゃない。

それまでは稲尾様とのデートを楽しんでよ。」


弥生は言葉にした後、

変に意識して赤らんでしまっていた。


稲尾は弥生を見て笑う。

「おー、おー、全くこんな美人に

追いかけられる奴の顔がみたいねぇ〜。

という事で早速行くか、行くか!」


弥生は我に返り、稲尾に聞いた。

「車体なんですが稲尾さんの車体なら

早いと思うんですが

警察車両なら相手に怪しまれずに

近づけそうな気もしてて。」


「おー、おー、そうね、

警察車両にしよう、しよう。

俺のスピード車体はねぇ、

速度を出すために軽量。

ただ、もし体当たりするなら、

多分当たり負けー。

だから丈夫な警察車体だね、だね。」


「分かりました。ではそうしましょう。」

二人は車体に乗り込んだ。

稲尾は運転席周辺を調べた。


「通常の車体もね、ここをこうしてやると

リミッターが切れる、切れる。

知らなかった?」


弥生は驚く。

「知らなかったです・・・でも

そんなこと知ってしまったら

いつでもやっちゃいそう。」


稲尾がにやりとした。

「おぅおぅ、警察官。

なんてこと言っちゃうの。

興奮しちゃうね。

とにかく今は犯人追跡ねーーー。」


稲尾は思いっきりアクセルを踏み込んだ。

トゥビーコンティニュー……

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