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★第18話:逃走 II★

光暦3050年。

ある人々は空中都市を作り空に移住し、

とにかく、チカトシからの逃走中ー

そして地上に残る人々。

ディファレンス、ディビジョン、ディレイ。

違い、分裂、遅延。

ついに地上付近まで来た時、

遠くに見える空中都市は以前より低く浮かんでいた。

ただまだ落ちるというには距離はありそうだ。


しかし逃げるには配達車両では心許無かった。

イワラリが周囲を見渡しながら走っていたが

一台の警察車両が止まっているのが見えた。

イワラリはあれだ、と思った。


板金屋では整備が終わった警察車両を

板金先輩が最終確認していた。


「さぁ、車体のテストするぜよ。

おまえ、後ろに乗れや。」

「え、乗るんですか?」

いつもテスト走行に乗ったりしない。

ヤマバは戸惑った。


板金先輩は

「あのなあー、さっきみたろや、

ハッカー野郎の宣言。

あんなのやられてこんな警察車両に

乗ってたら何されるか分からんわ。

だから、乗ってくれや。」


ヤマバはそんなもんか?

と思いながら後部座席に乗った。


バックミラー越しに配達車両が、近づいてくる。

ヤマバは今日は入荷の予定は無いはずだがと

思っていたが、近づいてきて真横に止まる。


え?と思っていたが出てきた男が

一瞬のうちに運転席の板金先輩に

ナイフを突きつける。


「降りろ、借りる。」

板金先輩は驚きのあまりのけ反る。

「ほぉらぁー!言わんこっちゃないやー。

降りる降りる、だから許してや〜。」


イワラリは運転席に乗り込んだ。

ヤマバは警察建屋でみた男と気付き、

思わず、「あっ、」と言う。


イワラリは後部座席のヤマバに気付き、

「け、まだいやがったか。」

とイワラリは咄嗟にナイフを向けてくる。


ヤマバは慌てて

「俺も空中都市のスパイだ。

お前、捕まってただろ?

あの警察建屋で。」


イワラリは一瞬、戸惑い、聞いてくる。

「証拠は?」

ヤマバは空中都市から送り出された時の

スクリーンペーパーを内ポケから出した。

イワラリは焦りもあり、腹を決めた。

「わかった。とにかく急ぐぞ。』


車体の外にいた先輩は

とにかく腰を抜かして地面に座り込んでいた。

警察車両が発車する。

板金先輩は立てずに離れていく警察車両を

見つめながら気付く。

「ありゃー、あいつも行っちまった〜。」



弥生は方々を警察車両で走ったが、

一人でできる事はあまり無かった。

仕方なくいつもの巡回場所を巡っていた。


自然と板金屋に近付くと

あの板金屋が地面にへたり込んでいる。


弥生は声を掛ける。

「なにそんなところに座ってんのよ。」

板金先輩は振り返って弥生を見ながら

怯えた声で言う。

「車体が奪われたんやー。

ほんで、うちの奴も一緒に行っちまったー。」


弥生はヤマバが居なくなったと認識した。

トゥビーコンティニュー……

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