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★第14話:本当の幸福★

光暦3050年。

ある人々は空中都市を作り空に移住し、

ある人々は地下都市を作り地下に移住した。

クウチュウトシ エターク……

地下都市、ニューグラ。

そして地上に残る人々は空を

ディファレンス、ディビジョン、ディレイ。

違い、分裂、遅延。

ミチカゲとの対話はほんと、友達との会話。

ついつい考え事をしてしまった。


次のプログラムを入力。

……

……

……

? 何かがおかしい。


「No Problem.」


いつもよりミチカゲの回答に遅れを感じる。

そして答えも最終的には問題なし……。


今までそんなことはなかったような……。

アヤリは点滅するディスプレイの文字を

じっと見たまま手を止める。


色々な可能性が頭をよぎっては否定していく。

「ミチカゲ、あなたは嘘をついてる?」

グワァーン、ウーーーン……

アヤリは体に揺れを感じる。

「え! 何? 何が起こっているの?」



その頃、空中都市の浮遊装置制御室では、

ヤマバの後輩、アケタチと

ジィこと、サバラナが

異変に気づき始めていた。


「ジィ、ちょっとやばくないっすか!?

地上との距離が徐々に下がっている……」

「お、ほんとじゃのー。」

「何のんびり言ってるんすか!

えーと、えーと、マニュアルは……

どこだ!ーーー。」

「まぁ、まぁ、若いの。

そんなに焦るでない。ワシはもう充分生きた。」

「ジィ、あんただけの人生の話じゃないんすよ!」


そこに女性司令官パウネラが扉を蹴破ってきた。

「どうした!!

浮遊数値が下がっているぞ!」

「あ、司令!

それがわかんないんすよー!」


パウネラはCCCの管理を行なっている

中央司令室に問い合わせる。

「こちら浮遊装置制御室。

浮遊数値が下がっているぞ!

そちら、CCCは

何か警告を発していないのか!」


中央司令室の中も混乱している。

「こちら中央司令室、わからん、

何が起こっているんだ!

(あ、そっち、その計器を確認しろ!)

あ、すいません、

とにかくゆっくりと落下しているようだ。」


パウネラは声を張り上げる。

「何とかならないのか!」

「こっちでもやっている!

しかし、どうしたらいいか全く不明だ!

とにかく善処する!」



「え、地面が下がってる……?」

研究室のアヤリは慌てて外に出る。

空中都市から見慣れた地上の風景は

徐々に拡大しているような気がする。

しかしそれはとてもゆっくりと。


その光景にアヤリは瞬きするのも忘れるぐらい

じっと風景を眺める。

(ミチカゲ、あなた、一体何をやっているの?)



空中都市では混乱が広がっていた。

今はまさに昼間の活動時間で、

多くの人が働き、教育機関で学び、

買い物に出かけたりしていた。


人々は口々に事態を重く受け止めている。

「一体どうなっているんだ!」

「ママ、怖いよー。」

「大丈夫よ、とにかく家に帰りましょう。」

「エタークはどうなるの?」

「このまま地上なんかに降りたら、

地上の奴らが都市に入ってくるぞ!」



アヤリは研究室から見える風景に、

我に返る。

(ダメ、このままでは空中都市が

地面と衝突してしまう。)

アヤリは慌てて研究室に戻り、

パソコンの画面に向かった。


明滅する画面にはメッセージが

表示されている。


〉 Please select your choice. (選択を。)

〉 Where is true happiness for human beings? (人の本当の幸福はどこにありますか?)

〉 Ms.AYARI, choose your selection. (アヤリ、選択を。)

〉 Ms.AYARI, choose your selection. (アヤリ、選択を。)

〉 Ms.AYARI, choose your selection. (アヤリ、選択を。)

〉 Ms.AYARI, choose y…… (アヤリ。選……)

〉 Ms.AYARI (アヤリ)

〉 AYARI (アヤリ)

〉 AYAR (アヤ……)

〉 AY (ア……)

〉 A A A (あ、あ、あ…)


トゥビーコンティニュー……

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